名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(320); 四間飛車に中央位取り

2016-10-27 | 大山将棋研究
昭和51年12月、中原誠先生と東京12チャンネル新春対局です。今はテレビ東京、正月の放送でしょうが記録上も12/7対局で、放送日を基準にしていませんね。


大山先生の四間飛車に中原先生は中央位取りです。

今ではここで46歩とはしません。今ではといいつつこの戦型は滅多に見ませんが。

ここから小競り合い。大山先生は1歩持って

2筋の逆襲です。

中原先生は謝りました。

次は中央での動き。

中原先生は2筋で損をした分取り返さなければいけません。ですから激しく駒をぶつけます。

大山先生は手に乗って左桂を活用して

飛車をさばこうとします。

中原先生は銀を打って桂を取りに行きますが、銀を打たれるのではうまくないです。まあ仕方ないところでしょうか。

大山先生は角もさばけました。

飛車までさばけさせてはいけないので、中原先生は銀を使うしかなく、3枚の銀は効率が悪いです。

それでも55の角を生かし金を使わせて

これで寄せ合いか?

歩の手筋で美濃囲いを崩しましたが馬と飛の交換では戦果が小さく

飛車を捨てて入玉を目指すことになりました。これで銀3枚が働くのですが、先手は歩が下にあるので と金は作れず、不安です。

大山先生は入玉阻止をしながら受けます。

結局は入玉できるかどうかが焦点。

飛車を取れば入りやすくなります。

だけどもう一回ふんどしは利かず

成香を取られて危ないです。

33金に24銀と捨てて飛車を打てば

詰んでしまいました。


形勢はほぼ互角ですが、歩を使えないのでは中原自然流らしくない展開でした。桂使いの名手もふんどし2回ではアマチュアレベル。それでもずっと難しい形勢でした。見ている(並べている)分には楽しいのですが、あまり参考になる内容では無いかと思います。面白いもので、将棋は一度筋悪の形になると、そのあとも俗手が続くものなんです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:中原誠名人
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 5五歩(56)
18 4三銀(32)
19 5七銀(48)
20 7二銀(71)
21 5六銀(57)
22 3五歩(34)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 6八銀(79)
26 3二飛(42)
27 4六歩(47)
28 5二金(41)
29 5七銀(68)
30 1二香(11)
31 1六歩(17)
32 5一角(33)
33 2六飛(28)
34 3四飛(32)
35 6六歩(67)
36 5四歩(53)
37 6五歩(66)
38 5五歩(54)
39 同 角(88)
40 3三桂(21)
41 6八金(69)
42 2四歩(23)
43 同 歩(25)
44 2五歩打
45 2八飛(26)
46 2四飛(34)
47 2七歩打
48 4二角(51)
49 6七金(58)
50 5四銀(43)
51 7七角(55)
52 6四歩(63)
53 6六銀(57)
54 6五歩(64)
55 同 銀(56)
56 6三銀(54)
57 5五銀(66)
58 6四歩打
59 5六銀(65)
60 5三金(52)
61 4五歩(46)
62 同 桂(33)
63 5四歩打
64 同 金(53)
65 同 銀(55)
66 同 銀(63)
67 5五銀(56)
68 4三銀(54)
69 5四金打
70 同 銀(43)
71 同 銀(55)
72 5六歩打
73 5八歩打
74 6五歩(64)
75 同 銀(54)
76 2六歩(25)
77 同 歩(27)
78 3六歩(35)
79 同 歩(37)
80 3四飛(24)
81 3五銀打
82 3一飛(34)
83 4六歩打
84 3七銀打
85 同 桂(29)
86 同 桂成(45)
87 2九飛(28)
88 5一角(42)
89 6四歩打
90 4七成桂(37)
91 4四角(77)
92 3三角(51)
93 同 角成(44)
94 同 飛(31)
95 5五角打
96 3二飛(33)
97 5四銀(65)
98 6二歩打
99 7五歩(76)
100 5二飛(32)
101 4三銀打
102 5一飛(52)
103 7四歩(75)
104 8四金打
105 3三角成(55)
106 7五桂打
107 6三歩成(64)
108 同 歩(62)
109 6二歩打
110 6七桂成(75)
111 同 玉(78)
112 5二金(61)
113 6一歩成(62)
114 同 銀(72)
115 5一馬(33)
116 同 金(52)
117 5六玉(67)
118 3八角打
119 4五玉(56)
120 2九角成(38)
121 1一飛打
122 4六成桂(47)
123 同 銀(35)
124 3三角打
125 1二飛成(11)
126 2二金打
127 3四銀成(43)
128 9九角成(33)
129 1一龍(12)
130 4四歩打
131 3五玉(45)
132 2一飛打
133 2四香打
134 1一飛(21)
135 2二香成(24)
136 4一飛(11)
137 5三桂打
138 4五歩(44)
139 4一桂成(53)
140 同 金(51)
141 5三桂打
142 3三香打
143 4五銀(54)
144 3四香(33)
145 同 銀(45)
146 2二馬(99)
147 3三金打
148 2四銀打
149 同 玉(35)
150 1四飛打
151 3五玉(24)
152 3三馬(22)
153 同 銀成(34)
154 4四金打
155 投了
まで154手で後手の勝ち


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20161027今日の一手<その408>; 相手の手を考える

