夜明けの曳航

銀行総合職一期生、外交官配偶者等を経て大学の法学教員(ニューヨーク州弁護士でもある)に。古都の暮らしをエンジョイ中。

文三4組の同級生

2007年06月22日 | Weblog
NHKワシントン支局長の大越健介くんは、81文三4組のときの同級生である。

少し前まで政治部の記者で、ニュースでキャスターから「では、政治部の大越さんお願いします」といわれ解説していたが、いつの間にか違う人になったので大越くん異動になったのかなと思っていたが、数日前ワシントン支局長として大統領選の報道をしているのに接した。

NHKはプロデューサーをしている小川純子氏も4組の同級生である。

あとはパルコ吉祥寺店長の浜田和子氏とか。

大越くんは野球部でピッチャーとして活躍し、六大学で何勝もしている。

練習が忙しく講義に殆ど来なかったので、話したことはなく、向こうも覚えていないだろうが、確か国文科に進学したのではなかったか。

六大学といえば、私が入学した1981年は、東大が初めの頃だけ優勝も夢じゃないくらいものすごく強くて、稲岡先生が、国文学の授業で「君たち、今年はぜひ六大学の観戦に行きなさい。今年優勝できなかったら多分君たちが生きている間には優勝できないから」といっていた。一度くらい見に行けばよかったなと今は思う。

同級生の顔がTVでアップになることなどあまりない機会なのでつい見入ってしまうが、彼は浪人しているから私より若干年上だとしても、外見は立派なおじさんで、こういうときに私ももう立派なおばさんなのだと改めて気づいたりするのだ。

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セクハラによる諭旨解雇?

2007年06月21日 | profession

某国立大学で、「セクハラ」で教育学部の准教授を諭旨解雇にしたという記事を見た。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070621-00000006-mai-soci

「セクハラ:信州大准教授が女子大学院生に関係強要、妊娠

 信州大教育学部(長野市)の男性准教授(35)が同大の20歳代の女子大学院生に性的関係を強要し、
妊娠させたとして諭旨解雇処分になっていたことが分かった。
准教授は事実関係を認めている。21日発表する。

 同大関係者によると、准教授は今年2月に学外で大学院生と複数回性的関係を持ったという。
准教授は大学側に「合意はなく、大変申し訳ないことをした」などと事実関係を認め、
辞職を申し出た。准教授は大学院生に謝罪し、慰謝料約50万円を渡したという。

 大学院生は今年4月、大学に「セクハラを受けた」と訴え発覚した。
大学はハラスメント調査対策委員会で事実確認のうえ、
今月上旬の臨時評議会で処分内容を決めた。同11日付で処分した。

 懲戒解雇ではなく諭旨解雇とした理由について同大は、
准教授が事実関係を認めて謝罪し、反省している--などの点を挙げている。
准教授は東大卒後、04年に信州大教育学部講師、
今年1月に同大助教授(4月から准教授)となっていた。【藤原章博】

毎日新聞 2007年6月21日 3時00分」

でも、これって本人が「合意がなかった」と認めているんだから「セクハラ」じゃなくて、強姦じゃないか。しかも被害者の女子院生は妊娠している。

「複数回だから合意はあったのでは?」というおかしなコメントをみかけるが、百万歩譲って複数回のうち一回でも合意がなかったとはいえないケースがあったとしても、それで他の合意のない性交の違法性がなくなるわけではない。
強姦というのはあくまで一回一回の合意の有無の判断なのだということもわからない人がいるのは困る。

どうしてこれで懲戒免職にならないし実名も出ないのだ?
(懲戒免職と諭旨解雇では雲泥の差だ。後者なら退職金も出る)

と書いたが、この「合意の有無」は調査委員会でもはっきりさせていないらしく、
記者会見で朝日新聞の記者が質問してもはっきりせず、「そんなこともはっきりさせないで懲戒したのか」と呆れムードが漂ったという。

そのせいか、ここで引用した毎日新聞の記事はすぐ削除された。


この大学の懲戒は、量刑がどう考えてもおかしいし、気に入らない人間を追い出すための政治的道具になってしまっている。

いくつか例をあげよう。

昨年5月に実名まで出されて「私文書偽造」として懲戒解雇になった教育学部の助教授の罪状は、採用時と昇任時に論文について虚偽申告をしたことだった。
彼は、処分取消の仮処分を申請して、「法科大学院虚偽申請の処分と比べて均衡を
失する」と争っている。

同じ教育学部で、院生を強姦・妊娠させても実名非公開、退職金を出す諭旨解雇、業績の虚偽申告では実名公開、懲戒免職というのはあまりにも均衡を失し、大学としての見識を疑われる。

それはそうだろう。
私文書偽造より重い「虚偽公文書作成罪」に該当するし(それを行政法の研究者がするというのは…)あれほど大きく報道され、学生募集も1年見合わせられそうになったり、他の学部の改組も申請できなくなったり、大学全体に迷惑をかけただけでなく、他の大学の先生にも、「○大のおかげであらゆる設置申請が厳しくなった」といわれるくらい、全国にも影響を及ぼした。

