名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(198); 四間飛車穴熊に銀冠

2016-06-27 | 大山将棋研究
昭和49年11月、内藤国雄先生と第1回棋王戦です。


大山先生の四間飛車穴熊で

内藤先生は左美濃から6筋に位を取ります。

軽く突き捨ててから銀を出る。こういうのは陣形がまとまっているからできることです。

銀冠にした後でさらに4筋も歩の交換です。

8筋も突き捨ててから銀を出る、いかにも好調子です。銀冠のほうが金銀がまとまっているので堅いのです。

大山先生は飛車を抑え込みますが

やや苦しいと思って大山先生は83歩と謝らなくてごまかしに行くのですが

64歩を突き捨てて銀を交換すれば

穴熊がバラバラです。苦しいからと大山先生が歩を突きだせば

内藤先生は抑え込みを許さず。歩切れでは角を取れません。

合間に歩の手筋。取りにくいです。

大山先生はその歩を角で取り返すのですが

角を交換して53角は両取り、飛車をいじめます。

大山先生は44角と合わせ、62角と合わせ、急場をしのぎますが

この歩は困りました。

角銀交換というか馬銀交換で内藤先生が優勢です。玉の堅さが違いすぎます。

この角が急所。守りの金を狙います。

と金を作って

あっさり馬を切り

と金が使えました。

投了図。

振り飛車なので左銀が守りから外れやすいから金銀4枚の銀冠のほうが堅くなりやすいです。堅さ負けするようになったらまず穴熊が勝てません。
石田流に組めても素直に5筋4筋の歩を交換させたら居飛車の作戦勝ちです。
苦しくなって我慢しきれなくなって、83歩を打たせてからはどうやってもよくはならないでしょう。
居飛車を持ったらこういう展開が理想、という典型的な例でした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:内藤国雄9段
後手:大山十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 5六歩(57)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 5七銀(48)
16 4三銀(32)
17 9六歩(97)
18 9二香(91)
19 7七角(88)
20 9一玉(82)
21 8八玉(78)
22 8二銀(71)
23 7八銀(79)
24 7一金(61)
25 6六歩(67)
26 5二金(41)
27 9五歩(96)
28 3五歩(34)
29 2五歩(26)
30 3三角(22)
31 1六歩(17)
32 3二飛(42)
33 6七金(58)
34 1四歩(13)
35 6五歩(66)
36 5四歩(53)
37 2六飛(28)
38 5一角(33)
39 5五歩(56)
40 同 歩(54)
41 6六銀(57)
42 1三香(11)
43 5五銀(66)
44 5四歩打
45 6六銀(55)
46 3四飛(32)
47 8六歩(87)
48 6二金(52)
49 8五歩(86)
50 4二角(51)
51 8七銀(78)
52 4五歩(44)
53 7八金(69)
54 3三桂(21)
55 4六歩(47)
56 同 歩(45)
57 同 飛(26)
58 4五歩打
59 5六飛(46)
60 7二金(62)
61 8四歩(85)
62 同 歩(83)
63 7五銀(66)
64 5五歩(54)
65 同 角(77)
66 5四銀(43)
67 7七角(55)
68 5五歩打
69 6六飛(56)
70 2四歩(23)
71 8四銀(75)
72 4三銀(54)
73 6四歩(65)
74 同 歩(63)
75 8三歩打
76 同 銀(82)
77 同 銀成(84)
78 同 金(72)
79 7五歩(76)
80 8四歩打
81 6八角(77)
82 6五歩(64)
83 7六飛(66)
84 4六歩(45)
85 同 飛(76)
86 4五銀打
87 7六飛(46)
88 4六歩打
89 同 角(68)
90 5六歩(55)
91 4四歩打
92 5四銀(43)
93 6八角(46)
94 5三角(42)
95 7七角(68)
96 4四角(53)
97 同 角(77)
98 同 飛(34)
99 5三角打
100 4一飛(44)
101 5二銀打
102 4四角打
103 同 角成(53)
104 同 飛(41)
105 5三角打
106 6二角打
107 6四角成(53)
108 4三銀(54)
109 6三歩打
110 5二銀(43)
111 6二歩成(63)
112 同 金(71)
113 6五馬(64)
114 7二金(62)
115 5三歩打
116 6三銀(52)
117 6一角打
118 8二玉(91)
119 5二歩成(53)
120 5四銀(45)
121 8三馬(65)
122 同 玉(82)
123 6二と(52)
124 4八飛成(44)
125 6四歩打
126 4四角打
127 7七桂(89)
128 投了
まで127手で先手の勝ち

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20160627今日の一手<その347>; カウンター

2016-06-27 | 今日の一手

20160627今日の一手

東海団体リーグから、Kさんと私の対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は46角と持ち駒桂で2枚。25飛も23歩成は手抜けませんから加えてよく、ほぼ3枚です。
後手の攻め駒は持ち駒桂1枚。

