最悪なのは職場環境だけでなく、住環境もひどくて泣きが入る。
夏でも締め切って寝ているのに、夜中にうるさくて目が覚めるのだ。
私の官舎は10棟以上ある団地内にあるが、私が住んでいる棟(大学の持ち物)以外は全部国家公務員合同宿舎だ。
当然、大学関係者でない住人の方が多く、お年寄りや乳幼児もいる。
それなのに、敷地内にある学生寮(一年生専用)の玄関前で、毎日のように夜中まで騒いでいる学生がいるのだ。
おとといは夜中の3時近くまで騒いでいたので、着替えて注意しに行った。
私が大学の関係者でない住人だったらきっと「この団地内には大学の先生も住んでいるのになぜ注意しないのだろう」と思うだろうから。
もう注意するのも10回目以上だ。
最近の学生は「いきなり怒らなくても」と怒り方に注文をつけるので始末に終えない。
しかも、学部の一年生ばかりだから大半が未成年だろうに酒盛りしたりしている。
煙草を吸っている学生には学生証を提示させ未成年だったので煙草を没収してその学部の学生委員長に届けておいた。
とにかく、今の学生はどうしてちょっとした想像力が働かないのだろう。
静まり返った団地内でそんなに大声を出していないつもりでも、盛り上がって立てる笑い声などが澄んだ空気の中どれほど響くのか?
その程度の想像力すらない人間なら、大学で勉強しても仕方ないんじゃないのか。
国立とはいえ生活費の高いこの地(2年生以上はほとんど入れる寮がない。家賃をはじめ物価は東京より高い)で、親から仕送りを受けて大学に通っているだけで、どんなに恵まれた立場なのか全く自覚がない。
(私なんか親がいけずで貧乏だから東京に住んでいなかったら、仕送りできないので東大に受かっても進学できなかったんだから)
何回注意しても、また同じことを繰り返す、もう処置なしだ。
私は講義の前の夜は緊張してあまり眠れないし数時間おきに目が覚めたりするので、この夜も注意したあと結局朝まで眠れなかった。もう地獄である。
どうして親に甘え世間に甘えた連中にこんな目に遭わされなければならないのか。
こういうときには子供がいなくて良かったと思う。
自分の子供がこんな人間になったら私は無理心中するね。
大学の寮管理部門に苦情をいっても何もしてくれない。
未成年者が酒盛りしていることをしっていて不作為なら、法人としての法的責任は免れまい。
しばらくして改善されなかったら今度は警察に通報するつもりだ。
吉原手引草 (幻冬舎文庫)松井 今朝子 幻冬舎 八日目の蝉
犯罪者を主人公にしており、一瞬桐野夏生を思い出した。角田光代はこれで新境地を開拓したのではないだろうか。
人物の描写がすばらしく、とくに主人公の親友の「正しいのに心の温かい人」という理想的な人物像をごく自然に描いていた。
悪人
吉田修一のほかのものとはだいぶ違う。大岡昇平の「事件」を思い出させるような、ごく普通の人間が犯罪の加害者や被害者になる過程を描いて静かな感動を呼ぶ。
あまりにリアリティがあるので、実際に起きた事件のルポルタージュかと思ったほどである。
沈底魚
本年江戸川乱歩賞受賞作。本賞には珍しく公安やスパイを扱っている。
この頃かなり受賞作の質が低迷していた中ではいいほうだと思うが、次回作もぜひ読みたいと思うほどではない。
ただし、女性のキャリア理事官や主人公の同僚警察官の妻の描き方が、女性特有の性質を見事なほど全く出さず、フェミニスト的には絶賛ものだった。
奥田英朗
「サウスバウンド」がトヨエツで映画化されるらしい。はじめは生活能力のない能書きばかりの全共闘崩れの父親に反感をもったが、だんだんその生き方がすばらしく見えてきて最後は落涙。
「家日和」「マドンナ」等も、どうしてこの人はこんなにサラリーマンの気持ちがわかるのか?と不思議に思うほど、面白い。
万城目学
「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」を読んだ。
森見登美彦に続いて、またも私の京都大好き指数を極大化してくれた作品。
こちらはモリミーと同じ京大だが、法学部卒。
文系らしく、京都・奈良の歴史を踏まえた作品で、モリミーとはまた違った面白さがある。「鹿男」の方は、理系の研究者が教授に進められて高校教師になるという設定がドラマ「高校教師」と同じなのだがその後の展開は全然違う。
モリミーは、トップランナーに出るというので、観覧希望を出したのだがだめだった。質問欄に「京都の歴史を踏まえた作品を書く予定はないのですか?」などとかいてしまったからいけないのかな。
モリミー作品に出てくる法学部卒の友人のモデルになった人は新司法試験に受かったそうである。
東野圭吾
「使命と魂のリミット」「夜明けの街で」どうも、この頃、すぐに先が読めてつまらない。
10月から月9でガリレオ(福山雅治)をやるのが楽しみではあるのだが。
じゃあ、加賀刑事が出るシリーズもやらないかな?
