どんぴんからりん

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・。それにしてもまるで森に迷い込んだ感じです。(2012.9から)

大雪です

2018年01月22日 | いろいろ
 朝は曇り空でしたが、12時ごろから降り出した雪。

 あっという間に地面に雪がつもり、木の枝が雪の重みで倒れ掛かっています。

 当地では、雪が積もるのは年2,3回ほどですが、雪への備えが十分でないので、いったん降ると大変なことに。

 除雪などというのはないので、自然に溶けるのを待つだけという気温頼み。

 4年前の雪では、あちこちの家の車庫の屋根がおちる被害も。

 利用している電車の沿線にビニールハウスが結構あるのですが、前回相当の被害をうけていました。今回は被害がないことをいのるだけ。
          (2018.1.22 16:00)

 20:30に外に出てみたら雪は小康状態。まだ安心はできませんが・・・。

 
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「御伽草子」のなかの浦島太郎

2018年01月22日 | 昔話(日本)
 「浦島太郎」は、
   亀を助ける
   竜宮にいく
   竜宮でのもてなし
   竜宮からかえったあと
 と四つの段落にわけられます。

 再話の場合、どこかの部分がふくらまさせられています。

 前に、今知られている物語は、明治43年の国定教科書にのっているということがありました。

 「浦島太郎」は、丹後(京都)が舞台ですが、大岡信の(遠いむかしのふしぎな話 おとぎ草子/岩波少年文庫/1995年)おとぎ草子の現代訳をみると、別れの場面、元の浜辺にもどった場面、玉手箱をあけた場面など、随所に和歌がでてきます。

 結末も、浦島が鶴に変わって、神仙の住む蓬莱山にゆうゆうと舞う身になり、亀は亀で万年の寿命を生きるというめでたいおわりかた。
 人には情けあり、情けあれば行く末はめでたいとあります。

 乙姫はでてこず、亀が浦島太郎の妻になります。

 春、夏、秋、冬ごとの竜宮城の景色の表現も、普段なじんでいるものとは大分異なります。
 
 御伽草子というのは、室町時代から江戸時代前期にかけて作られた数多くの短編の物語を、総称していうようになったようです。
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火の雨 氷の雨

2018年01月21日 | 絵本(昔話・日本)

              火の雨 氷の雨/かやのしげる・文 いしくらきんじ・絵/小峰書店/2000年


 「シマフクロウとサケ」とおなじように神の方からアイヌに注文をつける形でかたられる神謡です。

 父神、母神から、気がみじかいおまえがなにをしでかすかわからない。ぜったい行ってはいけませんといわれた竜の神カンナカムイが、神ののりものシンタ(カンナカムイは、子どもで帆掛け船で先には竜の頭)にのって、これまで見たことがないアイヌモシリにむかいます。

 神を敬う村があれば、ないがしろにする村も。

 カンナカムイは神をないがしろにする村に氷の雨、氷の雪崩をおこし、石の滝、大岩なだれをひきおこし、広い村はうずまって、煙につつまれてしまいます。

 神をうやまう村人は、神がとおりすぎるまで手を休め、女は針仕事、編み物、織物すべてやめ、まるで一つの村が沼そこへもぐったようにしずかになります。

 神を敬わない村は、なにをうるさい、こちゃこちゃいうな はたらくなというなと、きたないとぎ水をカンナカムイにばしゃりとかけ、ひえつく音をひびかせ、大掃除のほこりがまいあがり、目も開けられないし、息もつけません。