それなのに、首謀者兼自分の論文ごまかしもやった3名はローを追放され学部に戻されたとはいえ、研究科長は停職3ヶ月、理事兼教授など、「理事だから処分できない」などといって理事を退任しただけで処分なし、事務局長だった教員は減給6ヶ月ですんだ。

しかも、前研究科長と前理事は、申請書を提出した当時(2004年6月)、その申請書の業績リストに入れた論文をまだ書いていなかっただけでなく、3年たった今でもまだ、その3、とかその2までしか書いてなくて、未だ完成させていないのだ。元理事なんか、注がひとつもない作文の上、「その1」のデータが2003年とかになっているのに、どうするんだ。

しかも、処分時に交代した学部長の任期が来て、なんとこの元理事を新学部長に選んだというのだから、絶望的だ。国立大学の補助金に成果主義が採用され、論文のリストを出せとか本部から要請されているときに、最後に書いたのが1990年の「○法の争点」の一項目で、設置申請のときに「書き終わっています」と申告した論文を3年たってもまだ完成させていないような人間をトップにするなんてどうかしている。

ISO20011の認証を取ろうとしているのに、休日も毎日来て共同研究室の電気を全部つけてソファでTVを見たり、平日午後3時ぐらいになるとそのソファで四肢を投げ出してうたた寝するのはお願いだからやめてくれ。共同研究室に常駐している助手のお嬢さん二人も困っているよ。

そんな姿をコピー取りに来て見る度に同じ空気吸っているだけで五臓六腑が腐りそうな気がする。

それに、2005年5月に主として、大学の所在地から1時間ほどかかるかかる町にアパートを借りているが、実際は神奈川の自宅から通勤しているので、交通費の詐取をしたとして停職3ヶ月になり、結局自分からやめた助教授も、本人に近いところから聞いたところ(だから職務上知り得た秘密ではない)、本来諭旨解雇だった(今回の強姦と同じ処分!)のを、弁護士を通じて大学と交渉して退職を条件に停職にしてもらったという。

彼のケースも、処分したい、というのが先にあって、材料を後から探したのである。

最初、自分が採用に関与した女性の職員を内定後赴任前に何度も食事に誘ったとか、学生を運転手代わりにこきつかったとか、いくつかのセクハラ、アカハラっぽい事象があった。
これは私が彼が処分される1年ほど前に当時の全学ハラスメント対策責任者(イコールパートナーシップ委員会委員長、ただし痴漢で辞めた教授ではない)に直接聞いたことだからまちがいないが(でも私はハラスメント相談員でもなんでもないから職務上知ったわけではない)、「合わせ技はできないので、これらの事象では解雇までできない。しかし、被害者は、解雇じゃないならどんな仕返しをされるかわからないから、取り下げるといっている。そこで、何か金銭上の不正をしていないか今探しているところだ」とはっきりいっていた。

しかも、処分の記者会見で、「勤務時間記録書」(裁量労働制導入後提出させられているもの)に虚偽記載があったことも処分理由のひとつにあげていたのは、前にもブログに書いたが、労働基準法違反である。
労基法38条の4第1項に基づき「労働者の健康および福祉を確保するために使用者が」労働時間を把握するために提出させるものにすぎない「勤務時間記録書」の虚偽記入を処分理由の一つとするのは違法であると、現地の労基署職員にも確認した。その職員に「その処分委員会に労働法の教授も入っていた」といったら、嗤ってた。さすが17年論文書いていないだけあるよね。

というように、ハラスメントというのは、まず結論ありきで政治的に利用するものなのだ。
懲戒処分は、執行部の意図通りに全くRule of Lawのないところで適正手続を無視して行われ、まさに恐怖政治である。
法的にも面白いテーマなので、幸い豊富な事例も身近にあることだし、いずれ論文にまとめようと思う。

ローができる前、例の前学部長が前期の科目の採点を2月にしかせず、前期の成績表に「○法の成績は後日」と注記されるというのが常態化していて、学生、とくに4年生が困っている(たいてい前期に単位をとり終えて後期は就職活動に専念するのに、○法4単位分がどうなっているかわからないから、保険のためにいらない授業に出たりしている。県外出身者が7割なので、たいてい県外で就職活動するので、必要ないかもしれない講義に出るのは負担なのである)のをみかねて、私が、学長に直訴した(そういうことをするから告発者と疑われる)あと、学部の新年会で、彼が某教員(非社会科学系のあんただよ、ねたはあがっているからね)に「あいつは目障りだから、なんか理由をつけて懲戒処分してやれ。人間だから何かミスをするだろう。」と命令して、「かしこまりました」というやりとりがあったという。くわばらくわばら。

(この「人間だから」というのは彼の得意技。「どうして設置申請書で申告した論文を早く書いてくれないのですか(私は当時の紀要委員だったのである。これもリークを疑われる理由)。紀要が予定通り発行できないじゃないですか」と懇願すると、「しょうがないじゃないか。人間はロボットじゃないんだから、理屈通りにはいかないよ。紀要は奥付が8月でも9月までなら大丈夫だから。それか、もう原稿が集まっている分だけ第4号のIとして出して、俺たちの分は第4号のIIとして後で出す、っていうのはどうだ」と言い返したのである。)

実はもっとひどい事例もあるのだが、それはまた別のおはなし、ということで。

この件については落合洋司弁護士もブログに書いているのを発見。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070621


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2007年06月10日 | profession

銀行関係訴訟法

このほど青林書院から出た新・裁判実務大系の新刊・銀行関係訴訟法の一部を執筆しました。

それにしても30人以上いる執筆者(学者、弁護士、実務家など)で女性は一人というのが驚きである。

また、二回書き直した論文がやっと査読を通してもらった。ジェンダー法学に掲載されます。

査読委員の先生方、本当にお世話になりました。

 


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名寄せができないからって

2007年06月10日 | profession
年金問題で名寄せができないからって、国民総背番号制論議がまた復活するのではないか。それがこわい。

「明るい北朝鮮」と複数の在留邦人がいっている(しゃれにならない言論統制があるので、こう書くだけでもちょっとびくびく。今度また出張で行くとき入国拒否されたら困るもん)シンガポールでは、生まれたとき付与されるIDで全て管理するのはいいけど、選挙の投票用紙にもそれが刻印されていて選挙の秘密もないそうだ。

まあそれは極端な例だとしても、日本のように戸籍や住民票というコストと精度の高いidentification制度を既にもっている国では弊害の方が大きいのでは。

アメリカのsocial secutrity番号はそういう意味では正確なIDになりえないので(だから、犯罪者と同姓同名の人って、自己証明ができなくて困るらしい。また、だから、「ニューオーリンズトライアル」にあるような選挙人名簿への重複登録もできるわけだが)、日本とは違うが。

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フランス担保法の改正

2007年06月10日 | profession
北大で比較法学会があった。

山野目先生、平野先生、片山先生というそうそうたる顔ぶれが発表されたフランス担保法改正についてのご発表が大変興味深かった。

なかでも、抵当権について、注目すべき改正があった。
抵当権設定時に充填条項(Clause de rechargement,この訳語は充当にすべきではないか、という意見が加賀山先生から出た。先生の売買予約完結権についての考察は講義でも参考にさせていただいていたのでご挨拶させていただいた。鎌田先生も訳語は再考すべきとのご意見だった)を設けておけば、元本について特定された上限額を限度に、別の債権者が設定者との合意と付記登記により、根抵当権の一部譲渡、分割と同じ効果を得ることができる、というもの。

鎌田先生がご指摘されたようにはじめは普通抵当だったのに、根抵当権の一部譲渡、分割譲渡のようなことができる点も画期的だ。

信用促進のための制度だということで、私も銀行員の経験から、「日本の抵当制度だと、根抵当権者は極度額に余裕がある場合、関係会社に一部譲渡するなどして、とにかく自分ががっちりつかんで離さない、フランスのこの制度だと、それを設定者が自由に新規融資に使えるのだから中小企業金融などに画期的な制度だが、強行法規によって無効となる優先条項に、抵当権者自身や債権者だけでなく、もっと広い範囲を含めるようにしないと実効性がないのではないか」という質問をさせていただいた。

今年82歳のゼミの恩師X先生は今回もいらしていて、後で「最近モンゴルにも手を出しているようですが、あまり手を広げすぎるのはどうでしょうか。さっきもすごく良い質問をしていたし大変センスはあるのだから、もっと狭く深くを心がけるようにしなさい」と叱咤された。

昨年京都での比較法学会でも「お世辞でなくあなたはいつまでも○○大学なんか(私がそう思っているわけではない。そういわれた言葉を忠実に再現しているだけだから、反応しないように)にいる人ではないのだからがんばりなさい」といわれたのだっけ。
こういういいにくいことをちゃんといってくださる恩師がいるのはありがたい。
私には研究者としての才能はあまりないと思うが、14年間の銀行員経験とか、4カ国で法学教育を受けたという研究者としては独特な経験から、自分なりの視点を探ってやっていくしかないと思っている。
(そういえば、ちょうど加藤廣『信長の棺』『秀吉の枷』(歴史観が180度変わる名著)を読んだばかりで、学会の後本能寺に行ったら、ちょうど信長の命日で信長祭りをやっていたのだった)

学会の後、北大近くの評判のカレースープ屋ピカンティで食事をしていたら、隣の北大生らしい学生のグループが「300人もいるからレポートなんか先生はちゃんとよんでないみたいだ。ひどい内容でも出しただけで優くれた」「そうだよね。そんなの読めるわけないよね」と話しているので、よっぽど「そんなことはない。先生によってはちゃんと読んでるよ。私は300人近い講義で毎週記述式の小テストをやって全部ちゃんと採点してたよ(ジェンダーと法のこと)」といおうかと思ったが、他大学の学生にそういうのは僭越なのでやめておいた。

この週末も別の学会があったのだが、レジュメにも書いてあることを質問したのに「そのことは調べていないので○○先生がご自分で調べてください」と逆切れされたのには心底びっくりした。(相手は今日初めて名前を知った全く面識のない人なので、個人的に恨みを買った覚えはない)

それと関連する論点を東大のN先生が後で質問したときは、何も答えられず固まっていた。
あまりにも失礼だと思ったが、後でN先生が「あの人は、あなたに限らず、全ての質問について、自分が調べたことしか答えない、という姿勢だったでしょう。あまり気にすることはありません」といってくれたので少し気持ちが収まったのだが、たとえ、調べていないことに自分なりの理由があった(N先生も関連する質問をしたように、私の質問はやはり調べておくべき問題だったと思うが)としても、質問によって新たな問題点に気づくという契機もあるはずだ。研究者はそういう可能性に対して常に謙虚でなければならないのではないだろうか。

