ともだちひきとりや/内田麟太郎・作 隆矢なな・絵/偕成社/2002年初版
いつもケンカばっかりしているイノシシとイタチ。
それを見ていたキツネとオオカミが、いいことを思いつきます。
「ひきとりや」の旗竿をもって、イノシシのところへ。
いらないともだちをイノシシの大好物のほしざかなと交換しますと持ちかけると、イタチをひきとってくれと話がまとまります。
キツネとオオカミは、イノシシの前で、イタチを交えて、これみよがしに草スキーをやったり、野球をやったり。
ケンカ相手のイタチがいなくなって一人ぼっちになり、楽しそうに遊んでいるのをみて、イノシシはさびしくなります。
ケンカの原因は、親分子分の関係を主張するイノシシと、ともだち関係を主張するイタチ。
イノシシは、イタチが「さま」をつけないでよぶのも気に入らないのでした。
でもいなくなると、なにか物足りなくなります。
ともだちは、いなくなってはじめてよさがわかるもの。
キツネとオオカミの洞察力の鋭さ、ただものではありません。
キツネのもんぺ、イノシシの眼鏡がユニーク。
「ひきとりやの ふりをして、なかなおりの とりもちやとは。かしこい、かしこい」と、すべてをみていたミミズクのじいさんも忘れられません。