吉原手引草
松井今朝子 吉原で失踪した花形花魁の事件について、さまざまな関係者が語り、最後にあっという種明かしがある。一度も語ることはない花魁本人の魅力的な人物像が多くの他人の話でいきいきと表現されるのは作者の筆力だと思う。
犯罪者を主人公にしており、一瞬桐野夏生を思い出した。角田光代はこれで新境地を開拓したのではないだろうか。
人物の描写がすばらしく、とくに主人公の親友の「正しいのに心の温かい人」という理想的な人物像をごく自然に描いていた。
八日目の蝉 (中公文庫) | |
角田 光代 | |
中央公論新社 |
悪人
吉田修一のほかのものとはだいぶ違う。大岡昇平の「事件」を思い出させるような、ごく普通の人間が犯罪の加害者や被害者になる過程を描いて静かな感動を呼ぶ。
あまりにリアリティがあるので、実際に起きた事件のルポルタージュかと思ったほどである。
悪人 | |
吉田 修一 | |
朝日新聞社 |
沈底魚
本年江戸川乱歩賞受賞作。本賞には珍しく公安やスパイを扱っている。
この頃かなり受賞作の質が低迷していた中ではいいほうだと思うが、次回作もぜひ読みたいと思うほどではない。
ただし、女性のキャリア理事官や主人公の同僚警察官の妻の描き方が、女性特有の性質を見事なほど全く出さず、フェミニスト的には絶賛ものだった。
沈底魚 (講談社文庫) | |
曽根 圭介 | |
講談社 |
奥田英朗
「サウスバウンド」がトヨエツで映画化されるらしい。はじめは生活能力のない能書きばかりの全共闘崩れの父親に反感をもったが、だんだんその生き方がすばらしく見えてきて最後は落涙。
「家日和」「マドンナ」等も、どうしてこの人はこんなにサラリーマンの気持ちがわかるのか?と不思議に思うほど、面白い。
サウス・バウンド | |
奥田 英朗 | |
角川書店 |
万城目学
「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」を読んだ。
森見登美彦に続いて、またも私の京都大好き指数を極大化してくれた作品。
こちらはモリミーと同じ京大だが、法学部卒。
文系らしく、京都・奈良の歴史を踏まえた作品で、モリミーとはまた違った面白さがある。「鹿男」の方は、理系の研究者が教授に進められて高校教師になるという設定がドラマ「高校教師」と同じなのだがその後の展開は全然違う。
モリミーは、トップランナーに出るというので、観覧希望を出したのだがだめだった。質問欄に「京都の歴史を踏まえた作品を書く予定はないのですか?」などとかいてしまったからいけないのかな。
モリミー作品に出てくる法学部卒の友人のモデルになった人は新司法試験に受かったそうである。
東野圭吾
「使命と魂のリミット」「夜明けの街で」どうも、この頃、すぐに先が読めてつまらない。
10月から月9でガリレオ(福山雅治)をやるのが楽しみではあるのだが。
じゃあ、加賀刑事が出るシリーズもやらないかな?
吉原手引草
松井今朝子 吉原で失踪した花形花魁の事件について、さまざまな関係者が語り、最後にあっという種明かしがある。一度も語ることはない花魁本人の魅力的な人物像が多くの他人の話でいきいきと表現されるのは作者の筆力だと思う。