風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

菅公夫人の墓

2019-02-28 05:48:28 | 岩手・東北

 

 

 

 

最近の学生さんの制服はブレザーが多いんですかね?私なぞは中学も高校もいずれも学生服、いわゆる「学ラン」という奴でした。

 

学生服のメーカーで特に有名だったのが、「カンコー学生服」。この「カンコー」って、どういう意味か知ってますか?

これはすなわち「菅公」つまり菅原道真公のことです。

 

 

菅原道真公は宇多天皇の信任を受け、家柄としては破格の左大臣にまで出世、嵯峨天皇の御代にも左大臣の地位にありました。

しかし時の右大臣・藤原時平の讒訴を受け、延喜元年(901)大宰府員外帥に降格、遥か鎮西の地に左遷されてしまいます。

 

一族もまた配流となりますが、このとき道真公の正妻、いわゆる「菅公夫人」のその後の消息がよくわかっていないのです。

中央の記録には残っておらず、京に残ったとする話も伝わっているようですが、どうもはっきりしない。

 

しかし我が岩手県には、この菅公夫人が娘二人と息子(五男敦茂公、菅秀才)、従者一人を引き連れて落ち延びてきたとする伝承が残っているのです。

そしてその、「菅公夫人」の墓と伝えられる石碑も、土地の人々に守られ、現在まで残されています。

 

場所は現在の岩手県一関市東山町田河津(たこうず)地区、墓と伝えられる石碑は風化が激しく、かつて書かれていたであろう文字は判読できません。田河津地区は山深き地。今でこそ大きな道路が通っていますが、平安の昔などはおよそ里人を寄せ付けぬ深き山中であったでしょう。

そのような場所に、都の高貴な夫人の墓が建てられている不思議。落ちてきた人々故なのか、いずれにしろなにやら寂しさを感じさせます。

 

もっとも現在では、墓の周辺はすっかり公園として整備されており、観光地化されて昔ほどの寂しさはなくなっているようです。道真公ゆかりの太宰府天満宮や京都の北野天満宮などから梅の木が送られ周辺に植樹されているとかで、すっかり綺麗に整備されているようです。

 

どうなんですかねえ、静かに眠らせてあげたい気もしますが……。

 

菅公夫人は「吉祥天女」に習合されて、土地の人々から篤い信仰を受けていたようです。吉祥天女は弁財天より前に、七福神に列せられていたとされる仏教の神で、いわゆる「福の神」です。

この吉祥天と菅公夫人が何故結びついたのか。はっきりとは言えませんが、道真公の家系では代々吉祥天を篤く信仰してようです。また道真公の母親は「天女」であるとする伝説があることなどから、道真公の夫人と吉祥天とが重ね合わせられたのかもしれません。

 

 

ところで、吉祥天といえば思い出すことが一つ。

 

それは、岩手県一関市舞川地区の山中に御鎮座される、舞草(もくさ)神社のことです。

 

舞草神社の御祭神は白山神です。かつてこのお山には神社に併設して寺も建てられており、十一面観音が祀られていました。

 

その由来から、神社の御鎮座される山を、「白山岳」あるいは「観音山」と呼ぶのですが、実はもう一つ呼び名があるのです。

 

それが、「吉祥山」というんです。

 

 

吉祥天もかつてはお山で祀られていたということなのでしょうか。そういえば菅公夫人の墓近くには、「山神社」が御鎮座されているとか。

田河津は山深き地。かつては山の民が暮らしていた土地であり、そこで祀られていた神は、古くはおそらく白山神であったとみていいのではないかと思われ、かつて白山神が祀られていたであろう山神社の近くに吉祥天(菅公夫人)が祀られているという不思議。

単に「神仏習合」の名残に過ぎないのか、それとも白山神と吉祥天との間には、なにやら深き関連があるのか。

 

いささか、気になる処ではあります。

 

 

 

東北はナガスネヒコの昔から流刑地であり、中央に居られなくなった人々、逃亡者が落ち延びてきた地です。菅公夫人以外にも様々な方々が落ち延びてきたことでしょう。

その中には、菅公夫人の如くに、都で栄華を極めた,尊き人々もおられたことでしょう。

 

東北とはそのような人々の「無念」が眠る地でもあるのです。

 

 

 

菅公夫人の墓。私は訪れたことはありませんが、いつかは訪れてみたい。都で栄華を極めたものの、その晩年を奥州の草深き地で寂しく過ごした、栄枯盛衰、流転の人生に想いを馳せてみたい。

 

そんなことを思う、今日この頃。


速報!有安杏果CМ出演!!!

