Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

最後の四半期の落穂拾い

2011-10-09 | 
恒例の四半期毎のCD注文をした。四半期毎に自動車クラブの割引六ユーロを使うのである。今回は、送料無料週末に合わせたので、本は注文しなかった。書籍は先月、二冊購入したので、春に購入したラッツィンガー教授著「ナザレのイエス第二巻」と含めて年末年始まで読み物は十分ある。急に肌寒くなって、中北欧出身の者たちも先日までの残暑からの一気に冬への気温変化を流石に言及する。いよいよ、室内で過ごす時間が増える。引越しの季節である。夏の間は下の階にいたのだが、直にヒーターが必要になると屋根裏部屋に逃げ込むのである。全てエネルギー節約と快適な冬眠のためである。

さて、今回注文したCDは、先ずは安売りになっている地元出身のヒラリー・ハーン嬢演奏のシェーンベルクとシベリウスのヴァイオリンのための協奏曲集である。数年前に話題となった録音で、その評判から大変興味を持った制作である。ネット試聴するエサペッカ・サローネンの管弦楽は相変わらずであるが、ヴァイオリンの精妙な音色は確認できる。既に様々な録音があり、シェーンベルクの決定盤がなかなか定まらないのも、これだけの名曲でありながら、レパートリーとしている名ヴァイオリニストが少ないのもその一因だろう。予想通り比較的早く安売りになった。

これまで四半期毎に購入し続けていたバッハのカンタータシリーズもいよいよ三組目である。このヘレヴェーヘ監督の三枚組14ユーロのバッハシリーズもこれで五組目である。バッハのカンタータの録音を全部集めようとは思わないが、少なくとも宗教カンタータと呼ばれるものは嘗て考えていたよりも味わい深いものであることが環境としてひしひしと分るようになった。今回注文したものが、バスのとアルトのためのカンタータでこれがまた憎い。更にバッハと同時期のリューベックやハンブルクの作曲家のカンターターが同時収録されているとなると殊の外食指が動くのである。

さてこれでもまだ割引が効くまでの金額にはならないので、安売り商品を探しているとEMI録音やユニーヴァーサルの数多くのBOX商品が目に入る。その中でもブーレーズ監督のバルトーク集は一度買い物籠に入れた。「青髭」など様々な光り輝く管弦楽をシカゴの交響楽団が演奏していて、まさに投売りの感が強いが、しかしこの指揮者の録音としては必ずしもそうした出来の良さとはことなる旧録音にも棄てがたい価値があるものが多く、必ずしも旧録音のLPよりもデジタル新録音の方が価値が高いとは思われず、今回は断念した。

同じように小澤指揮のベルリンのフィルハーモニカーによるプロコフィエフ交響曲全集も安売りとなっているのだが、試し聴いてもどうも演奏の正確さ以上の制作の質の高さは感じられなかった。小澤氏のレパートリーの問題もあるのだろうが、氏の代表的な制作録音を挙げるのは意外に骨の折れる作業かもしれない。

EMIの方は古い代表的な録音が多い中で、モーツァルトのヴァイオリンとピアノのためのソナタ全集を見つけた。1990年ごろの録音で、先月こちらが度忘れして会をすっぽかしたヴァイオリニストペーター・ツィンマーマン活動初期の録音なのだろう。全く気に掛けていなかった制作であるが、意外にピアノのアレクサンダー・ロンキィッヒと精妙なアンサンブルをしていて予想外であった。蓋を十分に閉めた演奏であるが、なかなか丁寧な音楽を奏でるこのピアニストを知らなかった。グリューミオとハスキルのコンビの名録音と比較されるこの演奏であるが、現代的な楽器を使ったこうした演奏をキャリアーの早い時期に録音してしまっているのはなかなか賢いやり方である。なんと五枚組み9.99ユーロで、かなりこの天才作曲家の演奏とその音楽の核がこれで大分分ってしまうのだ。

これらに本当はヴォルフガンク・リーム作曲の曲集などもあったのだが、予てからウイッシュリストに入れ続けていたギィヨーム・ド・デュファイ作曲のミサ曲のアンドリュー・カークマン指揮のシリーズが安売りになっているのを見つけた。こうした機会に注文しておかないと、もはや購入することはない。ビンショワ・コンソートのこのシリーズの良いところは、その企画と選曲だけでなくその演奏と録音の明快さで、まるでMIDIで分析するようなリズムの分割が体感できるような録音となっている。必ずしもリファレンスとは言えないかもしれないが、曲や作曲家を知るには十分すぎるほどの制作である。ある意味、ブーレーズ指揮のストラヴィンスキー曲集に似ているかもしれない。

〆て割引を入れて約36ユーロで十一枚の最新録音のCDを注文した。若干予算をオーヴァーしたが、それはそれで仕方が無い。昨今は、CDよりもネット配信などの方が人気があるようだが、そもそも大きなデーターをPCなどで弄ることが煩わしく、デジタルの現場を知るにしたがって、嘗てのオーディオ趣味のようなものから完全に遠ざかってしまった。車中でももっぱらラジオで、電車などで通勤しているわけでもないので移動しながらの音楽などの習慣がない。仕事中のBGMはあまり気にならないので、結局環境に流しておくことは多くとも、環境を流しながら移動すると言うことはないのである。そのようなものくさからすれば、CDさまさまで、必要なときに棚から直ぐに取り出せるようなものがどうしても好ましいのである。



参照:
早くも秋の気配の夏休み 2011-07-22 | 暦
旬の音楽を格安で発注する 2011-03-06 | 生活
21の太陽王と9ユーロのゴロー 2010-12-03 | 生活
休肝日に音盤を物色する 2009-09-12 | 生活
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