Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

医療現場の芸術の素材感

2010-06-16 | アウトドーア・環境
友人についてマインツの大学病院を見に行った。一般外科から移植・放射線課までが収まっている外科病院のロビーにおいてあった彫刻が目についた。

外来のロビーでもあるので皆が通るのだが、その形状とか色も合わせて、青銅の質感が印象深かった。どうしても病院とかを考えると、当たりの柔らかそうな優しさを考えてしまうのであるが、これは全くコンセプトが違うようだ。これはどうも外科病院の特徴をも表しているのだろうか?

なるほど神経科とか内科とはその治療の性質も異なり、なによりも患者の構えというか感覚も異なるのかも知れない。金属の間に木が挟まれているのも特色で、公園等にある鑑賞する彫刻とは異なる存在感がその芸術的な意志であるのだろう。

どうしても健常者の感覚からすると、緑の芝生とか池とか水の流れとかを考えてしまうのだが、実際はそうしたものとは違う感覚が重要になるのだろう。

明らかに患者ではないが日曜日に入院している家族を訪れたのであろうミドルティーンエイジャーの女の子が声をあげて泣いていたが、恐らく誰が亡くなったとかどうかではなくて、死の床にある家族との心理的な疎通の決裂が悲しかったのかも知れない。そうした状況を想像すると、上の彫刻はそれなりの力強さで何かを語ってくるようである。

健常者が考えるような朽ちるような木の肌触りや土の質感では、到底こうした医療現場の雰囲気を受け止められるような芸術にならないのであろう。



参照:
批判精神無しに何を語っても 2010-06-04 | BLOG研究
万世一系、無窮のいきほひ 2010-01-17 | 歴史・時事
旨味へと関心が移る展開 2009-11-07 | 文学・思想
近代科学の限界に向合う 2006-05-04 | アウトドーア・環境

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