蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

気になる部分・ねにもつタイプ

2007年09月15日 | 本の感想
気になる部分・ねにもつタイプ (岸本佐知子  白水社・筑摩書店)

2冊とも三浦しをんさんのブログで、大変おもしろい、と紹介されていて、二冊一度に買って、まず「気になる部分」を読んだのですが、あまりに面白くて「ねにもつタイプ」も続けて一気に読んでしまいました。

三浦さんのエッセイは主にBL路線の妄想爆発、みたいなろころがとても面白くて好きなのですが、実際に三浦さん自身が妄想した脳内ストーリーをそのまま書いているんじゃないかと思えます。

一方岸本さんのエッセイも、ふと思いついた事からどんどんあらぬ方向に連想が広がっていくというパターンが多く、同じく「妄想系」とも言えるのですが、こちらは著者の脳内ストーリーそのままというよりは、エッセイの形にするために、かなり意図的な「創作」が加味されてお化粧されているのではないかと思えました。

そうかと言って面白さが減じているというわけでは決してなく、電車の中で読んでいると笑いをこらえるのが大変なものが多くて困りました。

著者は、中学から私立校に通い、大学は受験界の最高峰(著者と私はほぼ同じ年齢なので当時の感覚ですが)の上智大英文科卒で、就職人気NO.1のサントリーに勤めて花形中の花形宣伝部にいたけど、今は翻訳家、というきらびやかな経歴の持ち主。
そのくせ「幼いころからボンヤリしていて、学校でも社会人になっても落ちこぼれだった」という主旨のエッセイが多いのは、少々イヤミだなあ、と思いました。

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