 火の雨、氷の雨をふらせたのは、こうしたわけがありました。

 サケが川にあふれ、鹿の群れが走り、ウバユリをほる女たちの歌など、アイヌの暮らしがいきいきと描かれています。 

 絵も独特で神話の世界を垣間見せてくれます。

 文章のリズムからいうと、やはり歌で聞く方がよさそうです。現地までいかないと聞けないのでしょうか。





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幽霊の恩返し

2018年01月21日 | 昔話(外国)
               幽霊の恩返し/中国ふしぎ話6/画・史俊 文・朱慶坪 訳・趙非/舵社/1995年

 一人の漁師が、川で水死した酒好きの人をしのんで、いつも酒を川に注いでいました。
 他の漁師があまり魚がとれないのに、彼はいつも魚がとれます。

 ある日、一人の男がちかづいてきて、よもやま話がはずみます。ところがいつもと違って、網には魚がはいりません。
 がっかりしている漁師に、男は川下から魚をおいあげてきましょうといいます。
 男が帰ってくると、網には、いつもよりたくさんの魚がはいっています。
 
 それから半年がたち、いつものとおり酒を飲みに来た男ですが、今日でお別れしなければなりませんといいだします。

 実は、この男幽霊で、漁師が酒をのませてくれるので、お礼に魚がとれるようにしてきたが、生まれ変わるので、それができなくなるというのです。

男の生まれ変わりの身代わりにやってきたのは、赤ちゃんを抱いた女の人。ところが赤ちゃんは草むらに落ち大声で泣きますが無事、女の人も川の水のなかで浮いたり沈んだりしているうちに自力で岸辺にはいあがります。

 例の男がやってきて、赤ちゃんと女の人の二人を、自分のために死なせたくないとまた幽霊に。

 善行のせいでしょうか、天帝から”土地の神”になった男は、漁師のところへやってきて・・・・。

 酒ずきは、酒好きの気持ちがよくわかるのでしょう。
 このあたりを理解するのは、子どもには無理です。

 幽霊は怖い存在ですが、どうも昔話では礼儀正しく、幸せをもたらしてくれます。

 絵も古代中国絵巻物のようで、不思議な世界へいざなってくれます。
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シンドバッドの冒険

2018年01月20日 | 絵本(昔話・外国)

               シンドバッドの冒険/ルドミラ・ゼーマン:文・絵 脇 明子・訳/岩波書店/2002年


 子どもに語るアラビアンナイト/西尾哲夫・訳 茨木啓子・再話/こぐま社/2011年では、船乗りシンドバードの冒険が「クジラの島」、「ダイヤモンドの谷」と独立していますが、この絵本は、二つがつづいていきます。

 「子どもに語る」ほうは、語る場合の長さが、絵本も読む場合の長さが考慮されているようです。

 普段聞きなれている昔話より、ワクワクドキドキ感がするアラビアンナイト。

 絵本には舞台となる地図が乗せられていて、クジラの島はインド洋の下、クジラの島はさらにその南。
 はじまりはバグダートですから、シンドバードの航海の壮大さが伝わってきます。

 千夜一夜の導入部には欠かせないにシェラザードにふれ、さらにシンドバードが、同じ名前の荷かつぎのシンドバードに、自分の冒険をきかせるという形式です。

 絵本では、クジラの島からダイヤモンドの谷に流れ着いていきます。

 島だと思ったのがクジラで、巨大な鳥ロック鳥がでてきて、ダイヤモンドの谷には、大蛇がでてきたりと、次にはどうなるのだろうと、惹き込まれます。

 作者は、挿絵、描き文字、レイアウト、飾り文字、縁取りの模様などにペルシャじゅうたんのデザインや手触りを思い出させようとさまざまな工夫をされています。

 絵本の大蛇はさほど大きくえがかれていないのですが、「子どもに語る」のほうでは、ゾウを丸呑みできそうな大きさとあります。

 「子どもに語る」で覚えてみたいと思ったのですが、絵本の表現をみてみると、さっぱりしすぎているようでした。

 ついでに面白い数字について

 3桁の数字。もういちど続けます。例えば456を456456とします。この数字を1001でわると456になります。任意の数字でも結果は同じです。千夜一夜にからめて、1001をシェラザード数とよぶというのですが・・・。
 この数字のことも絵本で知りました。6桁の数字を7、11、13でわっていくとやはり結果は同じです。
 ちなみに7*11*13=1001です。


