どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

おどるひょうたん

2022年10月18日 | 昔話(日本)

    よみたいききたいむかしばなし②のまき/中川李枝子・文 山脇百合子・絵/のら書店/2008年

 

 おなじみの昔話12話がのっていますが、これまで読んだことのないのが「おどるひょうたん」。

 

「ししほう ししほう

 いのしし ほう

 あわの穂 くったら

 おまえの しっぽを

 切ってやる

 ほう ほう ほう」

 声を上げているのは、あわの穂が 夜になると シカやイノシシに食いちぎられるので見張りをしていた三人兄弟の太郎。

 すると、どこかで

「やれ ひょうたん 一つ

 ちゃんぷくじゃがま

 ぷくぷく ちゃんぷく

 ちゃんぷくりん

 うたえや おどれ

 ちゃらりん ちゃらりん」

 という声。もう一度繰り返しても また同じ声。太郎は震えあがって、逃げ帰りました。

 つぎの晩は、次郎が見張りをしますが、同じ声がして次郎も 「ばけものだあ」と、逃げ帰りました。

 つぎの日は三郎。

「やれ ひょうたん 一つ

 ちゃんぷくじゃがま

 ぷくぷく ちゃんぷく

 ちゃんぷくりん

 うたえや おどれ

 ちゃらりん ちゃらりん」

 声のするほうへ、「ししほう ししほう いのしし ほう」と、よびながら ちかよったのは池。小さなひょうたんが一つ、うかんだり、しずんだりしながら、「ちゃんぷく ちゃんぷく」と おどっていました。おもしろいからと、ひょうたんを 持ち帰ると、歌うひょうたんは、村中の評判に。

 

 こわそうで なーんだ!となりますが 歌のリズムが 聞く人を ひきこんでくれるお話。