ウ井スキー工場

2016-06-20 00:00:00 | たび
ニッカウ井スキー北海道工場は通称「ニッカ余市」と言われるのだが、小樽から長万部行きのワンマンディーゼル線で森の中の鉄路をしばらく乗ると到着。駅前から5分ほどで、とても工場には見えない石造りの建物が並ぶ。

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NHKの朝ドラで有名になり過ぎた場所だが、町全体がすでに観光化が始まっているように思える。以前、サントリーの山崎工場へ行ったことがあるが、そこは大工場であったのだが、余市は手作り感のある小工場だ。これが企業格差といえばそれまでだが、この手作り感はまったく意外だ。レベル的にいえば丸亀の醤油工場みたいだ(醤油工場には申し訳ないが)。

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このままホテルにしてしまえばいいのではないかと思う石造りの建物に赤い三角屋根。敷地内に僅かに漂うウイスキーの香り。各生産工程別に建物が分かれていて、現代的な工場設計的には建物間の移動の手間が問題なのだろうが、冬が寒いということを考えれば建物内の空間をむやみに大きくするわけにはいかなかったのだろう。

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そして石炭をつかった蒸留を行っているようだ。中華料理では石炭の火力を使うのが本物とされているが、ウイスキーもそうなのだろうか。本場スコットランドでは元来ピートを使っていて、資源として枯渇させてしまったようだが石炭は、まだまだある(はず)。

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ある倉庫には「原酒」と書かれていて、厳重に戸締りがなされている。サントリー山崎では無造作に原酒の樽詰めが公開されていたが、企業思想の違いだろうか。案外、ここの内部には防犯上の理由でダミーが並び、本物は別の場所にあるのかもしれないと微かに感じた。

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ミュージアムが二つ並び、一つはウイスキーの博物館で、もう一つがニッカの博物館。樽での貯蔵期間が0年、5年、15年とその色相変化が観察できる。

酒を造る技術だけでなく樽を作る技術も重要ということで、詳しく解説されていた。もし私がニッカに就職していたら、きっと樽作り数十年ということになっただろうか。木工だけは得意としていた。

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そして、試飲。ミュージアムで「水割りには氷を入れない方がいい」と書かれていたので、氷を一個にする。窓の外はどうみても北海道だが、雪は降ってこない。6月だ。