どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ふしぎな力をもった七人の鉱夫・・チリ

2024年04月09日 | 昔話(南アメリカ)

     新装世界の民話Ⅱ/アメリカ大陸Ⅰ/小沢敏夫他・編翻訳/ぎょうせい/1977年初版

 

 「ふしぎな力をもつ」といえば、それこそ”とんでもないやつら”。教訓めいたものがなく、冒険を楽しむ話。

 むかしひとりの王さまが、城の外にオレンジを三つのせたテーブルを置き、姫の額にオレンジをぶっつけることができたものに、めあわせようという看板を掲げた。城の外からだから中にいるお姫さまにぶっつけることは不可能と考えたのだろうが、お姫さまにとってはいい迷惑。ひとりの巨人が馬に乗ってきて、オレンジをすぐさまお姫さまの額にあてたので、お姫さまは巨人と、巨人の住む島へ。巨人の留守番をしていたのは蛇。

 ある日、一羽の鳩がやってきて、「あなたを救い出せるのはふしぎな力をもった七人の鉱夫けだといいます。お姫さまは、すぐに手紙を鳩に託し、鳩は手紙を城に落とします。

 王さまから、七人の鉱夫をみつけだすように命令された荷場の馬方は、二、三日旅をして七人の鉱夫を見つけ出しました(艱難辛苦というのが当たり前ですが、すぐに見つかるというのは、話の本質には関係がないということでしょうか)。兄弟は王さまの命令ですぐにでかけます。

 末っ子は、さきにおこることは全部わかる力がありました。長男が作ったのは空飛ぶ船。そして力持ちの男と腕利きのどろぼうが、見張りの蛇を盗み出しました。五分もたたないうちに目を覚ました蛇がピーと口笛を吹くと、巨人は銃をつかみ、みんなに撃ちはじめました。射撃の名手が巨人に命中させますが、それでも巨人は死にませんでした。巨人の撃ったたまが、お姫さまにあたって、お姫さまは死んでしまいました。だがすぐに組み立ての名人がお姫さまをもとどおりにし、死人をよみがえらせる男が、お姫さまを生き返らせました。   さらに、鉄砲うちは、巨人の生命力があるという、くつのかかとをねらって撃つと巨人は死んでしまいました。

 王さまはなんでも望みのものをあげようといい、長男はなにもいらないとことわりますが、結局はロバ十頭につみこんだ 金銀をもらって家に帰りました。

 

 鉱夫がでてくるのはお国柄でしょうか。死人をよみがえらせるといえばリンゴや薬などがでてきますが、この力を持つ男がいれば永遠の命をえられたのか?