さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

敗北を成長に

2009-04-27 22:35:53 | 関東ボクシング
今、WOWOWの放送を見終えました。

やはり防御の差が大きかった、と見ました。
唯一の国内ライバル対決で江口啓二にダウンを喫し、豪州の二線級にも再三好打を許してきた佐藤が、
世界王者シュトルムのジャブを外せなかったとて、何の不思議もないわけですが、
いざ映像を見てみて、これほどジャブの的中率に差があるとは...さすがに驚きました。

佐藤が時折出していた、捨てパンチを使って相手のガードを打ち崩そうとしたコンビネーション、
あれは良かったと思います。しかし解説陣が「さらに前に出てほしい」といくら言っても、
見ている我々がそう思っても、本人が好打したという手応えを得ていなかったとしたら、
ボクサーは何の根拠もなく前に出られるものではありません。
おそらく、シュトルムのガード、ブロックは、佐藤の攻勢につながる精神的な拠り所を
何一つ与えてくれないほどに、佐藤にとって脅威だったのでしょう。

対するシュトルムの側からすれば、佐藤の防御は無いも同然だったことでしょう。
今までの試合でも出ていた欠陥ですが、ガードの位置と、距離、立ち位置のつじつまが合っていません。
そして目の良さも、世界と言わず国内のトップレベルのパンチを外しきれないレベルのものです。
解説陣はそれとなく、佐藤にパンチがあるが故にシュトルムが警戒を強めた、という話を作っていましたが、
佐藤が日本の選手じゃなければ「この選手の防御には根本的な欠陥が」と一刀両断していたはずです。


さて、今後ですが、世界再挑戦といっても難しいミドル級というクラスの特殊性もあり、
佐藤は即、再起宣言はしなかったようです。
その辺の事情は致し方ない面がありますし、何より本人の気持ちが大事なわけですが、
国内には江口だけでなく、他にもライバルになりうる選手がいると思いますし、
一度も闘っていない豪州の一線級との対戦にも、是非、挑んでもらいたいものです。

完敗だったとはいえ、世界有数のボクシングマーケット、ドイツで世界ミドル級タイトルマッチを闘うという、
得難い経験をしたわけですから、その経験を生かして、もう一度、日本や豪州勢との対戦で地固めをして、
自分のボクシングに欠けていたものを見つけて、今後の成長に繋げて欲しいですね。
コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする