Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

早期の再稼動へと広瀬社長

2012-07-23 | マスメディア批評
東電の外国人記者会見に出ての報告がフランクフルターアルゲマイネに出ている。広瀬社長と松本広報部長代理の会見である。経済欄に掲載されている。

東電一筋の社会学部出身の広報マン広瀬は、政府の救済援助無ければ既に倒産していた企業の長という誰もなりたがらない役目を引き受けた。しかし一兆円に上るその援助をして、東電が継続するかどうかは未知であるとする。広瀬は、事故原発の事故収束から解体と同時に東京圏への電力の安定供給と現実的な価格転嫁を使命としているようであるが、決められた救済策以上のものを被曝者に用意していはいない。

目標は電気料金の値上げであり、原発停止後も電力を供給してきたがそのコスト上昇からの781億円の赤字を埋めるべく10.28%の価格上乗せを諮ったが、実施時期が二月遅れそれだけで400億円の減収が計算されている。更に認められた8.47%の値上げ率で更に800億円の減収となる。

そもそもの値上げ率は、年内に原発を再稼動すると言う前提での計算であり、それがならない場合は16%の値上げが必要だったと語る。それでも今日明日の再稼動は難しいとして、近い将来の再稼動を声明した。

どのような場合も発送電の分離で自由市場へと開かれた場合は東電にとって最も存続危機であり、東電が消費者に今のように価格転換できなくなることは承知している。だから東電のイメージを良くすることが使命であるとする広瀬の言葉の裏で、十七万人もの市民が反原発を唱えて抗議活動するのは驚きだと、市民心情を逆なでする。

広瀬は、福島訪問などを通して、未だに避難民が病んでいるのに驚き、現実は安全に保護されていると認識して、実際のその安全な状況が日本の筒裏まで十分に知れ渡っていないことを遺憾に思う。

ゲルミス特派員は、「このまま継続のために少々変える ― 広瀬は東電の新たなイメージを逃しているようで、実は従来のそれを復活させたいのだ」との見出し副題を以った記事で、新生東電の看板の裏に、嘗ての横暴さと全く変わらない、都合の悪いことを隠蔽して操作し、喚起を無視するのは広瀬体制にも垣間見られたとしている。



参照:
Etwas ändern, damit alles so bleibt, Carsten Germis, FAZ vom 20.7.2012
徹底的に打破する市民の声 2012-07-14 | アウトドーア・環境
創造力豊かな無広告社会 2012-07-11 | マスメディア批評
教訓劇「フクシマ後の日本」 2012-07-08 | マスメディア批評

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