また、その論点が調べる必要ないものだと思うなら、質問する人によって対応を変えるのもおかしい。質問した人がえらい人かどうかでなく質問内容によって態度を決めるべきであり、その点も人として信用できない。

大きな法改正を経て注目されている(立法者解説の筆頭に出てくる判事はハーバードの同級生である)分野だけに、残念だった。

それにしても調べていないことを聞かれて「あなたが自分で調べてください」って答えていいなら便利だなあ、とくに研究会などで嫌がらせ以外のなにものでもない質問をされたときなんかに。
でも研究者の末席を汚すものとして最低限の良心とプライドをもっているから、そんな禁じ手は絶対使わないつもりだ(というかそんなの当たり前じゃないか)。

今月末の学会発表もがんばろう。

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メタル・マクベス

2007年06月10日 | 演劇
ちょうど、内野君が一路真輝との婚約を発表したばかりだったので、アドリブで橋本じゅんが「結婚おめでとー!」といいながら唇にぶちゅーとしたのにはちょっと引いたが、非常に良かった。

それにしても、一路真輝、子供も生まれて羨ましいな。
もちろん「エリザベート」での共演がきっかけだろう。
「渡鬼」レギュラーの女性で90年のドラマスタート以来、出産したのは実は、40代の彼女ひとりなのである。

私の好きな俳優はみな独身(×一の真田さんを含む)だったのに、藤木君が結婚し(無名時代からの同棲相手と結婚するなんて、売れたとたん糟糠の妻を捨てる奴(玉置浩二、グレイのテル、ミスチルの桜井等)が多い中、藤木君らしい)、内野君も結婚してしまった。

藤木君は、早稲田の理工出でインテリであるが、非常に性格が良い。石原良純が、いつもひとりでしゃべっているので、誰も相手にしないのだが、藤木くんだけはいつも最後まで聞いているので、「藤木ー、お前はいい奴だな」といわれるらしい。

「おしゃれイズム」と見ていても、何をやらせてもそつなくこなす(初挑戦というバドミントンを陣内美貴子とやっていい線までいっているのに驚いた)のに、控えめ、なのにピリッとしたコメントをいう姿にしびれる。

まだそれほどメジャーでなかった1998年くらい(「GTO]でおまわりさんの役やってた頃)から好きだったのだが、その後私が香港にいる間に江角マキコと共演したドラマでブレークし、職場の元同僚からの年賀状に「藤木直人ブレークしてますよ」と書かれていた。

内野くんは、「ふたりっ子」で見初めたのだが、文学座の看板俳優だった。

連続テレビ小説 ふたりっ子 完全版 DVD-BOX 1
岩崎ひろみ;菊池麻衣子;三倉佳奈;三倉茉奈;段田安則;内野聖陽;河合美智子
GENEON ENTERTAINMENT,INC(PLC)(D)


こちらも早稲田の政経出身のインテリ。
「モンテ・クリスト伯」では相手役の塩田朋子に殺意を抱くほど素敵だった。
こまつ座「箱根強羅ホテル」は彼が出るためにチケットが非常にとりにくかった。

実家は曹洞宗の名刹らしいが、後継ぎになるのを拒んで親と喧嘩しているらしい。

大河の山本勘助は原作(ものすごく短い。膨らますのが大変だろう)では醜貌という設定だが、いくら汚くしてもそこはかとなくdignityが感じられる。

私の好きな役者はなぜかみんな新感線の舞台に客演する。

「野獣郎見参」「吉原御免状」(網野善彦の無縁・苦界、アジール論に影響を受けた興味深い作品)の堤さん
「SHIROH」の上川くん
そして今回の内野くん

かれらの舞台は日本にいる限り全部見ている。

脚本のクドカンは、offerを受けるまでマクベスが人名だということすら知らなかったというが、西の森の魔女がミキハウスのトレーナーを来てカレー鍋をかき混ぜる噂好きのおばちゃんたちという設定といい、やはり天才と確信した。

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野田秀樹「ロープ」

2007年06月10日 | 演劇
現代のプロレス興行から、ベトナムにおける米国の蛮行まで広がる話だが、野田作品にしては、難解さがなく、わかりやすい作品になっていた。

野田さん結婚して少し毒気を抜かれたのかな、なんて思ってしまう。

主人公の藤原竜也はあいかわらず達者だ。

私の好きな三大劇作家三島由紀夫、野田秀樹、三谷幸喜の作品に全て出ている俳優は彼くらいだ。童顔(八重歯がかわゆい)なのによく響く太い声、圧倒的な存在感は若手では他の追随を許さない。

勤めていた銀行がホリプロのメインバンクだったので、「身毒丸」の割引チケットが入手でき見に行ったのがはじめだった。
その後同じ「俊徳丸」の説話を元にした三島の近代能楽集「弱法師」も彼が演じたのを見た(これは稀有なことであろう。ちなみに同じ説話を元にした「摂州合邦辻
の文楽も先日見た)

