Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

スノーデン氏と交渉する

2013-11-23 | マスメディア批評
一万人規模の特定機密保護法反対デモンストレーションがあったようだ。ネットで見る限り、組織された群衆以外の一般市民が平日に拘わらず多く押し寄せた様子は確認できた。まだまだ人数は足りないが、こうした日本における市民運動の大きな分岐点に差し掛かっていることは確実である。

残念ながら日本や英米仏の場合はそもそも権力が一極集中しているので、どうしても東京の官僚権力の中枢に直接働きかけるしかないのだが、その他の都市部でも同様な運動はあるようだ。当然のことながら日本国民広範囲に亘る危機意識から衆議院における採決が少しづつ遅れているようで、最終的には強硬的な採決には実力行使による採決阻止が一部国会議員を巻き込んで市民の力で行われようとしている。

日本記者クラブと称するマスメディアの政治部などは必ず議会内どころか政権与党内での内紛を称して「最高に緊迫した状態」などと言う表現を使い続けてきたが、不正で不公平な選挙制度の中ではもはやこうした市民運動が政治的な意味を増して来るのは当然であり、まさしく日本の政治は安保闘争などに匹敵する逼迫した状況になってきている。安倍政権は、諸外国からの警告があったように、今回の法案の扱い方によっては安定政権どころか其の正統性に疑問を投げかけられるようになり、もたなくなる可能性も出てきたのでないか。

昨日のラディオで聞いたが、緑の党のクリスティアン・シュトロベレがアメリカでもスパイ交渉人として大々的に報道されているというのだ。つまり野党の求める元NSAのスノーデン氏の連邦国会での証言を求めて、氏と条件交渉をモスクワで行ったというものだ。連邦での市民権までを与えてまでも国益に利することなら事実を解明しようとする意志は国民の声でもあり、まさしく国益なのである。表面上はNATOなどの同盟国内でのスパイ活動はしないという口約束をしたというが、事実関係がはっきりしない限りそのような約束はなんら意味をもたない。

それにしても日本の政府や国民の意識を考えると、たとえ政治家が一部の権力層や官僚の言いなりとなっていたとしても、保守を標榜する連中がたとえ国内での権力を強化できるとしても、米国の言いなりになろうとしているのはなにも「TPP交渉の成果」を見るまでもなく明らかだ。あの連中が国粋主義者の狂人の凶刃に怯えているような様子がないことも不思議でたまらない。自由主義政党はどこにおいてもその政策や支持の確保が難しいが、自由主義を標榜して官僚主義を補佐するような政党などはただの口先の自由主義で本来の新自由主義にもならないのである。似非主義者は結局金や権力に群がるシロアリでしかないのである。



参照:
Grünen-Abgeordneter Ströbele trifft Snowden (ARD)
秘密保護法の馬鹿さ加減 2013-10-28 | マスメディア批評
変遷しない社会の危機管理 2012-05-04 | 歴史・時事
外交官なんて不要か? 2010-12-21 | 文化一般
自由主義者の戦後社会学 2009-05-05 | 文学・思想
希望という自己選択の自由 2009-06-19 | 文化一般

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