2019-02-26 17:09:18 | 有安杏果

 

 

 

 

サントリー天然水スパークリングレモンCМ

 

 

 

「自分道」を歩む人々を集めたというところかな。その中の一人に杏果を選んでくれて

ありがとうございます。

 

 

これに関しても色々言う奴らは言うんだろう。勝手にすればいいです。

「自分道」を歩む者は、どうしたって他人からの怒り、怨み、嫉み、嫉みを買うものです。それでも自分道を歩み続けられるかどうかは、ブレない芯を持ち続けられる「強さ」があるかどうかにかかってる。

杏果にはその強さがある。だから絶対にブレない。

 

我ら「アプリコッター」もまた同じ。杏果を応援し続けるという芯は絶対にブレることはない。

 

それにしても世の中っててのは上手くできてるもんだ。批判する奴らがいる一方で、こうやってCМに起用してくれる人たちもいる。

「捨てる神あれば拾う神あり」って、この言い回しでいいのかね?(笑)

 

大丈夫、杏果は間違ってなんかいない。そのまま行けばいい。

 

行けや!杏果。己の道を。

 

 

ソロになって初のCМ出演、バンザーイ!


のん、舞台へ

2019-02-26 04:59:27 | のん

 

 

 

 

 

 

 

劇作家、演出家、女優の渡辺えり主宰で、昨年結成40周年を迎えたオフィス3〇〇(さんじゅうまる)の舞台に、のんが出演します。

 

前々から舞台劇にでることが夢だったというのんの希望が、ようやく叶ったというわけです。

 

出演は渡辺えり、小日向文世、そしてのんの3人のみ。この3人で時空も性も物理も超えて30役を演じるのだとか。難しいけど役者としてはやりがいのある、面白い芝居になるでしょうね。

 

渡辺えりとのんは、朝ドラ『あまちゃん』で共演した旧知の仲。当時からのんの才能と実力を高く評価しており、いつか自分の舞台で共演したいと思っていたようです。それがここへきてようやく実現したわけですね。

舞台劇は観客の息吹を直に感じることができ、のんにとっては良い勉強になるでしょう。良いです。

 

それにしても、3人で30役、一人平均10役ですか。これはのんのキャリアの中でも重要なポイントとなることは間違いなし!いいですねえ。

 

 

干されているの干されてないの、そんなことはどうでもいい。こうやってのんは、一歩ずつ確実に前へ進んでる。

 

それでいいのだ。


ドラマ『約束のステージ ~時を駆けるふたりの歌~』 平成31年(2019)

2019-02-25 04:26:52 | ももクロ

 

 

 

 

 

 

 

※ネタバレあり、注意。

 

 

 

ここ数年ずっと、安易なタイムスリップものが横行しておりまして、正直「またかよ」と思いました。

まあですから、夏菜子が出ていなければ、興味はわかなかったでしょうね。「またタイムスリップものか」、で終わっていたでしょう。

 

でも監督が、あの『64(ロクヨン)』を撮った佐々部清ということで、ちょっと期待を持ったりもしたのですが、

 

さて。

 

 

 

青森県の小さな港町で定食屋を営む小澤雪子(石野真子)の一人娘、小澤翼(土屋太鳳)は、歌手になる夢を抱きながらも、なかなか夢に向かって踏み出せない。母親は夢があるなら努力すべきと諭しますが、これが元で喧嘩となってしまい、家を飛び出した翼は電車に飛び乗りますが、その電車が突如急停車し、翼は前の座席に飛ばされ、一瞬気絶します。