富司純子と共演した「唐版 滝の白糸」
野田「オイル」
「ライフインザシアター」
蜷川「ロミオとジュリエット」「オレステス」

などを見てきた。

彼には自分の美しさを十二分に知っている男だけがもつ酷薄さがある。

ウルルンでネパールに滞在して帰国する日、ステイ先の女の子(カトリックの国で、「マリア・ビクトリア」とか「マリア・テレサ」という命名が多いのと同じように、ヒンズーの国では6姉妹全員が「なんとか+ラクシュラミー」というのをみて、人類の普遍性を感じる)が号泣しながら「また絶対来てね」といっているのに、表面では「また絶対来るよ」といいつつ、内心は「来られる訳ないだろ」と思っているのが見え見えだったのだが。

先日ジェンダーの研究会でネパール農村の女子識字率は10%にも満たないと知って唖然とした。

三島の『天人五衰』の安永透の役は彼しかいないと思う。
『春の雪』だけじゃなく、他のも映像化してよ。

宮沢りえはその日だけかもしれないがせりふをかみまくっていた。


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W.シェイクスピア,蜷川幸雄
ホリプロ
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蜷川幸雄
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彩の国シェイクスピア・シリーズ NINAGAWA×W.SHAKESPEARE DVD BOX IV
成宮寛貴.小栗旬.北村一輝.姜暢雄.窪塚俊介
ポニーキャニオン



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「写楽考」と「コンフィダント」

2007年06月10日 | 演劇
偶然、どちらも画家の話だったわけだが、全くテイストが違う。

「写楽考」は、三島も追求していた芸術と人生の相克がテーマだ。
写楽は冤罪(それにしても当時だって自殺幇助なら獄門にまではならないだろうになぜそう主張しないのか)によって投獄され、処刑までの限られた時間に才能を爆発させる。

そういう状況でなければこれほどすばらしい作品を描けたかどうか、人としては不幸でも、そのような作品を残せたのだから、芸術家としては幸福なのではないか、ということを考えさせられる。

写楽役は堤真一、ポスターが息をのむほど美しいです。

写楽考 [DVD]
矢代静一,鈴木勝秀
ポニーキャニオン




「コンフィダント」は三谷幸喜久々の新作。

ゴッホ(生瀬勝久)、ゴーギャン(寺脇康文)、スーラ(中井貴一)、シュフネッケル(相島一之)がもっていた共同のアトリエを舞台に、彼らとモデル(堀内敬子)の織り成す話だ。

「男同士の嫉妬」というが、フェミニストの私は「プロ同士の嫉妬」といい直したい。やっぱり恋愛や外見の張り合いよりも、人生をかけた職業に関わる嫉妬の方が深刻なのは当たり前だ。

私だって仕事上のことで男から嫉妬に基づく嫌がらせをされたことがある。
しかも、「いいよな、女はやめちゃっても専業主婦になればいいから」とか「男は女と違って妻子が肩にのしかかってるんだよ。その辛さは絶対女にはわからない」とかいって正当化するから始末に悪い。

ゴッホが自己嫌悪に陥りながら誰かのフォローを待っているという面倒くさい性格で、それを腐れ縁のようにフォローするゴーギャン、でも内心は才能で絶対かなわないとわかっている、そういう関係性が、後のアルルでの共同生活につながっているのだということが説得力をもって伝わってくる。

「耳を切る」など、未来を予想させるせりふもあるし。

前にエントリーしたように、2002年アムステルダムのゴッホ美術館で構想10年のゴッホ・ゴーギャン特別展を香港からわざわざ見に行った私だから、感動もひとしおだ。

ゴーギャンの人物像は、ドラマ「今夜宇宙の片隅で」の石橋貴明がやっていた役や、「オケピ!」で伊原剛志がやっていた役と重なるが、三谷さんは現実でもこういう友達に好きな人をとられたことがあるのかな、と想像させられるほど、三谷作品では確立したキャラクターだ。

作品としては、「コンフィダント」の方が完成度が高いと思う。


「エキストラ」では、残念なせりふがあった。
角野卓造演じる細かいことを気にしすぎる元教師のエキストラが、「卒業式で君が代を歌うかどうかにこだわった」というのが、「そんな細かいこと」という扱いだったのだ。

細かくないでしょうが。
あえてそれを拒否して処分されて、処分取消訴訟を起こしている教師がたくさんいるし、その強制は違憲だという判決が出て話題になったじゃないですか。

それでも検閲問題に「笑の大学」で鋭く切り込んだ方ですか?

