脱あしたのジョー

MTオリーブフィットネスボクシングクラブのブログ

リラックス 

2018-04-16 | Weblog

トレーニングで音楽をかけるのはもう常識のようなものだ。そのことによってリズム感を養う、そのためには音楽をかけてトレーニングするのはかかせないことだ、しかしハワイではリラックスもかねていた。時々リズムにあわせてクラブのように踊るように動いたり、歌いながらやっているやつもいたが、日本人の動きはかたい。行動と脳は直結しているので、日本語しか話せないという柔軟性のなさが、動きに出ているのだろう、さらに試合前にすごく緊張して顔をたたいたりしているやつがいるが、切腹するわけでもあるまいし、ただのボクシングの試合、そこまで自分をおいこんでどうするのか。こういうやつに限って十分力が出しきれなかったと反省会でいうが、それは十分に力を出しきれなかったのではなく、力を入れすぎだ。試合前は好きな音楽を聴いて踊るようにシャドウする。そうしたら体が自ずとリラックスしてくるものだ。日本人は自分から見てリラックスするのが非常にへたな民族であると思う。シャドウボクシングが理想のボクシングのスタイルだとしたら、スパーリングや試合でその理想的なスタイルがどれだけかたちとしてあらわれているだろうか?しかしたいていは、ガチで真剣で打ち合うので、スパーリングになると力んでしまい、結果以上のことが出せないのではないだろうか?

それに対して自分の経験では、米国では思い切り打ち合うことはなかった。そもそもこんなことぐらいでケガをしてしまっては意味がないので、それをさけるために力を抜いて打ち合うのだが、実際そういう練習のほうがシャドウで練習してきた型が生きるので、練習の効率としてはよかったと思う。米国ではケガなんてほとんどなかったのだが、しかし日本では話を聞いてみると高校生でも練習でケガを結構しているようだが、こういう血気盛んな時期は口で言っていても、スポーツとなぐりあいの区別がつかないので、むしろ力をぬいてたたくことを徹底して教えるほうがいいのではないかと思っている。そのほかにも反省会や声だし、気合を入れると言ってファイトーなどと叫ぶ奴がいるが、いくらモティヴェーションがあがっているのかは知らないがこういった類のあほなことはそっこくやめるべし、こういう環境ではリラックスして練習をすることができない。パフォーマンスを上げるためにも、適度な緊張とともにある程度脳がリラックスした状態でなければならないらしいが、緊張は自然にできる。しかしリラックスは環境を考えないとできない。

人間が集中した時の目を見たことがあるだろうか。
まず集中したときの目ってどういう目か理解できないといけないのだが、集中した時の目と言うのはヤンキーがガンをとばすときのような怖い顔ではない、一昔前のボクシング会場にはそういう奴がたくさんいたが、しかし集中したときの目と言うのはどちらかというと遠くを見ているような目で、例えると鉄棒をつかもうとするような、なんとなく遠くのものを見ながらそこに焦点が定まっているような目である。正直私が最後の試合で歯が立たなかった30歳の男である。
昔友人とK1のトーナメントを見ていた時に、そういう目をしていた選手がいた。私は格闘技はあまり詳しくないので名前は忘れたが、有名な選手で、私がその選手を見たときに彼はかなり集中してるから勝つんじゃないのかと言ったら、みごと優勝して、友人は驚いていたのだが、彼も遠くを見るような一見ぼーっとしていたような目でリングに上がってきたと思うが、おそらくそういう状態に持って行けたのは彼がかなりリラックスできていたからだと思う。
リラックスと言うのはスポーツのおいて非常に大切なことだ、そしてそのリラックスして練習できる環境づくりが大事なことだと思う。

ホイジンガの遊びの哲学的に言うと、仕事でもなんでも遊びの感覚が入ると効率が上がる、遊びと言うのはふざけるという意味ではなく、リラックスした楽しくそれができる環境をつくるということで、子供の遊びと言うのもそうであり、楽しいから時間を忘れてそれに没頭できるのである。アインシュタインだったか忘れたが、彼が天才についてこう言っている。
「天才とはチョウをおっていていつの間にか頂上にのぼってしまった少年」
天才と言うのは保守的で封建的なところでは育たない。天才と言うのは遊びでそれをやっているのだから、その遊ばせる環境と言うものをつくらなければ、生まれてこないし育たない。うちの福ちゃんはいつも入ってくるときこんいちはと子供がカブトムシを取りに来るような顔で来る。楽しいのだろうか、でもひとこと言えることは40をこえたおっさんがあれだけ上手になっているのはやはりトレーニングを楽しくできるからだと思う。



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