気が付くとそこは、1975年の東京でした。

 

大空つばさ(百田夏菜子)を名乗る少女と出会い、二人の「つばさ」はプロの歌手を目指し、オーディション番組「全日本歌謡選手権」に出場します。

 

 

 

 

 

 

観ていて思ったのは、70年代のシーンがなんだかイマイチ、リアリティ感じられない、ということでした。

いや、太鳳と夏菜子の「つばさ」コンビは良い芝居をしているんですよ。でもそれ以外の役者さんたちにつけている演技が、もう一つリアリティに欠けるというか、嘘臭いというか。

 

向井理にしても石黒賢にしても、もっと上手い役者さんのはずなのに、なんでこんな下手に見えるような演出をするんだろう?これ本当に「64(ロクヨン)」を撮った監督?もうね、「???」マークばっかりが、頭の中に列をなしていました。

 

そんな中、土屋太鳳と百田夏菜子の演技だけは凄く良いんです。

 

全日本歌謡選手権では5週まで勝ち抜いたものの6週目で落選、夏菜子つばさは、自身の父親が倒れたという知らせを受け故郷に帰る決心をしますが、父親のことは太鳳つばさに告げないまま、ただ諦めたから帰ると云い、太鳳つばさに一人で頑張るよう告げるのですが、太鳳つばさは一人じゃできないと反発します。

 

そのときの夏菜子の口調が、まるで母親が娘を優しく諭すような口調なんです。

 

それもそのはず、夏菜子演じる大空つばさは本名を田中雪子。のちに結婚して小澤雪子になる。つまり

 

太鳳つばさの母親だったのです。

 

この、夏菜子つばさが太鳳つばさの母親だったという設定は、実は途中で気が付いていましたので、私は余り驚きませんでしたね。

 

 

事実を知り、母親の夢を引き継いだつばさは、一人でもう一度、全日本歌謡選手権に出場し、見事9週目まで勝ち抜きます。そしていよいよ10週目の点数発表!

 

という瞬間

 

 

つばさは電車の中で気が付きます。

 

2019年、元の時代、元の時間に戻っていたのです。

 

 

ここです、ここで、

ドラマは急に、リアリティを取り戻すんです。

 

なるほどそうかと、思いました。

 

70年代のシーンが妙に嘘臭かったのは、これがホントにタイムスリップをしたのか、それとも気絶している一瞬につばさが見た夢だったのかを分からなくするためだったんだなと。

 

佐々部監督、「攻め」ましたねえ。

 

その夢ともうつつともつかぬ一瞬の間に、つばさは知ったんですね。夢と云うのは叶えるための努力が必要だし、でもそれは自分のためだけじゃなく、誰かのためという思いがなければダメなんだと。

誰かのためを思うが故に、夢は人に託すことも出来るし、そうして人と人とを繋いでいく。

そうして誰かのためを思ったとき、人は本当の意味で強くなれるのだと。

 

だから、母は「強い」のだと。

 

 

 

波飛沫く港を母親のもとへ駆けていくつばさ。つばさは母親に抱き着きただただ泣きじゃくり、謝り続けます。これを優しく抱きしめる母・雪子。この母親の姿が、一瞬、夏菜子つばさの姿に変わるんです。もう涙ですよ。

 

途中までは疑問符だらけのドラマでしたが、終わってみれば、佐々部監督の「攻め」の演出にすっかり翻弄されねじ伏せられ、最終的にはそれなりに満足の得られたドラマでした。

 

 

夏菜子の演技、良かったですねえ。

 

 

 

娘を諭す母親の表情。「女優」百田夏菜子これにあり。

 

 

 

 

 

