蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

綴り字のシーズン

2006年08月27日 | 映画の感想
アメリカでは、単語の綴り(スペリング)の能力を小学生に競わせるコンテストが開かれていて、学校単位での予選から全国規模の本選まで非常に大掛かりかつ組織的に運営されている。
学者を両親に持つ主人公の女の子は、学業的にあまりぱっとしなかったが、このスペリングのコンテストで能力を発揮。ついには全国大会に勝ち進む。
宗教学者の父親はこれまで女の子の兄に期待をかけていたのだが、(スペリングが自分の専門分野に近いこともあって)一転、娘のスペリング能力を高めることに全力を傾けるようになる。それがあまりに極端で、やがて家族のバランスは崩れ始め、兄はあやしげな宗教にハマり、母親は長年の盗癖(万引)がばれてしまう。
主人公の女の子は苦悩の末、家族を回復させるある方法を考え出す。それは・・・

原作を何年か前に読んだことがあったが、ほとんど内容を忘れていた。映画が進むにつれて記憶がよみがえってきて楽しかった。

ラストがどうなるのかも知っていた。それでもこの映画の最後のシーンはとても感動的だった。主人公の女の子が考え出した方法とは?この方法をうまく表現するのは映像的には困難だったと思うが、この映画ではとてもエレガントに、かつわかりやすく表現していた。

原作を読んでいないと若干わかりづらい面があるかとも思うが、途中の筋が十分理解できなくてもラストシーンの素晴らしさは誰にでも理解できると思うので、DVDを途中で止めてしまわないよう、最後まで見続けることをお勧めしたい。

原作では、父親は垢抜けずもっさりした、学者らしい学者として描かれていたような記憶があるが、リチャード・ギアが演じているので、先入観として「カッコイイ、キザ」といったイメージを持っているせいか、ちょっとイメージが違うなあと思った。また、途中のサスペンス的な味付けもない方がよかったように思う。

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