Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

熊が出没!?

2005-04-01 | 
隣町へ向かうワイン畑の小川の畔の草叢に、と言えばエープリール・フ-ルとなる。

ベーア・ラウフ(ベアー・ガーリック)が市場に出ている。春を告げる山菜、第一弾である。これからアスパラガスが出るまでが春と言う感じがする。


Allium ursinum/Baerlauch
2004 03/26 編集

ベアー・ガーリックという野生植物は、熊笹状の葉っぱを食べる。味は、ニンニクより弱くニラに近い。中欧の特に西欧の水気のある野原や中州地帯に植生する。熊の出そうな場所で、蜂蜜の時期には早い、冬眠から起きた熊の食べそうな植物である。

これを初めて意識して食したのは五年以上前である。やはり熊の紋章のスイスの首都ベルンからインテルラーケン方面へ30分ほどのベルナーオーバーランドの山麓だった。ガラス張りのレストランの大きな窓には、テューン湖を囲む未だ白い峰々の中に、黒く影を作るアイガーの北壁と真っ白に輝くユングフラウ峰、その間に挟まるメンヒ峰がクッキリと納まっていた。同行の二人の女性とも、一人はワルシャワ出身で仕方がないが、もう一人はバイエルンの山の懐で育ったにもかかわらず、これを知らなかった。当時は知る人ぞ知る山菜だった。

それが今や流行の自然食品として近所で売っている。三月終りから五月までがシーズンである。八百屋で纏めた束を物色していると「貸し」のあるイタリア料理屋の親父がこれでペストを作れと教えてくれた。99セントでなかなか食べきれない量だが、ソースにして保存することも出来る。味が強く魚の臭みも消すことが出来るので、生で添えて食してもよい。ワインは、よって繊細さを楽しむリースリングなどより、イタリアのシャドネーやピノ・グリッチョ等の味が確りした白ワインが薦められる。ニンニク味は硫黄化合物ということなので、これもワイン選択のポイントになる。

熊という言葉は、ゲルマン民族にとってタブーだったようだ。野蛮な狩猟民族であったゲルマンの民も人力を越えた熊やオオカミを恐れていたことが分かる。双方とも中欧から絶滅してかなりの年月が経つ。


そう言えば、復活祭の土曜日の夜中の2時が3時に進められて、夏時間になっていた。以前は春分の次の週末に行われていたが、EUになってから3月と10月の最終週に統一された。しかし今年は偶々春分が土曜日だったので、以前の決まりがフィードバックした。

四月一日をキーワードに各国語のWIKIを見ると、フランスのシャルル九世(1550-1575)の暦改正への試みがこの祝祭の起源となっている。そこではドイツ語のアープリル・シェルツの過去の例が幾つか挙げられている。その中でヘッセンのラジオ局第三波と地元民放局が共同で企てたデマの流布が有名である。「前日の夏時間変更は誤りでした。」と出勤時間の放送番組で誤りの時報を流した。月曜日朝の寝惚け眼のお勤め人が当惑したのは想像に難くない。

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3 コメント

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ポワソン・ダブリル (arp37)
2005-04-03 15:01:30
TBありがとうござました。

すっかりフランスの4月の魚(ポワソン・ダブリル)に踊らされた感があったのですが、誤りの時報というのもすごいですね。思い切った嘘です。
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四月馬鹿 (弥一)
2005-04-04 08:03:38
勝手にTBして失礼しました。ヨーロッパではエイプリル・フールの実状はどうなのでしょう。

小生自身については、エブリデー・フールですが。

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魚座は用心深い、基本的には西欧 (pfaelzerwein)
2005-04-05 04:42:09
arp37さん、コメント有難うございました。私は偶々魚座なので成る程と思いました。魚座は初めのうちは用心深いから、騙されないと思うのですが。



また宜しく。お礼に4月1日のプレゼントを受け取ってください。







弥一さん、arp37さんの所でご覧になったようにフランスとイタリアは同じような感じです。嘘については一度聞いてみないとハッキリしませんが。スペインだけが少し事情が違うようです。これも直接取材してみないといけません。基本的には西欧ということで、東欧には無いようです。16世紀の社会の発展と批判精神などが関わっていそうで、調べると論文が書けそうですね。

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