あっそうそう、70年代のシーンでツボにハマったのが、全日本歌謡選手権の司会者を演じていた半田健人でした。

半田健人は俳優でありミュージシャン。「仮面ライダー555(ファイズ)」の主役で有名な方ですが、特に昭和歌謡に大変造詣が深い。楽曲はもちろんのこと、作詞家や作曲家、編曲家。レコーディング機材から使用楽器、様々な裏話に至るまで実に詳しい。そういう人が昭和を代表する歌謡番組の司会者役を得られたんですから、嬉しかったでしょうね。

当時の司会者だった長澤純さんの髪型をそっくりに真似て、実に楽し気に演じていました。監督も面白がって撮っていたように思います。

 

半田さん、良かったですねえ。


Anniversary

2019-02-24 05:58:21 | 日記

 

 

 

 

本日は今上陛下御在位30周年記念式典が挙行される日でありますね。

 

今回の奉祝曲は三浦大知さんによる歌だとか。

 

奉祝曲は式典が行われる度に話題となりますね。ところで20年前、1999年の御在位10周年記念式典の際に奉祝曲を作曲、演奏したのは誰か憶えていますか。

 

そうです、X JAPANのYOSHIKIです。

 

 

 

Anniversary

 

 

普段かけているサングラスを外し、燕尾服姿で深々とお辞儀をする様子は、X JAPANのライヴでドラム・セットを破壊していた人と同一人物とは思えませんね(笑)

この曲は当初、20分以上ある大作だったそうですが、両陛下が起立されたまま御鑑賞されると聞いたYOSHIKIは、両陛下のご負担を減らすために、曲を8分弱に短縮したのだとか。

これを聞いたときに思いましたね。

YOSHIKIもやはり、「日本人」なんだなあと。

 

 

当時のYOSHIKIはHIDEの死のショックなど精神的苦痛が重なり、どん底状態でした。もう音楽など辞めてしまおうかと思っていた矢先の、この曲の依頼だったらしい。

 

これがきっかけとなって、YOSHIKIが立ち直ったことは間違いなく、潰れかけていた一人のアーティストを、図らずも陛下が立ち直らせた。

 

なんとも、有難いことです。

 

本日の記念式典。日本人として

 

静かに、お祝いしたいと思います。


Ritche Blackmore’s RAINBOW [Black sheep of the family] 1975

2019-02-23 05:31:25 | 今日のメタル

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラマ『約束のステージ』は、録画してあるけどまだ観ていないので、感想は後日になります。今日は別の記事を。

 

 

『約束のステージ』では、土屋太鳳演じる主人公が1975年にタイムスリップしちゃうんだよね?1975年といえばハードロックの世界でも大きな出来事がありました。

 

カリスマ・ギタリスト、リッチー・ブラックモアがディープ・パープルを脱退し、自身のバンド「リッチー・ブラックモアズ・レインボー」(後に「レインボー」)を結成した年なのです。

 

1974年、バンドに新加入したメンバー、デヴィッド・カヴァディールとグレン・ヒューズは、ファンク・ミュージックやソウル・ミュージックなどの黒人系音楽をバンドに持ち込もうとします。しかしリッチーは元々黒人音楽に関心がなく、徐々にバンドに対する情熱が冷めていきました。

リッチーはイギリスのバンド、クォーターマスの曲、「ブラック・シープ・オブ・ザ・ファミリー(邦題「黒い羊」)」をカヴァーしようと提案しますが他のメンバーがこれを却下。ならばと以前からお気に入りだったアメリカのバンド、エルフのメンバー(ギタリストを除く)とこれをレコーディングします。

リッチーは初め、この「黒い羊」と、エルフのヴォーカリスト、ロニー・ジェームズ・ディオと共作した曲「16世紀のグリーンスリーヴス」の2曲を、ソロ・シングルとして発表するつもりでした。しかし曲の出来の良さに気を良くしたリッチーはついにディープ・パープルを脱退。エルフのメンバー(ギタリストを除く)を引き連れて自身のバンドを結成するに至るわけです。

 

このときのメンバーは

ヴォーカル、ロニー・ジェームズ・ディオ

ベース、クレイグ・グルーバー

キーボード、ミッキー・リー・ソウル

ドラムス、ゲイリー・ドリスコール

 

