ぶすのつぼ 日本の昔話/日野 十成・再話 本間 利依・絵/福音館書店/2013年
和尚さんと小僧さんがでてくると、小僧さんが和尚さんをやりこめるのがパターン。
和尚さんがお客からもらた水あめを、小僧さんに内緒でなめているのを見られてしまい、「これは ぶすといってな、おとながなめると からだによい くすりじゃが、こどもが なめると、ひとくちで ころりと しんでしまうどくだ。においを かいでも あぶない。だから、このつぼを あけてはならんぞ」と、いったのはいいのですが・・・。
お和尚さんは宝物の掛け軸も失いますが、「もとはといえば どくとか うそついた わしに ばちがあったんじゃ」と、さすが、おしょうさんは修業をつんだかたです。
じろぼう、たろぼうという二人の小僧さんがでてきて、ひとりではしり込みすることでも、ふたりならこわいことにも足を踏み出せるのかな。
小僧さんがつぼをはこんだり、水あめを食べるやりとりも楽しい。
狂言に「ぶす」というのがあって、ぶすというのはトリカブトからつくられる毒のこととありました。
この再話では小僧さんが掛け軸を破ってしまいますが、狂言では、掛け軸と国宝級の台天目という茶碗も壊してしまいます。また狂言では砂糖ですが、絵本では「水あめ」。甘いものが貴重品だったことも頭においておく必要があるのかもしれません。
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