ボクシングは暴力を扱うスポーツだ、男性中心になると力社会になって不平等が生じることは歴史的に力の原理を考えたら理解できることである。
うちのクラブは暴力や不平等ががおこらないようなシステムにしている。
暴力と言うのはもちろん人をたたいたりして傷つけることだが、さらにここではマスボクシングでカーッと来て敵意むき出しでなぐりかかっていったり、生意気だからとスパーリングで制裁する、武勇伝ややんちゃ話を自慢げにベラベラと話すことも暴力のひとつだし、裸でトレーニングするのも一種のモラハラである。そして不平等とは試合に出るものだけを優先的におしえたり、競技者や取り巻きたちがリングを牛耳って大きい顔をして我が物顔でふるまう、そういうことがないようにそうならないためのシステムをつくるのが私の仕事である。
しかしシステムと言っても体育会系のようなアホなヒエラルキーをつくってそこでやくざごっこをすることではない、自ずとそうなっていくようにしむけるということである。
私が一番気をつけていること、それは言葉だ。日本語をまともに話し、人のレベルに合わせて話す、口汚くののしったり、暴力的な言葉はつかわない、さらにどう考えても漫画の影響だろと言うような薄っぺらくて刺激的な言葉をつかわない、そうこころがけることでここに集まってくる人たちの質は大きく違ってくる。教養のレベルがひくくて、日本語もまともに話せないとそこに集まってくる人間のレベルはそれと同じかそれ以下である、責任者の言葉遣いがわるかったり、教養のレベルがひくいとDQNややんちゃですが集まってきやすくなるのだろうが、そういう人間が集まってスポーツをしたら、一通りの秩序はあるのだろうが、しかし基本的には誰が一番偉いかの世界になる。威嚇していかに自分が優位に立つか、そして見栄の張り合い、そんな人間が集まったら必ずサル山のような世界ができて、群れが暴力的になったり、不平等になったりする。We can communicate in English、そしてなるべく正しい日本語を使うように努めるのが私のひとつのモットーでもある。
会員の人たちの中には家族の協力あるからこそ趣味でボクシングを続けることができると言う人がいるが、私はそういう人たちがここにきてよかったと思えるぐらいの環境を整えたいと思ってる。そのためには暴力や不平等がおこらないシステムをつくる、そのためには言葉が大事だ、差し詰めうちのクラブに集まってくる人たちはおとなしい人たちが多いが、しかし社会では活躍している、そういうまじめな人たちが集まってコモンセンスを重んじる健全なボクシングクラブだと思っている。