しかしバンド結成より数か月で、ヴォーカルのロニー以外の全メンバーを解雇。ドラムスにコージー・パウエルを加入させ、ハード・ロック・バンドとして強力な布陣を揃えていきます。

 

レインボーといえば目まぐるしくメンバーが入れ替わることで有名で、リッチーは「首切り魔」の異名をとっていたわけですが、それはすでに、バンドの結成当初から始まっていたわけです。

 

曲のタイトル「黒い羊」とは、羊は普通白い毛をしているわけですが、その中に一頭だけ黒い毛の羊がいるということで、つまりは「変わり者」とか「鼻つまみ者」「嫌われ者」といった意味を持っています。

ちょうど脱退直前のリッチーの、ディープ・パープルにおける立場を言い表していたのかもしれませんねえ。


2月22日

2019-02-22 05:39:55 | 岩手・東北

 

 

 

 

本日2月22日は「猫の日」。

 

2(ニャン)2(ニャン)2(ニャン)という語呂合わせですね。

 

同じ語呂合わせということでは、「忍者の日」でもあるそうです。こちらは2(ニン)2(ニン)2(ニン)ということですな。

 

 

政治絡みで云えば、今日は「竹島の日」。島根県にt竹島が編入された日です。

益々きな臭さが増してますなあ。

 

 

歴史に目を向けますと、本日は聖徳太子が薨去された日だそうな。これは「上宮聖徳法王帝説」の記述によるもので、日本書紀などでは日付が異なっているそうな。

 

 

同じく歴史上の出来事では、天平21年(749)、陸奥国小田郡(宮城県遠田郡涌谷町)より本邦初の金が産出され、陸奥守・百済王敬福(くだらのこにきしきょうふく)によって朝廷に900両(約13㎏)の金が献上された日が、本日2月22日だそうです。

もっともよく調べてみると、ご当地涌谷町のホームページには「2月21日」とあり、ウイキペディアでは正月4日とあってどうもはっきりしない。

 

まあとりあえず、今日あたりじゃないかな、ということにしておきましょう(笑)

 

 

当時の陸奥守・百済王敬福は百済の王族の子孫。彼が率いる百済系氏族の中に、おそらくは最新の鉱山技術を持つ者たちがいたのでしょう。その者たちに金を探させるために抜擢されたのではないでしょうか。

奥州に豊富な貴金属類が眠っていることは、かなり以前から知られていたようです。奥州はナガスネヒコ一族が流された地。ナガスネヒコに縁のある物部氏系の鉱山技術集団が早くから奥州には入り込んでおり、多くの貴金属類を産出していたと思われます。

従って金が出ることも、おそらくはわかっていたのではないでしょうか。

 

天平年間といえば、時の聖武天皇が、度重なる災厄を仏法で防ごうと、大仏建立を手掛けていた時期。しかし大仏に鍍金する金が足りない。

そんな時に奥州から金が出たとの知らせ。これは仏のご加護であるとして国中が盛り上がる。

 

どうもね、そんなところを狙った「演出」ではないか。なんてことを、思ったりします。

 

 

 

東北の山野には金や鉄などの貴重な金属類が多量に眠っておりました。金は仏像に鍍金するのに必要だし、大陸あたりでは貨幣代わりにも使える。遣唐使などは奥州産の砂金を大量に持って行って、貨幣代わりに使っていたといいます。

奥州は金属類の宝庫であり、良質な馬の産地でもありました。また北方との交易の拠点でもあり、こうした奥州の権益を手にすることによって勢力拡大を目論む者たちによる争乱も多発するようになっていく。

 

古代東北の激動の歴史を考えるとき、そのきっかけをつくったのが、他ならぬこの、産金「演出」であった。

 

 

私は思う、もしも東北に金がなかったら、古代東北の歴史は、もっと平和なものだったろうか、と。

 

 

 