いくら三谷氏がノンポリだとしても、反権力の砦でもあった演劇界にいる人が、この問題を「細かいこと」と考えること自体、あまりにも常識と演劇人としての自覚を欠くのではないか。がっかりしたのである。


笑の大学 スペシャル・エディション [DVD]
三谷幸喜,三谷幸喜
東宝

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A2 森達也

2007年06月10日 | 演劇
A [DVD]
朴保,安岡卓冶
マクザム
A2 [DVD]
安岡卓冶
マクザム


昔日曜の22時ごろやっていた対談番組「ボクらの時代」(栗本薫の乱歩賞受賞作と同じ)が日曜早朝になっている。(昔の番組名は「すばらしき仲間」だったと思う)

今日は森達也、林海象、佐野史郎。

森達也のA2は、香港にいた頃香港映画祭で見て、感動した。

毎年ゴールデンウイーク頃にやっている香港映画祭は、ものすごくよい映画ばかり選りすぐられている。A2は違うが、日本では上映できなかったような作品までみることができた。

たとえば、復員兵に、戦場での略奪・陵辱について語らせるドキュメンタリー映画など、日本ではメジャー上映できなかったらしいが、圧倒された。インタビューに協力した復員兵も、それによって家族や周辺からつまはじきにされるという犠牲を払ったらしい。

A2は、オウム真理教報道がいかに偏ったものであるかを語るもの。
たとえば、中には地域の人と仲良しの信者(本当に愛すべき人柄なのだ)もいるのに、通常の報道は道場があることによって近所が迷惑しているという図しかとりたがらない、など。

また、河野さん(不謹慎かもしれないが、グッチ裕三と似てませんか?)が、自分も報道被害を受けた立場から、信者の子供が住民登録許否を受けていることに憤り、「少しでもそういうことがなくなった方が更生してくれる」とい思いから、わざわざ新生アレフが河野さんに謝罪する場面をTVで報道する場を提供しようとしたのに、結局謝罪しようとしない彼らに対して、優しく諭すとところも描かれていた。

河野さんは勤務先の大学の医学部の主催したシンポでお会いして直接お話もできたが、すごい人格者だ。

番組で森監督いわく、「いろいろな犯罪者に会うけど、本当に人間悪い奴はいない。良かれと思ってすることが害をなすというところに怖さがある」

この前も金田一春彦(私は新婚旅行の帰りにアンカラで飛行機が脱輪して一時空港で待たされたとき、たくさんの取り巻きにちやほやされている老人がいたので見たら彼だったことがある)の3人の子が父のことを語るというのをやっていてすごく面白かった。

こういういい番組はもっとたくさんの人が見られる時間帯に戻してほしい。

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最近読んだ本

2007年06月08日 | 読書
話題になった本を図書館で借りて読んでいたら、本屋大賞を大体網羅していることがわかったので、少し感想を書く。(ネタばれあります)

小説は、移動中(主に大学のある町と東京の往復)と寝る前の数十分(一日の仕事を終え、好きな本をもってベッドに入るときの至福感といったら…)だけしか読まないと決めているので、銀行員時代よりは読書量が減った。

大賞『一瞬の風になれ』著/佐藤 多佳子(講談社)

これはさすがの大学周辺の図書館でもまだ順番が回ってこないので未読。

2位『夜は短し歩けよ乙女』 著/森見 登美彦(角川書店)

ブログで既に書いた。
その後森見氏の著作は全部読んだが、とくに『四畳神話大系』が抜群に良かった。

私の血中京都大好き濃度を極大化させてくれた作家である。
でも彼のブログを読むとsmokerらしく残念。

どの著作か忘れたが「野暮用」を「藪用」と表記しているのがあった。編集者チェックしようね。

3位 『風が強く吹いている』 著/三浦 しをん(新潮社)

直木賞受賞作『まほろ街…』はちょっとあざとくてあまり好きになれなかったので期待していなかったのだが、すごく良かった。
一見非現実的な設定なのに、説得力をもって長編をさわやかな感動とともに読み切れてしまう。
一作を読んで作家を判断するのはもったいないな、と思い直した次第。

風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8)
三浦 しをん
新潮社



4位『終末のフール』    著/伊坂 幸太郎(集英社)

本来なら終末がくることが発覚するまでがすごいドラマだろうにそこはあえて省略し、その後の人々のありように焦点を当てている潔さが成功している。

終末のフール (集英社文庫)
伊坂 幸太郎
集英社




5位 『図書館戦争』     著/有川 浩(メディアワークス)

これも気に入って、『内乱』『危機』と全部読んだ。
図書館が出版の自由を守るために自衛隊並みに戦闘組織になっているという一見荒唐無稽な設定だが、組織のあり方、研修の仕組など、ディテールがきちんと描かれているために説得力がある。
各人物の造型もすばらしい(ただ、主人公が王子様の顔を覚えていないのは絶対おかしいが)。主人公の親友柴崎は実際に柴崎コウに当て書きしているのではないか。物語自体の面白さが読書への愛というテーマに貫かれているのも良い。
次回で完結というのがさびしい。


図書館戦争
有川 浩
メディアワークス



6位 『鴨川ホルモー』    著/万城目 学(産業編集センター)

これもまだリクエスト中。


7位『ミーナの行進』    著/小川 洋子(中央公論新社)

これも話題になった『博士の愛した数式』より良かった。
高速バスの中で読みながら泣いちゃった。
でも、ミーナのその後はわからない方が、神秘的なミーナ像を壊さずにすんでよかったような気がするのだが、いかがなもんだろうか。

ミーナの行進 (中公文庫)
小川 洋子
中央公論新社



8位『陰日向に咲く』    著/劇団ひとり(幻冬舎)

処女作とは思えないほどうまい。すごい才能だと思う。
劇団ひとりは、お笑い番組を見ない私が、『電車男』のオタク演技がうまくて注目していたが、LIFE カードのネットCMもすごく面白いのでぜひ見てください。

