初めてみた字幕映画って、なんだったろうか?
『タワーリング・インフェルノ』だったか?それとも『カサンドラクロス』だったか?
あるいは、『ジョーズ』だったかもしれない。
そんな遠い昔の記憶ですが、この映画『ジョーズ』で、鮮明に記憶に残っているシーンがあるんです。
クライマックス、ロバート・ショウ演じる「サメ狩り名人」は巨大ザメに食われてしまい、リチャード・ドレイファス演じる海洋学者はアクアラングを装着していたため海底に逃れます。そして今にも沈みそうな船上に一人残された、ロイ・シャイダー演じるブロディ署長は、巨大ザメの口の中に酸素ボンベを突っ込むと、唯一海上に浮かんでいる、船のマストの頂上に上ります。
一旦引いたサメが、再びブロディに向かってくる。ブロディはライフルを構え、サメの口の中の酸素ボンベを狙ってライフルを撃ちます。
2発、3発、なかなか弾は当たらない。徐々に迫りくる巨大ザメ。
ひたすら撃ち続けるブロディ。ブロディの口から言葉が漏れる。
「笑え畜生!」
この言葉とともに発射された弾丸が見事命中。ボンベが大爆発を起こし、巨大ザメは海の藻屑と消えていく。
この「笑え畜生」というセリフは、吹替ではありません、字幕です。
最近は字幕版がすっかり脇に追いやられてしまった感があって、なんだか寂しいですね。吹き替え版などは私に言わせれば「邪道」です。外国映画は字幕で観るべき!
やはりね、制作された国の言語で、演じる俳優さんの生の声でないと伝わらない、なんというか、ニュアンスというか、「味わい」とでもいいますか、本来こちらに伝わってて来たであろう事どもが、吹替によって「殺されて」しまう、ということが往々にしてあるのですよ。
私はその映画が持っている、なんというか「空気」というか、とにかくできる限り「すべて」を感じ取りたい性質なので、それが吹替によって「邪魔」されるのが不愉快なんです。
だからね~、最近の字幕版の現状には歯がゆい思いがしますね。最近では吹替版が主で、地方の映画館だと場合によっては吹替版しか公開しないなんてこともある。
ったく、ふざけんじゃね~よ!
吹替で尚且つ3Dとかって、いらんいらん!映画は2Dで字幕で十分。余計なもんはいらん!
そんなもん、観た気になれんわい!ぶつぶつぶつ……。
3Dは煩わしいし、吹替は気分悪いし、最近の公開システムは私のような「年寄」にはどうにもつまらんですなあ……。
「笑え畜生!」というセリフは、字幕という文化が生んだ、字幕ならではのセリフです。最初から吹替だったら、こんなセリフは生まれなかった。
実際、のちにロードショー番組で放送された際には、「これでもくらえ!」とかいう、当たり前のセリフになっていましたからね。
パッと目に入ったときに、いかにインパクトのあるセリフを字幕として出すか。字幕は「読むもの」というより「見るもの」ですから、短い言葉でいかに印象付けるかが勝負。
だからこそ、「笑え畜生!」というセリフは、字幕という文化が生んだ、字幕ならではの「名セリフ」足り得たのです。
私の言ってること、わかるかな~(笑)
字幕を読むのがめんどくさいとかいうのは、私に言わせれば単純な言語能力、読解力の劣化ではないかと思われ、今、日本人全体の言語能力が著しく低下していることの一つの表れとしての、字幕文化の衰退だとするならば、
なんとも心配で
なんとも情けないとしか、言いようがありません。
余計なお世話かもしれませんが……。
映画『スター・ウォーズ・ストーリー ローグ・ワン』が本日より公開されます。
ダース・ベイダーも登場するらしいですね、しかもその声を担当しているのは、第一作目(エピソード4)以来変わらずの大ベテラン俳優ジェームズ・アール・ジョーンズ。
これは何としてでも、ジェームズご本人が発するダース・ベイダーの声を聴かないわけにはいきません。この気持ち、SWファンならば当然のはず、もしも「吹替でもいいじゃん」とか言ってる「自称」ファンがいたならば
そこへ直れ!天誅を加えたるわ!
