このところ一番心惹かれる江戸前の粋人、扇辰師匠の独演会「扇辰日和Vol.72]に行ってきました。このポスターもほんとに素敵 しかも、ゲストは新進気鋭のわさび君。
私は自由席が苦手(せっかちのくせに並ぶのが超苦手)なのですが、今回は100席ちょっとの小さいホールなので後方でもいいやと整理券配布開始時間ちょうどに着きましたが、開場しても案外みなさんゆったりと着席していたので、2列目のセンターに座れました扇辰師匠真正面
前座の辰ぢろくんは扇辰師匠に弟子入りして日が浅いそうですが、なかなか良いお声。落語家さんというよりはラグビー選手のような佇まいでした
「まだ楽屋入りもしてない辰ぢろの『ちはやふる』の次がわさびじゃ申し訳ない」とのことで登場した扇辰師匠「道灌」。師匠、本当に人物の演じわけがくっきり。そして、かっこいい江戸前!
You tubeで初めて師匠の「匙かげん」という噺を聴いた時、これ、本当にひとりの人がやってるのと疑ってしまうほどでした。若いまっすぐなお医者さんと美しい芸者のお花、ずる賢い茶屋の主人や、懐の深い家主などがくっきり浮かびあがってくるんです若いお医者さんなんて惚れ惚れするほど端正だし、茶屋の主人はまじで強欲の悪党。ここからもうスイッチ入っちゃいました
続くわさびくんは、新作「MCタッパ」。いわゆるパーティーピープルになりたい、廃屋暮らしのおじいちゃんとおばあちゃんのお話いわゆるパリピの皆さんとは180℃のわさび君がやってこその面白さ
「古典にしとけばよかったかな」とはたくさんの噺を指導してもらった扇辰師匠へのご配慮かも。マクラで、扇辰師匠のオーラが並ではないこと、その落語の美しさなど、絶賛してましたから。
中入りをはさんだ扇辰師匠の2席は「茄子娘」と「井戸の茶碗」。井戸の茶碗はおなじみの噺ながら、今まで聴いたものとは全く違う印象を受けました。師匠の再現力すごい!茄子の精の着物の柄まで、細川の殿様が持ち上げた茶碗の柄までくっきりと見えました。
9月最初の落語会。今日も行ってよかった!