2013年発表のももいろクローバーZ2ndアルバム、「5TH DIMENTION」より3年。ついにニューアルバムが発売されました!
それも3rdアルバム「AMARANTHUS」と4thアルバム「白金の夜明け」2枚同時発売。ももクロらしいっちゃ、らしい展開ですわ。
3rdアルバムのテーマは「生と死」あるいは「起きて見る夢」。
なるほど、「生きる」ということそれ自体が、ある種の「夢」かもしれぬ、ということか。
それにしても、「普通」のアイドルが扱うテーマではありませんね(笑)こういうことをやらせたくなる「何か」を、ももクロは内包しているのでしょう。
周りのスタッフたちが、いい年こいた大人たちが、この少女たちを通して、モノを作る人間としての冒険心を満たしたい欲求が沸き上がるというか、いい意味での「遊び心」をくすぐられるというのか。
この子たちならやってくれるという、信頼感やら期待感やら、この8年間の活動のなかで培ってきたもの、積み上げられてきたものがあるからこそのこと。
ももクロだからできること、ももクロでなければできないこと、
なんですねえ。
アイドルだけど、ただのアイドルじゃない。
やっぱスゲエや、ももクロ。
音楽的にも、常に前進し続けるももクロらしく、新境地、新機軸の連続。でもももクロらしい明るさや前向きさは変わらない。そういう意味では、実にももクロらしいアルバムであると言えます。
「生と死」なんて、一見重苦しいテーマのように思われますが、そこはももクロのこと、実に明るく、前向きに捉えています。そう、これでいいんです。
この捉え方こそ
正しい。
この世への誕生(「WE ARE BORN」)。この世で生きるということを、混ざり合う色に例え(「モノクロデッサン」)。
若さ故の正義感がもたらすケンカ沙汰(「ゴリラパンチ)」と、ケンカをしたら仲直りをしよう(「武陵桃源なかよし物語」)。
友と夢を語り(「勝手に君に」)、卒業と旅立ち(「青春賦」)。
初めての恋(「サボテンとリボン」)。
この世の決まり事や常識、しがらみなどへの反抗心(「デモンストレーション」)。
社会に出て改めて思う、両親=先祖への感謝(「仏桑花」)。
生きる苦労を知り、他者への共感と情けが芽生え(「泣いてもいいんだよ」)。
そうして、ついに臨終の時を迎え(「Guns N' Diamond」)、天国への階段を上りながら、この世のすべてに感謝し(「バイバイでさようなら」)、あの世に生まれる(「HAPPY Re:BIRTHDAY」)。
コンセプチュアルな流れに乗って、人の一生というものを描いていく。でもそこには変な宗教臭さもなければ重苦しさもない。
あくまでも明るく、前向きに、
普通の一般的な日本人ならば普通に持っているであろう、一般常識的な「死生観」を、現代的なポップ・ミュージックに乗せて表現しているわけですね。
今この時代に、いや、今この時代だからこそ、このようなテーマを選んだスタッフの感性と、それに見事に答えている5人のメンバーと。
ホント、ももクロって、
興味深くて、
面白い。
こんなアイドル、他にいないよ。
これは歴史に残るアルバムかもしれない……って、こればっかしだね(笑)。