どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

そらのほんやさん

2024年04月18日 | 絵本(日本)

    そらのほんやさん/くまくら 珠美/理論社/2023年

 

 作者の紹介に、猫絵作家/画家/漫画家とあり、「そらのきっさてん」「そらのゆうびんやさん」も発行されているのでシリーズものです。

 宇宙のどこかにある<そらのほんや>は、ふたりの猫が店主の喫茶店&本屋さん。いろんな楽器の音が聞けたり、おいしいにおいつきの本など こだわりのお店。

 一匹の犬(オサム)がさがしていたのは、作家と一緒だったころ、作家がちっとも遊んでくれなくて、はらをたて、やぶって庭に埋めた本の半分。片方は、作家の引き出しにしまいこまれていました。でかけていった作家が帰ってこなくて、ひとりぼっちになったオサムが、埋めた場所がわからなくなった半分を探していたのです。この本屋さんには、半分にちぎれた本がありました。あわせるとぴったりでした。

 ホシガラスが探していたのは、人形のクマのピーナッツブローチ。ピーナッツと勘違いしてもちかえったのでした。ブローチをなくしたクマは、とても悲しそうに見え、何とかみつけて かえしたいが 隠した場所がわからなくなったというのでした。かわりのものをプレゼントしたらと、ブローチコレクションの本の中から クマに にあいそうなものをみつけ、ホシガラスは、店をとびだします。

 三人目は、絵本を探しに来た猫。引っ越しで人間に置き去りにされた猫に、絵本を読んでくれる子があらわれました。同じ屋根の下で暮らした子が、猫が空にきたので、大好きだった本も読めないでいたため、読み聞かせをする絵本を探していたのです。店主がすすめたのは、その子の夢の中に すこしだけ はいりこめる絵本。

 三人はいずれも下界からのお客さま。

 店主曰く、「本は<かこ>にも <みらい>にも いくことができる、すてきなものですから」

 店主たちの背中には羽根。<かこ>と<みらい>をつなぐ、キューピットですね。

 
 書店であれこれ選ぶ時代から ネットですませる時代。これでは書店の営業は成り立たない。住んでいる町では、まだ一軒頑張っているが本の数は限られる。もしやっていくとしたら分野をしぼって、特色をだしていくことでしょうか。喫茶店&絵本専門店はほしいが、少子化でこれも難しそう。

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