Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

グランクリュ解禁の反響

2007-09-14 | ワイン
グランクリュもしくはエルステス・ゲヴェックスとして9月1日に一斉に発売されたドイツ高級ワインが話題となっている。

旅行前に既に情報は仕入れておいたが、残念ながら解禁日には参上出来なかった。特に2006年産の場合、量が限定されているので、絞められていたかのように関心と需要が殺到したようだ。

このカテゴリーを提供するのがVDPと呼ばれる独高級ワイン醸造所の団体である。現在の会員数が195醸造所で、その耕地面積は四千ヘクタールとドイツ全ワイン耕地面積の4%にしか当たらないとすると、その選り抜きが知れるだろう。

元々は、1901年に始まったナチュラルワイン競り市会が起源と言うが、1971年のワイン法をきっかけとしてナチュラルを名乗ることが禁止されて、より厳しい高級ワインの格付けへと発展して行ったとある。

カトリック精神実践者プリンツ・ザルム前代表が「創造物の保護」を掲げて、大きくドイツワインの高級化へと貢献したと特記される。ベルリンのレセプションでは緑の党の元外務大臣ヨシュカ・フィッシャーや消費者保護大臣レナーテ・キュナスがこの功績者に別れを告げたと言う。

つまり、80年代にダメージを受けた、甘いワインのための不凍液混合スキャンダルを契機に代表のカリスマ性を以って品質へと向ったとある。

そうして、ドイツワインの品質は、先十年間の様に独自の味を好む米国や英国、日本や北欧、フランスなどの愛好者に関わらず、辛口から貴腐ワインまで存在するようになったとする。

そして、顧客や商業上の圧力に抗する形で、量より質の高級ドイツワインの市場が形成されてきているとするのが一般的な見方である。

名があっても価値の低い地所は、その名を名乗ることは無くなり、一方2002年には一級の地所からのワインは、平均16ユーロの値がつくようになっている。そして現在、20ユーロから50ユーロとなっているのは周知の通りである。

昨晩、その一級の地所二箇所を散歩した。既に報告したよう、その後短い降雨が二回ほどあったので、手入れの行き届かない醸造所のそれは腐れが多く部分的には昨年のようになっている。つまり、第一級の地所に関しては当然のことながら手摘みで収穫が行なわれるのみならず、VDPの醸造所は機械で収穫するなどは殆ど無くなって来ていることにもなるのである。やはり、リッター詰めワインの葡萄は、他所のワイン農家から買い付けることが多くなるのであろう。

素人が見ても、これらを十羽一絡げに収穫して醸造するなどはできないことが知れるのである。品質は畑仕事に大きく影響されるのは確実である。

そして、今回、プロテスタントのシュテファン・クリストマン弁護士がVDPの代表に選ばれたことから、既にここで記したように、バイオ農業のノウハウが全ての高級ワイン醸造所に齎せることとなるであろう。そこで、より以上注意したいのはもちろんバイオ・ダイナミック農業の扱いであることは言うまでもない。

2007年産は既に収穫が始まっている。トロッケン・ベーレンアウスレーゼが先に収穫されているとは知らなかったが、この理由もここで述べていた通りであろう。
参照:
おかしな香味の行方 [ ワイン ] / 2007-07-01
期待十分な独赤ワイン [ ワイン ] / 2007-07-10
気付薬は廉い方が良い? [ ワイン ] / 2007-08-13
市場でなく、自然に合わせろ [ ワイン ] / 2005-09-09
登美の丘ワイナリー「技師長が語るワイナリツアー」(ひねもすのたりの日々)

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