               
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あなのはなし

2018年01月19日 | 創作(外国)
      あなのはなし/ミラン・マラリーク・作/おはなしのろうそく4/東京子ども図書館編/1975年初版

 創作ならではの話です。

 赤いくつ下のあなが、どんどん大きくなってくつしたを飲み込むことからはじまります。

 あなが途中で出会ったのは、いずれも世の中をみたいとおもっていたドーナツ、かえる、つばめ、そしてひつじ。

 夜になって小屋にとまるとことになりますが、そこにおおかみがやってきて、ひつじもつばめもかえるもドーナツもパクリと飲み込んでしまいます。

 おおかみは、あなも飲み込みますが、おなかの中にあながあいてしまいます。

 そのあなのなかから、ひつじ、つばめ、かえる、ドーナツがころがりでます。

 最後、あなはおおかみも飲み込んでしまいます。

 それほど長い話ではないのですが、穴が人格?をもっているという意外な展開にびっくり。
 作者は、くつしたの穴から着想したのでしょうか。

 なにやらブラックホールのような穴。おおかみもでられなかったのでしょう。


               あなのはなし/文:ミラン・マラリーク 訳:間崎 ルリ子 絵・あな:二見 正直/偕成社/2014年

 「あなのはなし」がのっている「おはなしのろうそく4」(東京子ども図書館編)は1975年の初版。

 東京こども図書館編では、作者がよくわかりませんでしたが、チェコのかたでした。

 40年以上たってから絵本が出版されていますが、もっと早く絵本になってもおかしくはないと思いました。

 絵本には穴があいていて、オオカミが各ページのどこかにいて、探す楽しみもあるようです。

 皆さん 穴が旅をする発想にびっくりです。


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バグダートの妖怪屋敷

2018年01月18日 | 昔話(外国)
               子どもに語るアラビアンナイト/西尾哲夫・訳 茨木啓子・再話/こぐま社/2011年

 久し振りにアラビアンナイトを読みました。

 「子どもに語る」というので、大分読みやすくなっています。

 「バグダードの妖怪屋敷」は、でだしが、たいへんな遺産を手に入れたアリーという男が、湯水のように金を使って遊び暮らするところからはじまります。

 金の切れ目が縁の切れ目で、金がなくなるとだれも目向きもしなくなり困窮生活をつづけたアリーは、隊商の仲間に入れてもらいますが、隊商は盗賊の一団におそわれます。

 芥川龍之介「杜子春」も、金の切れ目が縁の切れ目という場面が二度でてきます。どちらも三年で財産をなくすというのも共通しています。

 バグダートのほうは、このあと、泊まった者が、あくる朝になると亡くなっているという屋敷に泊まります。
 他の話では、幽霊屋敷という表現がほとんどですが、イスラム教では幽霊という考え方はないといいます。
 この屋敷に住みついているのは、アラビア語で「ジン」と呼ばれる超自然の存在といいます。

 他の昔話では、妖怪とのやりとりが主になりますが、バグダードのほうは、かなり短く「お前の上に金貨の雨を降らせてやろうか!」という声に「その金貨はどこにあるのだ」とアリーがこたえると、金貨の雨がざあとふってきて、広間が金貨でいっぱいになります。

 妖怪は、答え方で宝の持ち主がわかるのですが・・・。

 浮ついた友人との交わることもやめ、貧しい人々のほどこしもし、偉大な神アッラーをこころからうやまうようになると、すっきりした終わりかをします。

 他の昔話や創作に同じような部分の展開がでてくるのは、互いに影響し合っているのかもしれません。

 

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どんぐり

2018年01月17日 | 絵本(自然)

