Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ドイツワイン三昧 第六話

2007-05-21 | ワイン
名前:
A.クリストマン

場所:
ギメルディンゲン、ミッテルハールト

特記:
フランス革命後のドイツ三月革命を前に、教会と貴族の土地所有と十分の一税から解放を受け、趣味としてワインつくりが始められて、それから七代目が現当主である。ワイン醸造の六代目とは異なり、経営を専門としている。そのため1996年の引継ぎから後、より現代の市場へと合わせた嗜好やラインナップとなっている。醸造責任者の六代目は、健在であり、それ以前との品質の大きな溝はない。


履行日時:
2007年5月4日並びに5月18日

試飲ワイン:
ヴァイスブルグンダー辛口
グラウウブルグンダー辛口
ブラン・デュ・ノワール
ヴァイスブルグンダーSC
グラウブルグンダーSC
買い付けリースリング葡萄醸造瓶詰め辛口

オルツリースリングキャビネット辛口 ―
ルッパーツベルク
ギメルディンゲン

リースリングキャビネット辛口 ―
ルッパーツベルク・リンツェンブッシュ
ダイデスハイマー・パラディースガルテン

リースリングシュペートレーゼ辛口 ―
ダイデスハイマー・モイスヘーレ
ダイデスハイマー・ビエンガルテン
ケーニッヒスバッハ・オェールベルク

赤ワイン辛口 ―
キュヴェーC 2004
シュペートブルグンダー 2005
サンローレン 2005
キュヴェーSC 2002
シュペートブルグンダーSC 2003
シュペートブルグンダー オェルベルク 2002

ゼクト ―
リースリング ブルート 2002

全20種類。

感想:
リースリングワインは、酸が強く、それに対してバランスを取るような強い蜂蜜の香りなどが特徴となっている。それが最も強く出ているのがビエンガルテンであり、ダイデスハイム産のモイスヘーレやパラディースガルテンである。特に前者は後味の切れが良いので、その特徴を和らげつつ、良い香りを出している。また後者は、まだ開ききっていない可能性を感じさせて良い。独特なアルコール溶剤の成分を醸し出すリンツェンブッシュと共にリースリングの素晴らしさを出している。

ギメルディンゲンとルッパーツブルクの土壌の差を瞭然する土地のワインのラインナップも面白い。それに比較して、オェルベルクの地味な香りと味覚は、その名の通りこのラインナップの中では最も辛気臭い。

ブルグンダー種に関してはあまり付け加える事がないが、SCなど漬物のような匂いやら、なかなか慣れないと親しめないものが多い。

それに比較して、赤ワインは丁寧な作りで、シュペートブルグンダーなどはタンニンの量も多くまだこれから愉しめる。


総論:
酸濃度が高く、通常の消費者には、ここのリースリングは難しい。しかし、昔からすると大分、市場の好みにも配慮するようになっていて、愛飲家が探すと素晴らしい物が見つかる。ただ、その比較的高めの価格設定は、どうしても広い客層を相手にするよりも、少数の信奉者をターゲットとしている。それが、伝統的に趣味のワイン作りとしてのこの醸造所のモットーでもあろう。

通常のエコ栽培を通り越して一挙にバイオ・ダイナミック栽培方法を2004年から採用していて、その内容は改めて記する必要がある。それが、どのような品質として、消費者へと伝えられるかは殆どまだ信仰の問題であるかもしれない。しかしそうしたフィロソフィーが、商品開発や市場設定にも活かされているのは間違いない。そうした点をも含めて評価すべきである。



参照:
醸造所訪問 Weingut A. Christmann (新・緑家のリースリング日記)
アーモンドの咲く里に [ 試飲百景 ] / 2007-03-16

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