万葉歌人として知られる大伴家持は、奥州での産金を祝う歌を詠んでいます。

【すめろきの 御代栄んと 東なる みちのく山に 金(くがね)花咲く】

 

中央にとってはめでたいことだったかもしれませんが、東北にとっては、はたして……。


のんのお仕事

2019-02-21 06:05:29 | のん

 

 

 

 

環境省主催による地球温暖化防止キャンペーンの一環のようです。イメージキャラクターですね。

 

 

 

横浜元町商店街チャーミング・セールのキャンペーン・ガールということで。

 

 

 

忌野清志郎さんを偲ぶロック・フェス。のんはあーちすと(ひらがな表記にこだわる)として出演予定。

 

 

 

 

ラクスルCМ

 

 

 

もう一つラクスルCМ

『あまちゃん』で親子を演じた尾美としのりさんとの共演。

 

 

 

あなたを忘れない ~岩手から世界へ~

東京都制作による、東日本大震災の復興支援への感謝と、明日への希望を込めて。

 

 

 

宮城から世界へ

 

 

 

福島から世界へ

 

 

 

 

 

これ以外にも細かく仕事をこなしており、結構忙しいご様子。大々的に喧伝されていないので余り知られていないだけで、ちゃんと仕事をしているし、ひっきりなしに仕事のある状態は続いているといっていい。公共機関の仕事が比較的多いということは、少なくとも悪いイメージは持たれていないという証拠だろう。

 

まあ、本人としては色々思うところはあるかもしれませんが、少なくとも「干されている」などと云うのは非常に一方的な見方だという事だけは云えるでしょうね。

 

 

頑張っていれば、いずれは大きな仕事もくるさ。

 

負けるな、のん!


鬼平犯科帳 第1シリーズ 第11話 『狐火』

2019-02-20 05:01:50 | 時代劇

 

 

 

脚本 星川清司

監督 小野田嘉幹

 

 

 

火付盗賊改方長官、長谷川平蔵が、「銕三郎」を名乗っていた若い頃のこと。

 

妾腹の子であったこともあり、継母とそりが合わず随分と苛め抜かれた。これに反発した銕三郎は家を飛び出し、本所あたりの悪所に入り浸るようになります。

放蕩無頼の荒んだ生活を続け、やがて「本所の銕」と、その悪名を轟かせることになるのです。

 

その「本所の銕」時代によくつるんでいたのが、後に平蔵の密偵となる相模の彦十(江戸屋猫八)です。

その頃の平蔵は盗賊、鶴(たずがね)の忠助や、やはり盗賊の先代・狐火などとも親しく付き合っていました。その鶴の忠助の一人娘が、やはり後に平蔵の密偵となるおまさ(梶芽衣子)です。

 

 

長じたおまさは女賊となり、何人かのお頭の下で働きましたが、先代・狐火の下にあったとき、狐火の長男である勇五郎(速水亮)と恋仲になってしまいます。

仲間内の色事はご法度、これが狐火の掟、勇五郎は年老いた父親の教えに逆らえず、おまさを無理矢理仲間から追い出し、去って行ったのです。

 

あれから凡そ十年……。

 

 

 

 

 

市中探索に回っていたおまさは新宿(にいじゅく。当時は「しんじゅく」ではなく「にいじゅく」と呼んだ)の舟渡し場の茶店の主人が、狐火の配下である瀬戸川の源七(垂水悟郎)であることに気が付きます。これを聞いた彦十は「二代目狐火の盗人宿かもしれねえ」と推察します。

先代・狐火が亡くなったあと、跡目を継いだのは長男の勇五郎と風のうわさで聞いていたおまさ。狐火の盗み働きは「殺さず、犯さず、貧しき者からは盗らず」の盗賊三ヶ条を守り抜いたもので、二代目を継いだと噂される勇五郎は、先代の教えをよく守っていました。

 

しかし、江戸市中で残虐な強盗事件が発生します。商家に押し入った賊が店の者たちを皆殺しにし、しかもその場に

「狐火」と書かれた千社札を残していったのです。

 