総合すれば互角かやや先手よしです。

大局観として

後手玉のほうが玉の周りに金銀が多いので堅いのですが、24歩の拠点が近くにあり、そんなに堅くありません。ですから先手は攻め駒を増やせばよくなりそうなのです。具体的には36金か56銀ですね。
逆に後手のほうを見れば、攻めるには65歩ですが、46角のにらみが大きいですから飛銀桂をすぐに使えません。玉を31から42に上がったところなのですが、これ以上固めることは難しそうです。ということで、後手から動くのは45歩で、金か銀で取れば33桂の両取り、これに対応しなければいけません。
でも自玉の頭から動くしかないのでは苦しそうです。つまり、序盤は私が大失敗していたのですが、ここではかなり盛り返して作戦勝ちになった、という図なのです。45歩を避けるか、迎え撃ってカウンターを狙うか、大きく分ければ2通りの方針です。


△ 実戦を見てみましょう。23桂と打ちました。

筋が悪いなあと思いつつ、角筋を止めました。45歩の筋を緩和する意味と、端攻めを狙っています。後手から清算するのは損なので、45歩で動くしかありません。45歩に33歩

これで33桂を消すのが狙いの手です。銀で取れば11桂成、玉でも取りにくいし角を取るのもまずいので33同金しかありません。それで45金同銀同銀

と進めればよかったのです。35金は同角同歩34歩で楽勝でした。この図は攻め駒は4枚以上です。

それを強引に14歩と攻めてしまいました。

14同歩に11桂成同銀13歩

これで角の取り合い、やや良いのだと思うのですが、そのあとポカがあって最終盤

どう受けるかわかりますか?




ここで受け間違えました。78金の1手と思ったら66桂同銀同馬

が竜に当たっています。ひもは付いていますが、後手玉が全く寄らなくなります。

正解は78銀です。

これなら66桂がありません。馬を取れますね。(あるいは69銀や金でもなんとか受かっています。)


○ 45歩には33歩がある、であれば88玉と待てばどうか。

普通は後手から75歩が厳しくなるのですが、飛車で取れます。65銀には55銀とかわせばよさそう。攻められそうだと思ってろくに考えませんでしたが、たいしたことがないのなら玉を囲うのが一番良いでしょう。
45歩には28角もないことはないですが、33歩同金45金と取って

45同銀同銀35金

35同角同歩で12角の筋が通るのですが、34歩同金同銀同角35飛

清算すれば88玉の効果で飛車を切る攻めも可能です。実戦のように23桂として角筋を止めなくても対応できていました。


△ 28角はおとなしい手で

これなら45歩はありません。逆に44桂を打てますね。24へ利きが無くなるのは少し悔しいのですが、後手からの手が難しく、43金右くらいでしょうか。66歩か88玉以下駒組みを進めることになります。


△ 29飛(あるいは28飛)

と引いておけば、33桂の筋は消えます。それでも45歩としてくれば、今度は36銀がないのでどちらでも取れるのですが、45同銀に35歩

は嫌な感じです。でも34桂51玉35角

と返して、45銀同金33銀に23銀

と攻められます。

また、45歩に金で取って

45同銀同銀35歩に34歩

これでも十分です。

つまり飛車を引けば後手から45歩とできない、ということになります。
そこで75歩同歩65桂

66銀や68銀にはには88歩同玉76桂がありますし、88に引く気にもならないでしょう。76銀にはいつでも77歩があるので、45歩で大決戦です。
形勢が悪いとも思いませんが、何とも言えません。


△ 14歩も突きたくなります。

14同歩に13歩は手にならず、でも突き捨ててほかの手でもいいですが、端を攻めるなら15歩同歩同飛

で13歩に23桂61飛11桂成同飛23香

のように攻められればよさそうです。

でも23桂には21桂と投入されて

端を攻めるのはここまで。25飛と戻せば33桂と跳ねる筋が消えていないので45歩を覚悟しなければいけません。また15歩と合わせたところで45歩

もありますね。多分これは対応できるとは思いますが。
また、15歩と合わせて同歩に14歩と垂らしておくのは歩切れで45歩とされて危ないかも。
変化はいろいろあって、良いような悪いような手です。


× 先手から75歩もやりたくなりますが65桂

の時に困ります。76桂の筋があるし、76銀には75歩があるので逆用された感じです。


☆ まとめ
後手からの45歩の筋、見えましたか?それを迎え撃つ88玉が一番いい手のようです。後手が動かざるを得なくなってきます。後手は88玉のほうが攻めやすいのですが、飛角が目いっぱい受けにも働いているので大丈夫のようです。それで45歩を誘ってカウンターを決める、格好いい勝ち方ですね。

もし45歩が怖ければ、先に28角と引いておけば無難です。

23桂を打ちこむなんて筋はあまり良くないのですが、11香は逃げられないのでまあまあの手でした。端を攻めるから45歩とやってきなさい、と催促したのはいいのですが、33歩まで気が付いていたのなら45歩を取るべきでした。


自玉が堅いとは言えないので、75歩とか考えてはいけません。88玉と入るだけでも怖いのです。安全確認をしてからです。


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