
とはいえ、JT日本シリーズでは決勝進出。思えば、昨季不調だったため日本シリーズ参加資格がなかったのだが、急遽、渡辺竜王の奥方が新型インフルエンザにかかったための代理出演。しかも、22日の決勝で優勝を飾ったのだ。
代打要員が、指名打者に昇進して、さらにレギュラーの四番を打つようなものだ。優勝賞金500万円のうち100万円は、竜王の奥方へ回すべきなのかもしれない。「そのうち、またよろしく」って。
そして、A級順位戦では全9戦中、5試合終わって4勝1敗。これは、26年前、初めて名人位についた時の順位戦と同じ展開だそうだ。その時は結局7勝2敗となりプレーオフで名人戦初登場。
調べると、谷川九段はつごう11回名人戦に登場している。5回勝って、6回負け。
一方、現羽生名人は9回名人戦出場して、5回勝って、4回の負け。
二人とも、実力よりも名人戦が得意じゃないのではないだろうか。
さらに、このライバルの二人が名人戦で戦ったのは、1回しかない。1997年。この時は4-2で谷川勝ち。
かなり気が早いが、中平邦彦氏の『飛翔!』を読む。この1回しかない名人争奪戦のことを中心に、谷川九段の内面に切り込んだ書である。本人の取材もしたのだろうが、読んでいて、谷川九段はかなり敗戦をひきずるタイプであると書かれている。
さらに、最終盤で飛び出す「羽生マジック」を警戒するあまり、持ち時間を残したまま悪手を指すことが多いそうだ。
年齢的に行っても、あと何度も両雄の戦いがあるとも思えないし、見ていて「死闘的」になるのが、熱い。
ところで、谷川九段の好調と関連があるのか、最近、彼の「詰将棋パラダイス誌」への登場がめっきり減った。詰将棋引退ということなのだろうか。確かに、指将棋で羽生名人に勝つよりも、詰将棋で宮田五段に勝つ方が難しそうだ。
たぶん、最近の羽生さんが、「大山康晴的に勝敗にこだわるようになった」というのが、谷川さんのモデルチェンジの原因なのではないだろうか。美学よりも実利ということかもしれない。
もっとも、ほとんどの棋士は、最初から「美学よりも実利」を実行しているのだから、いまさら両巨頭が「大山派」に転向してしまうと、立つ瀬がないということになるかもしれない。(美学の王様、真部流が消滅したことと関係があるのかもしれない)
さて、11月14日出題作の解答。

▲4四銀 △同玉 ▲4五銀 △5五玉 ▲5六飛 △同と ▲6四馬まで7手詰。
初手と5手目が捨て駒。最後はちょっと串刺し風。
玉型に好手がないのが、残念なところ。
動く将棋盤は、こちら。
今週の問題も、短め。

ただし、駒が余ってしまったら、受け方の失敗。
短手数は、余詰めとか変同手筋とかあって、ちょっと心配。
わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評をいただければ正誤判断。
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