持将棋のこと

2016-07-30 00:00:45 | しょうぎ
持将棋といえば、双方の玉が敵陣に入り、簡単には詰ませることができなくなった状態で、引き分けになるルールで、実際には意外にわかりにくいのだが、2014年8月16日に、その件に関連して、なぜ「持将棋」というのだろうかと書いたのだが、最近、読者の方から囲碁の「持碁」に倣ったのではないかというコメントをいただく。

囲碁の持碁は、要するに白も黒も「取った石の数+獲得した地の広さの合計数」が同じなら引き分けということになっている。引き分けだと具合が悪いので、実際には、○目半とかハンディをつけて文字通り白黒付けているが、語源としては「持=引き分け」なのだろう。

ではなぜ囲碁の引分けが持碁なのか、は簡単ではない。「持」という漢字を辞書で見ても、碁と歌合わせの引分けとは書かれているが、それ以外は「持つ」という意味である。維持とか所持、持久力とか、いずれにしても手で持つという意味が多い。

さらに、歌合わせ、囲碁、将棋では引き分けのイメージがかなり異なる。

まず歌合わせ。歌合わせというのは、最低ユニットが5人(ケチれば3人)になる。1チーム2名で、短歌を読む人が1名で、その歌がいかにすばらしいものだという演説をするとともに、相手の歌がいかにダメかを批判する人が1名(兼任可)。そして判者と呼ばれる審判が1名だ。どちらの歌の方がすぐれているかジャッジして、そしてその理由を書いて保存することになっている。

つまり、歌合わせは、AがいいのかBがいいのか判定が下せない場合が引き分け。囲碁の場合は最終的に終局後に計算して同点だったら引き分けということになっている。将棋の場合は、いつまでやっても時間の無駄だからこのへんでやめようということだ。

同じ引き分けでもずいぶん意味が違う。

プロの公式戦の場合、持将棋になると30分後に再試合になるというルールがある。疲労の限りでもう一丁ということでかわいそうでならない。サッカーでもPK戦というのがあるのだから将棋でも「詰将棋1番勝負」というのでもいいかもしれない。両者が合意するならもっと簡単に、「振り駒」でもいい。一瞬で片付く。記録係も楽になる。


さて、7月16日出題作の解答。

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飛車が回る。

もっと回したい人のために、おまけの一作。難易度は落ちるが手数が増える。(解答は省略)

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動く将棋盤は、こちら


今週の出題。

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初型が「二」。

それだけということかもしれない。「二」というのは、あまり発表の機会のない字なので・・・

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数と酷評を記していただければ、正誤判断。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (市橋宗士)
2016-08-01 21:11:49
葉一郎様

 暑中御見舞申し上げます。
 ▲○○○まで○○手詰。
 初形「二」の字ですが、「二」の足を踏まず挑戦。
 金の捌きが、いつもながら参考になる手筋。
 三段目の「桂香」の配置が本作の要めですね。
 暑い日が続くようです、どうぞ御自愛ください。
                           
                           市橋
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Unknown (おおた葉一郎)
2016-08-01 21:15:40
市橋様、
こんにちは、事情により、しばらく自宅に閉じこもっていますので、自主的ご自愛中です。
本当は、7五と3五に飛車と歩をおければ完全二と全駒使用になるのですが・・
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Unknown (蛇塚の坂本)
2016-08-03 13:57:18
最終手6二馬の19手詰みとなりました。
意外と手数が、長いのに驚く。
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Unknown (おおた葉一郎)
2016-08-03 22:56:46
坂本様、
正解です。
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