                    どんぐり/作・絵:こうやすすむ/福音館書店/1988年

 一年ほど前、一回読んでいました。

 6年ほどまえに二本のクヌギを植えました。二本とも無事に大きくなり、今では剪定に苦労するほどの大きさになりました。

 昨年初めてどんぐりが落ちていました。まだまだ先かなと思っていたので、おもわずうれしくなりました。

 2年に一度どんぐりがたくさんつけるとありましたが、クヌギはどうでしょうか。

 柿、びわも種から育て、いまは大分大きくなって、ビワも昨年あたりから実をつけはじめました。

 他の木も種をポットで芽がでるのを期待していたのですが、うまくいきませんでした。



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森のなかの三人の小さな男たち

2018年01月17日 | 昔話(外国)
               世界の民話館1 こびとの本/ルース・マニング=サンダーズ/西本鶏介/TBSブリタニカ/1980年


 昔話では、妻を亡くし再婚するする場合、余計なことにふれることはなく、すぐに再婚しますが、再話らしく、再婚するにあたって、長くつに水を入れてこぼれなかったら、もういちど結婚しようとするところからはじまります。

 昔話のパターンで、再婚した相手には娘が一人。まま子の娘がいると、まま子はいじめられ役。

 母親は、冬に「いちご」をもってくるように、まま子にいいつけます。

 なんと紙の服を着て、森の中にでかけた娘。

 ここであったのが12月の精ならぬ三人のこびと。

 こびとから、パンを分けてくれるように頼まれると、娘はたった一つのパンを四つにわけて、こころよく、あげます。

 すると、こびとたちは、いちごだけでなく、娘が何かを話そうと、口をひらくと口から金貨が落ちるようにし、毎日かわいらしくなっていくようにしてあげます。

 母親の本当の娘も毛皮のコートを着て、パンとバター、肉、ぶどう酒をもって森に出かけますが・・・。

 すぐに展開が予想できるのが昔話です。娘は「食べ物をわけてくれないか」というこびとに、一人でもたりないというのにと、断ると・・・。

 この話は、まだ続きます。
 氷がはった川で、一年と同じ魚をつってくるようにとでかけた娘が、金の馬車にのった王さまに見初められ、めでたくお妃になるハーピーエンドです。

 ドイツの再話ですが、グリムに同じ話があってもよさそうです。
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シマフクロウとサケ

2018年01月16日 | 絵本(昔話・日本)

               シマフクロウとサケ/宇梶静江・古布絵制作・再話/福音館書店/2006年

 以前、宇梶さんの古布絵というアイヌの刺繍をいかした手法の魅力にひかれました。

 村の守り神、シマフクロウのカムイチカブが自ら、語りながら進行します。。

 シマフクロウが、浜へ降りていくと、そこには神の魚サケの群れがやってきます。

 まっさきにやってきたサケは、シマフクロウを敬いますが、最後のサケたちは「でっかい目玉をしたものが、おそれおおい神だというのか」「どんな神さまがいるからといって、おれたちがおとなしくしなければならないんだ」と守り神であることを認めません。

 シマフクロウはがまんができなくなり、銀のひしゃく、シロカネピサックをとりだし、海を干上がらせてしまいますが・・・・。

 アイヌのカムイユカ(神謡)と副題があるのですが、謡とありますから、歌できいたら聞いたらまた別の趣があるように思いました。

 「フムフムカト フムフムカト」「テレケテレケ ホリピリピ」は、鳴き声やたてる音をあらわす歌の一節というのですが、実際どんな音だったんでしょう。残念ながら音が聞けないのが絵本です。
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シャンソーとブゾニュー・・ミャンマー