あまりに残虐な犯行に怒りに震える平蔵。おまさは思わず叫びます。

「違う!これは狐火の仕業じゃない!」

 

いかに昔の縁があるとはいえ、このような外道を見逃すわけにはいかぬ。平蔵と勇五郎の板挟みとなったおまさは、平蔵にも知らせることなくしばらく一人で探索することを決意します。これを心配げに見守る彦十。

 

 

瀬戸川の源七の元へ探りを入れるおまさでしたが、源七はすでに足を洗い堅気になっていました。

勇五郎との糸が切れたかに思えたその時、

 

勇五郎が、源七のところに訪ねてきたのです。

 

かつて惚れ合った二人の、十年ぶりの再会でした。

 

「おまさ、おめえはちっとも変わらねえなあ」という勇五郎に

「いいえ、変わってしまいました、何もかも」と返すおまさ。

 

私は今、火付盗賊改方長谷川平蔵様の密偵、あなたを捕まえる立場。云うに言われぬおまさの苦衷が伝わってくる名シーンです。

 

 

勇五郎は自分の偽物が勇五郎の名を騙って外道働きをしていると云い、それは腹違いの弟、文吉(伊藤高)であることを告げ、これを探し出して諭し、いう事を聴かぬ時は殺すつもりだと打ち明けます。

 

おまさは源七とともに、文吉の隠れ家を探し、ついに文吉を見つけ出します。

 

文吉のもとへ単身乗り込む勇五郎。いまさら言う事を聞くはずもない文吉やその配下と激しい斬り合いとなります。

 

と、そこへ現れる平蔵。

 

「そこまでだ、みな神妙にしてお縄にかかれ」

「貴様だれだ!」

「火付盗賊改方長谷川平蔵!」

 

実は、おまさを心配した彦十が事の詳細を平蔵に打ち明け、平蔵は彦十や木村忠吾(尾美としのり)らとともに、おまさの動向を見張っていたのです。

 

次々と斬り倒される賊ども。勇五郎はその間に見事文吉を討ち果たします。

 

勇五郎に先代・狐火と縁があったことを告げる平蔵。

「昔のよしみで許してやる。京へ帰って堅気になって暮らせ。その代わり二度と盗みは働かぬという証文を置いて行け」

 

言うやいなや剣を抜き、勇五郎の右腕の筋を切り裂く平蔵。これで二度と盗みは出来ない。これが平蔵のいう証文でした。

 

「おまさ、勇五郎とともに暮らすならそれもよし、許して遣わす。その代わり、二度と俺の前に顔をだすなよ」

 

それはおまさへの、せめてもの餞でした。今まで命がけで働いてくれたおまさに対する、平蔵なりの思いやり。

好いた男と、幸せに暮らせよ。

 

去っていく平蔵。おまさは涙を流し、声にならぬ声で「ありがとうございます」という他ありませんでした。

 

 

それから1ケ月余り後ー。

 

 

平蔵が新宿の例の茶店を訪れると、そこに一人佇むおまさを見かけます。

 

聞けば勇五郎は、旅先の宿で流行り病のため、あっけなく身罷ったとのこと。

 

「おまさ、おめえもよっぽど、男運のない女だなあ」

 

おまさは平蔵に、もう一度平蔵の下で、密偵として働かせてくれと乞います。これに平蔵。

 

「へん!俺の事を捨てていったくせによお」

 

いたずらっぽくも、さも嬉し気に語る平蔵に、おまさは静かに微笑みます。

 

ー了ー

 


 

梶芽衣子さんが良いですね。いままで複数の女優さんがおまさを演じてきましたが、梶さんを越える方はおられませんね。

一見物静かで控えめな女性といった感じですが、その内側には熱く、鋭いものを秘めている。こうした感じがだせるのは、やはり「野良猫ロック」シリーズや「女囚さそり」シリーズ、「修羅雪姫」シリーズなどで一世を風靡した梶さんならではでしょう。

 

梶芽衣子さんの他におまさはいません。断言しちゃいます(笑)