でも、顔立ちはノーブルだし、両親が日航パイロットと客室乗務員でアラスカ(昔はアンカレッジ経由だったもんね)で育ったという育ちのよさがそこはかとなく表れているし、大好きである。

『純情きらり』を朝ドラを初めてリアルタイムで見たのもひとえに劇団ひとりが出ているからだ。
見てすぐに冬吾のモデルは太宰治とわかったので、原作津島佑子の『火の山ー山猿記』を読んだが、やっぱりかなり原作と違う。
桜子の弟でアメリカに住む老人が書いた覚書をフランス人の義理の孫が読むという設定は秀逸だが、国際連盟をUnited Nationsと何度も連呼するのは誤りだ。どうして編集者は指摘しないのか。
冬吾の死に方もちょっときれいごと過ぎやしないかい。

陰日向に咲く (幻冬舎文庫)
劇団ひとり
幻冬舎



9位 『失われた町』     著/三崎 亜記(集英社)

これも、本来は町が失われるということがわかるまでの過程の方がドラマになりそうなのに、あえてそれは描いていないところ、つまり人々が諦めて受け入れるところからスタートしているところが、『終末のフール』と似ている。

絶望的な設定の中に、結末わずかな光が差し込むまでのエピソードの積み重ねが丁寧でよい。


失われた町 (集英社文庫)
三崎 亜記
集英社


10位 『名もなき毒』     著/宮部 みゆき(幻冬舎)

やはりベストセラーになった『誰か』の続編である。

フェミニストとしては、やっぱり気になるのが、大企業のトップの掌中の珠である婚外子と結婚し、義父の命令でそれまで勤めていた出版社を辞めて社内報作成部署に勤める主人公の鬱屈である。
周りから「逆玉」扱いされる苦しみは、男女が逆だったらありえないのに、と本当にフェミニストとして怒りを感じる。
ただ、どう考えてもこのように苦しい立場に追いやるのは、思慮深い義父らしくなく、実は義父が娘を奪われた復讐をしているのではないかと勘ぐりたくなる。

このシリーズいつまで続くかわからないけど、最後は、主人公がこの鬱屈ゆえに殺人者になるという落ちなのではないかとうそ寒くなるのである。

名もなき毒
宮部 みゆき
幻冬舎




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作らさせていただきます

2007年06月08日 | Weblog
どうして誰も注意しないのかな、と毎週思うのは、11年続いている人気番組SMAP SMAPのビストロ・スマップでゲストを迎えて司会の中居君がいう
「このビストロにはメニューはいっさいございません。おっしゃっていただければなんでも作らさせていただきます」という台詞だ。

「作らせて」が正しいだろう、なぜ11年間誰も指摘しないのか?
まさかジャニーズだからじゃないよね。

こういうことが気になるというのに共感してくださる方は
永井愛「らぬきの殺意」をぜひ読んでください。

あの番組は結構好きである。
作家は「ブスの瞳に恋してる」の鈴木おさむだが。

ビストロは本当にレシピも何にも見ずに作っているのかな、と疑問だったが、出演した人に聞いたら、専門家がついて指導しているそうだ。

あと、ゲストを迎えてfeaturingして一緒に歌うシーンでは、歌詞が前のスクリーンに出ているらしく、彼らの目線がそっちばっかりいっているのが明らかでちょっと興ざめである。

それから、どう考えても不自然で、ジャニーズ事務所の権力とタブーという芸能界の暗い部分を想起せざるを得ないのが、最後の方のフリートークでキムタクが絶対家族の話をしないことだ。
たとえば、中居君は「こないだ実家に帰ったらまだおふくろ二層式の洗濯機つかっててさあ」とかいっているし、キムタク自身も、「ボディーソープが出るところにソープが固まるのがいらつく」とかかなり生活感のある話題が出ているのに、子供の話とかでてこないのは却って不自然だろう。

工藤静香は吾郎の「ゴロクミ」コントで特殊メークをして「シズクミ」という姉役で出ていたけど、彼女の雑誌などのインタビューも夫も芸能人なら普通なら「夫の○○さんと育児面での協力」、云々とか出てくるのが普通なのに、絶対夫のことは出てこないもんね。

間違いといえば、先週高島彩が、自殺した大臣の後任について「たかむらはの」と読んで、またアミーゴ伊藤に「こうむらは」と直されていた。やっぱりプロのアナウンサーとして資質を疑われるのではないか。

フジテレビのアナウンサーといえば、菊間千乃は、新人の頃、めざましテレビで生中継中にビルの窓から転落するところを私も見てしまったが、そのとき重傷を負ったことに局側は負い目があるのか、ジャニーズの内がやっと復活できそうなのに比べてより責任をもつべき大人なのに処分が甘すぎる。大宮法科大学院では成績憂愁だったらしいが、試験当日に特ダネのレポートをやっていたので今年は受け控えしたようだが。

佐々木恭子は大好きだ。大学の後輩ということもあるが(結婚していた池田氏は私の大学同期、クラスは違うが、同じ授業をとっていたので顔は覚えている)。
ともすれば暴走しがちな小倉氏をそばにいてやんわり制御している感じがいいなあ。冷静で知的なのに、冷たい感じがしない。パプアニューギニアのエイズ患者のレポートでも、ごく普通に手を握ったりしてぼろぼろ泣いていたもの。私だって相手の手に傷があったらいやだなあとか躊躇するかもしれないもの。