2018年01月15日 | 昔話(外国)
                    ビルマのむかしばなし/中村祐子他訳/新読書社/1999年

 シャンソーが手に入れたのは、猿に変わる水と、飲むともとの姿に戻る水。

 この二つの水で、王女が猿に変わり、猿から王女を人間の姿にもどしたシャンソーが王女と結婚し、王位後継者になるという話。ここまでは昔話の定番でしょうか。

 ところがシャンソーは思いがけない幸運をあてにした男で家でぶらぶら。一方ブゾニューは働き者で、たくさんの家畜を持ち、大金持ちというので、悩ましくなります。

 幸運をあてにした男は幸せになりますが、働き者の船は台風に吹き飛ばされ、お金は泥棒に盗まれ、家畜は死んでしまう災難が次々とおこります。

 この話を聞いた人はどんな思いだったでしょうか。働き者が報われないというのも昔話でしょうか。

 「三年寝太郎」のように、3年間眠りつづけても、村を旱魃から救うという最後だと、救いがありますが、どうもすっきりしないおわりかたです。

 ただ、二種類の水をどう活用するかは、考え方でかわってきますから、幸運もつかみ取らなければ、ただの水でしょうか。

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吉津の穴地蔵・・京都・丹後

2018年01月14日 | 絵本(昔話・日本)

               やさかの昔話/吉津の穴地蔵/芦田行雄・文 辰巳雅章・絵/あまのはしだて出版/1990年

 本を一冊もつくったことのないという著者が、昔話を聞いて、おおぜいの協力者とともに作ったという思いのこもった絵本です。

 やさか弁でかかれているのですが、切り絵とあわせて昔話はやっぱりこうしたリズムでないと味がでないとおもわされました。

 としよりが「とっしょり」
 動かないが「動かんだけな」
 舟が動かないが「舟がうごかんだけな」
 ちがいないが「ちぎゃあ にゃあ」
 などなど。

 凪の日で、漁に出ても舟が動かなくなっって何もとらんで戻る日がつづいていた漁師。

 何日もつづくので、村中の漁師が総出で海に行ってみると金剛童子(山の名前)のあたりに光るものが。

 山へ出かけ、みんなで地べたを どづいとったら、目のくらむほど光ったもんが すうっときえて、お地蔵さんがたっとんなるだげな。

 お地蔵さんには悪いけど、このままだと漁がでけんようになると、お地蔵さんを土の中へ。、

 あくる日からは、大漁がつづき、どの漁師も分限者になっただてえなあ。

 それから何年もたって、お地蔵さんを土にうめたことなどひとりも知っとるものがおらんようになった、ある年、吉津に悪い病がはやり、どの家にも あした死ぬかわからんような病人があるだけ。

 「拝み屋」に頼んでおがんでもらおうと、拝み屋のところに行くと、穴のなかにお地蔵さんが埋まっていて、早あこと、外にでてやあ でてやあ いうとんなる というので、みんなで地蔵さんを掘り出そうとでかけていきます。


 お地蔵さんを土に埋めるとき、村人は、じばん、手ぬぐい、半天を着せてあげて、「こりゃあとくれ」と丁寧におがみます。

 拝み屋というのもはじめてであう表現です。

 人、海、山の風景、舟、家 どれも印象深いのですが、裏表紙にある喜怒哀楽の表情をしたお地蔵さんも楽しい切り絵です。ところどころに影絵のような人物がでてくるのも効果的です。

 
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親父を焼く

2018年01月13日 | 昔話(日本)
               昔話に学ぶ「生きる知恵」➂馬鹿の鏡/藤田浩子:編著 小林恭子・絵/一声社/2006年


 「親父を焼く」とあるとびっくりしますが、笑い話です。

 父親から「父親は用足しにいっておりやす。なんぞごようがありましたら また出直してください」というようにいわれた馬鹿息子が、たったその一言二言がおぼえらません。

 父親は「用足しにいっておりやす。なんぞごようがありましたら また出直してください」と紙に書いてでかけていきます。

 紙を見せるだけならまちがいないだろうとでかけた父親でしたが、紙をうけとった息子は、紙をおとっつまだと思って大事にして、どこにおいておこうかと散々なやみます。

 ところがお客がやってきて、いざ紙をみせようとすると、どこにも見あたりません。

 息子が「おとっつま なくなった」というと、お客はおとっつまが亡くなったと勘違いし、おかみさんに、なにか葬式の手伝いがあるかもしれないと、何か聞いてこい、とせかします。

