大山将棋研究（607）；中飛車に天守閣美濃（中原誠）

☆ 昨日の復習

先手番大内先生の次の手は？


☆ 今日の棋譜20170810
昭和56年9月、中原誠先生と第22期王位戦第5局です。


しばらく大山先生は四間飛車ばかりでしたが、また三間飛車や中飛車も指すようになりました。中原先生は天守閣美濃です。

53銀から45歩は軽い組み替えです。互いに美濃囲いになると堅さ負けしそうですから。

中原先生は後手にも四枚美濃にされる前に動きました。

32金なら穏やかになったかもしれませんが、大山先生は角を交換して65歩を取ります。

角を打ちあって交換し、王手飛車を消してから

中原先生が飛車をさばけば、46歩は反撃の手筋。46同歩は45桂ですね。

38角に23飛成から駒の取り合いです。

中原先生が桂銀と取れば、大山先生は銀を取って

馬を切って飛を成り、29桂を取る順です。

中原先生が少し駒得ですが、66桂の傷があるのでゆっくりしていられません。竜を逃げずに後手陣に食いつきます。

大山先生も71金、63銀打と投入して

中原先生の攻めが続くかどうか。

竜を切って食いついた形です。

大山先生も竜を切って王手角取り。この応手が悩ましいのです。銀を投入すれば44飛成の時に攻め駒不足なので

68銀と節約したら75桂が飛んできました。

これは先手玉が危ない。

詰めろが続いて

受けなしです。後手玉が詰むかどうか。

92にかわす逃げ方で

詰みがなくて投了図。

本局も大山先生の積極性が見られ、カド番をしのぎました。これまで中原先生相手だと調子が出なかったのですが、このシリーズは違いますね。あまり序中盤で妥協しないで、直線的に進んでの終盤勝負です。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割：平手　　
先手：中原誠王位
後手：大山王将
手数----指手--
1 ７六歩(77)
2 ３四歩(33)
3 ２六歩(27)
4 ４四歩(43)
5 ４八銀(39)
6 ４二銀(31)
7 ５六歩(57)
8 ５二飛(82)
9 ６八玉(59)
10 ６二玉(51)
11 ７八玉(68)
12 ７二玉(62)
13 ５八金(49)
14 ５四歩(53)
15 ９六歩(97)
16 ９四歩(93)
17 ８六歩(87)
18 ８二玉(72)
19 ８七玉(78)
20 ７二銀(71)
21 ７八銀(79)
22 ５三銀(42)
23 ６六歩(67)
24 ４五歩(44)
25 ６七金(58)
26 ６四歩(63)
27 ５七銀(48)
28 ４二飛(52)
29 ２五歩(26)
30 ３三角(22)
31 ６五歩(66)
32 ８八角成(33)
33 同　玉(87)
34 ６五歩(64)
35 ７七角打
36 ３三角打
37 ２四歩(25)
38 同　歩(23)
39 ３三角成(77)
40 同　桂(21)
41 ２四飛(28)
42 ４六歩(45)
43 同　銀(57)
44 ３八角打
45 ２三飛成(24)
46 ４七角成(38)
47 ３三龍(23)
48 ４六飛(42)
49 ５三龍(33)
50 ６九馬(47)
51 同　銀(78)
52 ４九飛成(46)
53 ５八銀打
54 ２九龍(49)
55 ６二歩打
56 ５二金(61)
57 ４四角打
58 ７一金打
59 ６四桂打
60 ６三銀打
61 ５二桂成(64)
62 同　金(41)
63 ６一金打
64 同　銀(72)
65 同　歩成(62)
66 同　金(71)
67 ６三龍(53)
68 同　金(52)
69 ６四歩打
70 ６二金(63)
71 ６三銀打
72 ６九龍(29)
73 同　銀(58)
74 ４八飛打
75 ６八銀(69)
76 ７五桂打
77 同　歩(76)
78 ７六桂打
79 ９七玉(88)
80 ７八銀打
81 ７七金(67)
82 ６八飛成(48)
83 ７八金(77)
84 同　龍(68)
85 ９三銀打
86 同　玉(82)
87 ８五桂打
88 ９二玉(93)
89 ９三銀打
90 同　桂(81)
91 同　桂成(85)
92 同　玉(92)
93 ８五桂打
94 ９二玉(93)
95 投了
まで94手で後手の勝ち