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20171117今日の一手(その603);先に攻める

2017-11-17 | 今日の一手

20171117今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、OさんとSさんの対局です。形勢判断と、今回はこの先の構想をいろいろ考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。ただし1,2筋を攻められると堅くはないので割り引いておきます。
先手の攻め駒は76飛97角で2枚。
後手の攻め駒は33角1枚。44の銀を35に出て22飛35銀を使おうとしています。

総合すれば先手もちです。

☆ 大局観として
後手が囲いの途中で棒銀での攻めをみせました。72銀~71玉では56銀とされると44銀を使いにくくなるという判断だったのでしょう。
後手のねらいは26歩同歩同銀だということははっきりしています。受けるか攻めるかという選択です。しっかり受けられるのなら良いのですが、そうでなければ囲いに手をかけていない後手玉を攻めたいです。


△ 受けるなら数の受けで28玉を考えます。

守りを強化しましたが、反面当たりがきつくなります。26歩同歩同銀なら追い返せます。同飛なら

26同飛同銀23飛17銀成同桂77角成

銀をもらっても77桂を取られてしまうので結構うるさい攻めです。21飛成に27歩同玉26歩

どちらで取っても44馬と引かれて16歩が残っていますから難しい勝負です。28玉16歩12歩で少し良いような感じではあるのですが。

他には95歩と攻められるのもあります。

95同歩同香96歩同香同飛77角成92飛成72銀

後手玉が62なので案外安定しています。攻め続けるなら94歩ですが、26歩同歩27歩同銀26銀同銀27歩同玉35桂

と厳しい反撃があります。これは後手が良いようです。

妥協して95歩には86角96歩94歩

のほうが良さそうです。26歩同歩44角96香に72銀

あるいは82銀か。端を攻めて香を渡すと玉頭攻めが厳しくなります。この図は難解でしょう。


× 強い受けは36歩で

26歩35歩27歩成26歩38と同金

ならばまあまあですが、

銀を取らずに26同と

のほうが困ります。28歩が厳しいので28歩と受けて27歩とこじ開けられて・・・竜を作られそうです。


× 56銀はけん制ですが

26歩同歩同銀45銀28歩

この歩を取ると17銀成でつぶれます。23歩29歩成48玉42飛34銀44角

銀の進出でけん制するのでは1手遅れているのでしょう。


△ 実戦は74歩と合わせて

74同歩同飛は横歩を取るつもりだったのでしょう。でも26歩同歩同銀

34飛の意味はなくなっています。28歩27歩同歩同銀成同銀同飛成28歩

つぶれはしませんが銀をさばかれ竜を作られては苦戦です。うまい攻めも見つかりませんでした。

74同飛では1手パスみたいなものなので、64歩ともう一つ合わせるべきでした。

64同歩同角26歩に91角成

27歩成同銀同飛成28香同竜同玉75銀

互いに飛を殺して互角ではあるのですが、先手からは63歩がありますから少し先手もちです。

64歩を取らないで72銀と受けたら

63歩成同金64歩73金65桂99角成73桂成同玉

これは後手の駒得です。攻め続けるのが大変なので後手よしではないかという図です。


○ 74歩は手順前後で、64歩を先にすべきなのです。

先手の持ち歩の関係で、今度は72銀で受けきりというわけにはいきません。手抜きで26歩は同歩同銀63歩成同玉27歩

27同銀成同銀同飛成64銀62玉65桂

手抜きはとがめることができます。

64歩は同歩しかなく

74歩同歩64角

で26歩に91角成という攻め合いを選べます。


○ 他には65桂と跳ねるのもあります。

99角成に73桂成同桂74歩

後手は歩切れです。82銀73歩成同銀同飛成同玉65桂

飛車を切って攻めてみると、62玉73銀51玉53桂成72歩62歩

先手玉に手がついていないので少し細い攻め(3枚の攻め)ですがまあまあ続きます。

なお、飛を切らないと74歩84銀64歩55馬

で攻めが続くかどうか、という図になります。

65桂に26歩なら

26同歩同銀56飛

44角53桂成同金同角成同角同飛成同玉31角

飛車を取れば後手の攻めが怖くないですから先手有利です。(42飛打には41金です。)


☆ まとめ

実戦だと28玉で受かりそうに思っても心細いです。相振り飛車で美濃囲いを選ぶときは速攻のほうが勝ちやすいでしょう。
後手は囲いの途中で攻めようと動いたのですから、それをとがめるほうが棋理に適っているという気がします。(囲いの途中だから飛角を渡すような攻めはできないでしょう、という主張も意味があるのですが。)守ろうとすると後手の15歩も効果を発揮してしまいます。

攻めるなら74歩か64歩か、を考えますが、74歩のほうが手抜かれにくいので64歩が先ではないか(手順前後を回避するためには厳しい方を後にするものです)と考えましょう。
単に65桂は香を取られるので跳ねにくいのですが、後手の歩切れがねらい目でした。同時に53の地点も狙っているので、単純ですが受けにくい攻めです。

先手玉の囲いは完成していると思って、少々無理でも攻めてみるほうが勝ちやすいものです。アマチュアでは昔からそうですし、ソフトの影響で細い攻めでもつなげる技術が洗練されてきています。ただしそのためには読みの力が必要です。
もしも読みに自信がなければ(感覚派ならば)、定跡を勉強して形勢が有利になるように心がけます。そこから自然に攻めていけばなんとかなります。


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