 息子が紙を探し出して、いつでもだせるように手に持ったのはいいのですが、火鉢にあたってうつらうつらしているうち、ぽろっと紙を落としてしまって、焼けてしまいます。

 そこに、おかみさんがやってくると、馬鹿息子がいうには「おとっつま はあ 焼いてしまった」。


 昔話に馬鹿息子の話がありますが、おはなし会ではほとんど聞く機会がありません。

 なんともとぼけていて笑えるのですが、”馬鹿”というのがひっかかるのかもしれません。
 
 大抵は自分自身で考えないのが共通していて反面教師としてもよさそうですが、それにしても何かひっかかるようです。


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ひょうたんめん

2018年01月12日 | 絵本(昔話・日本)

               ひょうたんめん/神沢 利子・文 赤羽 末吉・絵/偕成社/1984年

 「牛方と山姥」ににていますが、山姥ならぬ”ひょうたんめん”というお化け?。鯖ではなく塩が大好きです。

 種子島の昔話ですが、登場人物も”おとじろうまごじろう”と、はじめは二人かなと思った長ーい名前。

 ”おとじろうまごじろう”が塩を買って、さびしい山道にさしかかると、なにやら声がして「おーい、おーい、おとじろうまごじろう まて やーい。その塩 くわせろ」とひょうたんの格好をしたおばけ。

 馬を食うといわれて、”おとじろうまごじろう”が、塩の入った俵をぶんなげると、ひょうたんめんは、さも うまそうにむしゃむしゃ。

 それでも馬をくわせろとおいかけるひょうたんめん、にげる”おとじろうまごじろう”

 馬もがぶり、ペロリンと食べてさらに”おとじろうまごじろう”をおいかけるひょうたんめん。


 この、ひょうたんめん 馬を食べたりと怖いはずなのですが、どことなく憎めない存在です。

 風呂に入っていたひょうたんめんですが、ふたの上に、大きな石をのせられて、釜茹で、ぐんにゃり しずかになります。

 結末も、ひょうたんめんがいなくなって、村人が安心して山道を通ることができるようになり、”やあれ、やれ”です。


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雪おなご

2018年01月11日 | 昔話(日本)
                    おみきばばっちゃの夜噺/田島房子/文芸社/2006年


 雪女との約束は守らないと、雪女が消えてしまうというおわりかたをしますが、ちょっと一味ちがう終わりかたをします。

 雪おなごがあちこちの家をのぞきながら、やってきたのは若い男が囲炉裏端で縄ないをしている家。

 雪だらけの女を、家になかにいれ、まきをどんどんもやし暖かくしてあげた男。

 次の日、稼ぎにいってかえってみると、家の中は、どこからどこまできれいに掃除してあって、見違えるほど。

 独り者の男は、よめごになってくれと一生懸命頼み、おなごも承知しますが、一つだけ条件をつけます。それは、おなごのことを誰にも決して決していわねでおこやいということ。

 何日かたって、稼ぎから帰る途中、美しい花かんざしをみつけ、なんぼかよろこぶべ、なんぼかにあうべと思い、有り金をはたいて、花かんざしを買います。

 花かんざしを売った店のおやじが、独り者が買うのはおかしいと、名主に相談します。
 名主がきをきかせて、よめごをもらったようだからお祝いにでかけるべえと、みんなで男の家にでかけると、よめごは、約束をやぶったなと男をにらみつけ、かんざしを見つめながらホロホロ涙をおとし、外にでていってしまいます。
 男はよめごのあとを、どこまでもおっていき、二人とも吹雪の中に消えてしまいます。

 雪女は、存在をしられたくないのでしょうが、人のところにやってくるのは、やはり寂しいのかも。

 雪女は清楚と妖艶のどちらでしょうか。
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