Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

夢だにしなかった愉悦

2015-08-29 | 文化一般
今回発注したCDはなかなかよさそうだ。まだ全部は流していないが、クレディットなどを読むと興味深い。演奏時間はどれも短めだが、バロックオペラ二種類のうちのヘンデルは予想以上に面白く、質が高い。確かクリスティー指揮の同じ演奏団体のヘンデルは生で聞いている筈だが、その演奏の絶妙さには驚かされる。

もう一つ気がつくのは、アバド指揮のベルリンの交響楽団のサウンドで、あの当時のカラヤンサウンドの管弦楽団の演奏からもこの指揮者がその後にやろうとしたことが窺い知れるのだが、とてもとても客演程度の録音でしかないのは致し方が無いのであろう。なるほどあの当時のあの交響楽団の演奏を思い出すと三十年も経過しているので古色蒼然としていて、たとえ録音が当時のデジタル最新録音でも致し方が無い。ある意味、当時のドイツェグラモフォンの録音の評判の悪さのようなものが分かる。

そのポルリーニの録音はベルンの音楽大学ホールを使っているようだが、これはSACDにしても可也良い録音ではないのだろうか。1981年の録音であるからPCMの最初期の録音だろう。大きな機材を使っているのだろうか?LPは、これとアラベスクが入っていたようだが、CD初発売はどのようになっていたのだろう。全く記憶に無い。シューマンの協奏曲の方は、シェーンベルクと組み合わされていて、それも狙っていたのだが、いつの間にか無くなっていた。同じ時期にベルリンで録音したものだろう。今回のCD価格は8ユーロ弱と高価だったが、収集している初期PCM録音としてその内容とも満足した。

一緒に発注したSACDは最新の録音であり聴き応えがあるが、さて両者を比べながら本質的なところで録音の質を考えなければいけない。ブラジル出身のスポーティーでテニスをする女流ピアニストとして昔の写真はガーシュインを弾いたLPに載っているが、今回のブックレットには載せていない。女流の音楽家としては珍しい。それにしてもぶかぶかした楽器の鳴りであるが、スタインウェーでもなくヤマハでもないので、ベッヒシュタインとも違うとなると、ベーゼンドルファーなのだろうか?この手の制作は大抵楽器に付いての言及があるのだがどこにも記載されていない。

さらっと流したが、ハッセのオペラはとても音楽的に興味深い。ネットでの評判はもう一つであったが、なるほど通常の価格で趣味で購入すれば文句も出るのかもしれないが、資料的な価値も含めて、近頃接した中ではとてもよい制作である。ブックレットも必要最小限の情報とテキストが載っていて、装丁ともども落ち度が少ないようだ。ドィツェハルモニアムンディーとしては録音も優れていているが、その累計演奏時間が明記されていないようにCD二枚で90分強と大変短い。その意味から9ユーロのセールはとても理に適っていた。そしてよく見るとソニーエンターティメントはポーランドにあって、そこから欧州に出しているようだ。今まで知らなかった。

それにしてもデジタル録音が出てきた当時、CDでこれほど素晴らしい音楽が楽しめるなどとは思っても見なかったのである。それどころか、熱心な音楽ファンはデジタル録音に嫌気がして、新たに投資したオーディオ機器やCDなどを売り払ってしまったという話も1990年代初頭に聞いた。今から見るとお笑いなのだが、当時の音響機器も十分に対応できておらず、スタジオの音響を知らしめるほどにはならなかったのだろう。



参照:
一足先に秋枯れの市場 2015-08-27 | 雑感
おどる阿呆にみる阿呆 2015-07-19 | 文化一般

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 裏切り者とどやされる首相 | トップ | 記念日か、祝杯を挙げよう »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