言葉といえば、神楽坂の老舗の料亭のおかみという設定の八千草薫が牛車を「ぎゅうしゃ」とよんでたりしたもんね。このドラマを紹介する民放番組のアナウンサーも「いっけんさんお断り」とかいっていたし。

倉本聡は嫌いなんだが、神楽坂は近所なのでこのドラマを見ていたのだ。
何で嫌いかっていうと、皮相な文明批評が片腹痛いのだ。
電気やガスを拒否するのに一番環境に悪い自動車を平気で使うのはなぜ?
五郎が娘が心配で蛍の勤め先の病院の電信柱の影でタバコを吸いながらずーっと待っているのはいいけど、吸殻を足元に全部捨てるなよ。
元妻のいしだあゆみが死んだとき、飛行機代がないから葬式にかけつけるのが遅れたというのが大げさに悲劇として描かれていたが、おそらくあのペースなら一日3箱は吸っているタバコをやめれば数ヶ月で飛行機代くらいたまるぞ。
結局自分のエゴで子供を犠牲にしているだけじゃん。

最終シリーズ(吉岡秀隆と内田有紀が結婚するきっかけになった)も、内田の義父の唐十郎が五郎の人柄に感服するのは、五郎が拾ったごみを材料にして自宅を建てるのを手伝いに来ていた人たちに対する指示が的確だから、というのがあまりにもしょぼいしおかしい。

倉本自身が、インタビューに例の石の家の前で答えていたときも、ひっきりなしにタバコを吸い、かつ下にそのまま捨てていたもんね。昔、観光で富良野に行ったとき、ガイドがこの家を指差して「本当にあんな家に住んだら死にます」と嘲笑していた。

唯一、蛍の不倫相手の妻大竹しのぶが五郎に会いに来るシーンだけは良かったけど。一度も出てこない不倫相手の人物像が説得力をもって伝わってきた。

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末期的症状

2007年06月07日 | profession
自民党が作った年金問題のビラを見て唖然、だめだこりゃ。
高校・大学の先輩を悪くいいたくないが、片山さんてこんな判断力のない人だったの。行政官として本当に優秀だったの?

「厚生大臣・菅直人」って大書しているのは何?
責任を擦り合っている場合ではないでしょうが。

預かったお金の記録をきちんとせず、誰のものかわからなくなったなんて、銀行でそんなことしたら業務停止処分でしょうが。

日本人の数少ない美点がこういう事務処理の正確さじゃなかったの?

2000年のアメリカ大統領選挙でフロリダ選挙区で集計ミスがあったとき(あのときちゃんと計算していればゴアが大統領になって世界は今ほどmiserableではなかったでしょう)、みずほ銀行(正確にはホールディングスができた第一フェーズの段階)内で、超面白いジョークがメールで飛び交った。
「みずほ銀行になる3行が特命を受け、直ちに預金担当者が渡米して集計を実行、瞬く間に集計を終え、検算まで2回すませ、その正確さにアメリカ政府は驚愕、正式な銀行付随業務とすることを金融庁も検討し始めた。ただ、3項は報酬がきれいに3等分できないので頭を悩ましている」

第一フェーズではポストがなんでも3つに増え、三行出身者のバランスをとっていたもんね。生き残るために統合するのに互いの面子ばっかり気にしてるんだもん。そんなことばっかりしているから第二フェーズ統合日にシステムダウンで大変なことになるのよ。

「預金部」という言葉が出てきたのでIBJの行員が作成したものと推測されたが、かなり話題になり、Wall Street Journalにも取り上げられたのだ。

飛びぬけた個性は認めない、そのかわり事務処理能力は正確無比というとりえがなくなった日本なんて本当に競争力がないよ。

英米で暮らして、かなりいろいろな点でいい加減なことに驚いたが、だからこそ個人の個性を尊重することもできるのだと思い直した。日本は、かなりきちんとした国だが、その分みなと同じであることを強いる息苦しい国じゃないか、と。そして、社会が、個人の個性を尊重しながらもefficientであるということは不可能なのか、という命題について考えたりした。

今の日本を見て、個性を認めないわ、こんな大事なことでいい加減だ、じゃ何もいいとこないじゃないの。

どうして誰も国家賠償法に基づく損害賠償訴訟を起こそうとしないのか?

でも、その賠償金も私たちの税金から出ると思うとやるせない。

1年間で照合が終わるなんていうのも絶対嘘だ。
銀行で、Pay Off解禁のための名寄せがどんなに大変だったか。
いい加減な空手形を出すのはやめてほしい。

私も
2号被保険者(A社厚生年金)→転職で別会社・2号被保険者(B社厚生年金)→夫と香港に行くために退職して3号被保険者(国民年金)→外資系企業に就職して2号被保険者(C社厚生年金)→国立大学に就職して2号被保険者(文科省共済年金)
とかなり変転しているから、一度チェックしてみた方が無難だわ。

コムスンもひどいなあ。
やっぱりジュリアナ経営していたような会社だといわれても仕方ないんじゃないか。
行政処分については法人格否認の法理って使えないのか。

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