原作:高村薫
出演;浅野忠信 妻夫木聡 桐谷健太 西田敏行 チャンミン 溝端淳平
ストーリー:裏社会の住人相手の調達屋として生きる幸田(妻夫木聡)は、大学の同級生だった北川(浅野忠信)からある計画を持ち掛けられる。それは大阪市の銀行が誇る、コンピュータを駆使した完璧な防犯システムが施された金庫から240億円相当の金塊を強奪するというものだった。システムエンジニアの野田(桐谷健太)、北川の弟・春樹(溝端淳平)、爆破のプロでスパイでもあるモモ(チャンミン)、元エレベーター技師のジイちゃん(西田敏行)というメンバーで金庫に挑む幸田たちだったが、彼らの意外な過去や裏切りが浮上し……。
チャンミン目当ての長女に誘われて一緒に観に行きました。長女は昨日の封切り日に観てきましたが、旧国鉄労組問題だの左翼の組織だのミニミニ大作戦だのという昭和っぽい言葉の意味がわからないところもあり、できたら観た後に解説してほしいという目論見があった様子。確かに、「国鉄からJRに民営化された時、旧国鉄組はホームで焼きまんじゅう売らされて・・・」なんて言ったってわからないでしょうねえ。。。そういえば、「JR」という呼び名の前には、「E電」なんていう呼ばれ方もあったなあ・・すぐ消えちゃったけれど。
それはさておきこの映画、結構ハードボイルドながら、ちょっとボーイズラブっぽい部分などもあり、私はとっても楽しめました。チャンミンもはじめての映画出演だそうですが、なかなかステキでした。しかししかし、私はもう浅野忠信さんにクギ付け。
札束ではなく「金塊」強奪にこだわる北川を中心として、それぞれに心の深い部分に闇を持つ男たちが目標に向かって綿密な計画を立て、実行するさまがなかなかスリリングでした。一か所ショッキングなシーンがありますが、あとは流血アレルギーの私でも許容できる範囲でした。
最後の最後、「以前よりずっと近くに感じる云々・・・・」という北川の印象的な独白を聴いて、「あれ?」と思ったら、この原作、読んだことがありました。忘れていたけどたぶん、ものすごく前に読んだ。ひとつのフレーズでぱあっと思い出せる作品て、やっぱり凄いんだなあと思います。「聖書のことば」と、かつては神に仕えた老人の、自分の人生への落とし前のつけ方に心を打たれました。
そして、浅野忠信は高倉健になれる。。。。と、ふと思いました。