2016-10-27 | 今日の一手

20161027今日の一手

10月1日の名南将棋大会から、NさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀と金歩の交換で、後手は歩切れですから先手がやや駒得です。終盤なので重視しなくてよいです。(ほかのところに反映されるので無視できる、ただし中盤に戻ってしまうなら別ですが。)
玉の堅さは同程度ですが、36歩の存在を考えれば後手のほうがやや堅いのかも。
先手の攻め駒は53金と持ち駒銀桂で3枚。
後手の攻め駒は持ち駒銀銀で2枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
後手の36歩が気になりますね。(後手35歩先手37銀の形で36桂同銀同歩と進んだところ)序盤で

37桂と跳ねたのが悪い形です。攻める時は46銀37桂という配置もあるのですが、守りには敵していません。私なら37銀引として固めたいです。
中央で銀交換になって

35歩と強引に攻められて玉頭の嫌味が残ったままの終盤戦です。

もう一度問題図。

後手から37銀と打たれてもまだ大丈夫なのですが、それ以上の手があるかどうかということを考えます。
攻めるなら53の金を移動して角筋を通し、53歩成から飛車も使って、というのが理想ではあるのですが、相手に駒を渡します。すると37銀がより厳しくなる、ということで、大駒を使うのが難しいです。逆に後手から5筋をいじってもたいしたことはなく、質駒とはいえすぐに53金を取るのは反動が厳しいですから焦ることはないのです。
つまりここでは37銀などの対策を施しておくというのが本筋の考え方でしょう。守って長期戦になっても、少しですが駒得ですからよい方に働きます。


× 攻めの筋としては33歩です。

取る手逃げる手ありますが、33同桂に26桂として銀が逃げたら34歩という狙いです。でも26桂の時に37銀

と打たれ、37同金同歩成同玉44金59飛52歩

歩を渡したので金取りに打たれます。62金に86角とさばいて同歩25桂47玉68角

まだ先手が悪くなったというわけではないですが、後手玉のほうが安全ですから実戦的には後手が勝ちやすいです。


△ 35歩として歩を渡さないで攻めるほうが良く

例えば44銀に34歩55銀45桂44銀33銀

と強攻することができます。33同桂同歩成同銀25桂44銀33銀

少し変な攻め方(25桂ではなく34歩が筋ですが同銀で案外難しい)ですが、21玉に44銀成同歩33桂不成あるいは33桂成は先手の勝ちか。

後手は45桂の時に37銀と打ち込んで

37同金同歩成同玉57飛47銀56金

この先手玉は詰めろに近く、後手玉は詰みません。どうも先手が負けみたいです。惜しいです。


△ 玉頭方面から攻めるのは反撃も厳しいです。実戦は62金でしたが

これも怖い感じです。13角(86角同歩64角などで後手よしか)35歩(47銀と受けるべきか)同角同飛同銀51金37銀

激しい展開で、37同金同歩成同玉67飛に47桂が悪手、36銀打

で詰みです。

47桂では48玉

で詰みはなく、これはまだわかりませんでしたが。

後手は13角ではなくて86角同歩に64角か44角か37銀か
先手は86角に51金同金53歩成と行けるのか
など、変化が多すぎてわからないことだらけです。62金は負けともいえないが危険すぎる、としておきます。


△ 変な感じの手ですが62銀として

駒得に行くのはあります。飛車が逃げれば桂馬を取ります。銀しか渡さないし、飛車を取って72飛には合駒で銀を使うのでしょうから比較的安全です。


○ 怖い筋があるので、その前に自玉に手を入れるのが本筋でしょう。38歩は卑屈に見えますが

一番手堅いです。13角には47金35銀打には58桂

と守っておけば、63金や62金からの攻めが残ります。これは先手有利です。


× 37歩と頑張りたくはあるのですが

37同歩成同金35歩

で傷が残ります。これは後手から36銀と打ちやすくなって少し損か。


× 26銀と打っても

44銀59飛24歩

では26銀を追われそうです。


△ 47銀と打って35銀打38金

とすれば形はよくても、33桂37歩同歩成同金直25桂

で嫌味を消すのは難しいですから銀を投入した意味が弱いです。

○ 26桂は攻めの意味もありますが

44銀59飛35銀直38歩46銀42歩

まで進めばねらい通り。後で38歩と受けておけばよいのです。こればうまくいきすぎですが、無駄にはならないです。

☆ まとめ
かなり手の広い問題図でしたが(いつもそういうのを選んでいるのですが)、どれを選んでよいのかわからないことも多いでしょう。そういうときは相手の番なら何を指したいか考えるとよいことが多いです。相手の手番なら次の手は?あるいは、数手先にこういうふうに指したい(自分の玉を寄せたい)と思っているのだな、と考えて
先に相手に攻めを受けるのが良いのか
相手より先に攻めるのが良いのか
相手の攻めを受けられないから攻めて勝負の形にするしかないのか
という方針を立てます。

問題図では相手の攻めは37銀からばらす筋が怖く、44銀とか22角13角とか反撃するような攻めの手もあるのだなあ、と認識しておきます。問題図の時点ではどれもたいしたことがないのですが、相手に駒を渡すと厳しい反撃になるのです。
ですから攻めるよりは受ける手を考えておく局面なのです。
特に37銀と打ち込まれるのは王手が続くわけですから、自分がうまく攻めたようでも手抜いて反撃されて危なくなります。

受けといってもぴったりした感じではないのですが(だから悩ましい)、38歩が最善のようです。自玉が狭くなるのですが、しばらくは受けてゆっくりした展開にします。
比較するのは37歩とか38金とか47銀とか26銀と29桂とかです(書かなかったものもあります)が、それよりは良さそうです。

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