3Dもいらん!吹替もいらん!2Dで字幕で結構。
でもそれだと、大体その日一回だけ、午後の遅い時間にしか公開されないんだよね。それがまた腹立つわ~!
結局、円盤化を待つしかないのか……。
いや、それではつまらん!やはりスター・ウォーズは、劇場で観なけりゃつまらん!
なんとか時間を合わせて見に行けるよう努力しなきゃ、ダース・ベイダーに申し訳ない。
待っててねジェームズ・アール・ジョーンズ。あなたの声を
聴きに行くからね。
名優ジェームズ・アール・ジョーンズ
「Smile for me baby!」?(^▽^笑)
時代の流れか、私の子供たちは悲しいかな吹き替え派。゚(゚´Д`゚)゚。
確かに子供たち、読解力落ちてますね〜。そやからって、映画まで吹き替えばっかりてしまうのはなんか違いますよね〜〜^^; お兄さまと価値観一緒でいがったなぁ。ジェームズ.アール.ジョーンズさん、素敵な方ですね!!
「笑え畜生」はね、原語を知らない方が風情があるような気がします(笑)
それより気になったのは、船長が語るインディアナポリス号の経験談でした。
それは広島に原爆を運んだインディアナポリス号が、帰路で日本の軍艦の魚雷にやられて沈没し、何百もの人々が海に投げ出され、鮫に襲われて死んでいったという実際のエピソードです。
この場面で、私は「ジョーズ」がゴールデンタイムに放映されなくなったのがなんとなく分かったというか…。
というのも、確か90年代に地上波で放映されたのを観た時、「うっ!」となったのを思いだしたからです。
その時は「日本人としての後ろめたさ」からの「うっ!」だったのですが、今日の「うっ!」は、また振り子が反対に揺れた「うっ!」だったのです。
しかも昔観た時は、三人の乗組員の中で一人鮫に襲われて死んでしまった船長に、理不尽な運命を感じたのですが、今回はいささか因果のようなものを感じてしまいました…。
なんとなく、「どっちも違うのでは…?」と我ながら思ってしまいました。
今は日本と戦争をしたのはアメリカの田舎から徴兵された若者ではなく、戦争でお金儲けや狂信的な妄執を果たしたい少数の人々だということを知っているし…。
さらにはそういう人々が存在できるのも人々の心にそういう要素があるからだも思うし…。
ジョーズのポスターを見た時に、「この映画観たい!」と、妙にゾクゾクするような心が人々の中からいつかなくなった時、現実のそういうものもなくなっていくのかもしれません。
でも難しいですよね~。(-_-)
http://item.rakuten.cp.jp/posterbin/pp33678/
すみませんが検索で(笑)
アナと雪の女王 に関しては吹き替え版の方が良かったです^0^
あの音楽といい、サメがなかなか出てこないところといい、昭和29年の第1作ゴジラとの共通点を凄く感じるんです。案外影響受けてるかもね。
ジョーズって、意味のないような会話を延々と続けているシーンがあったり、ブロディ署長と子供がジェスチャーゲームで遊んでいるシーンをポンと入れて見たり、当時27歳くらいだったスピルバーグの、ドラマを薄くしないように努力している姿が見えてきて、ちょっと微笑ましかったりしますね(笑)。
その原爆云々の話にしても、どこまで意味を持たせているのかいないのか、わからないようなところがあって、それこそ観客に解釈を任せているんじゃないかとも思えるんだよね。そこがスピルバーグの上手さなのかな、とも思う。
劇場版映画としては、これがスピルバーグの第1作目ですからね、やはり凄い監督だなと思う。今とは比べ物にならないくらいの安い製作費で撮ってるんだけど、そんなことほとんど感じさせない。
天性の才があるよねえ。