入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「春」(52)

2023年05月13日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 朝はそれほど悪い天気ではなかった。3時半ごろ目が覚め、寝直すのも面倒になりそのまま夜が明けるのを待つことにした。普段は充分な睡眠をとっているから、たまにはそれもいいだろうというわけだが、加えて、今朝は6時ごろから仕事が入っていたため、寝過ごすわけにはいかなかった。
 
 昼少し前から、やはり天気は崩れ出した。それでも、あまりひどいことにはならないだろうというふうに予想しているが、これには大分願望が入っている。
 たまには雨の降る外の様子を眺めながら静かな牧の雰囲気を味わうのも悪くはないのだが、きょうはまた撮影の仕事が入っていて、できれば予定通り一日だけっで終わって欲しいと願っている。明日はさらに天気は悪くなるようだ。

 牧場の経営だけでここが成り立つならいいが、近年はそうはいかなくなった事情はこれまでも何度か呟いてきた。ここの環境、特に牛と、もしかすれば鹿も一緒になって、広大な牧草地はずっと守られてきた。そうでなければ、遠からず2,3年の内にクマササ、カヤ、落葉松などによって放埓な天然に還ることを許してしまうだろう。
 
 やがて時代とともに、わが国の牧畜も大きな変化を受け入れざるを得なくなるのは間違いない。上伊那地区は県内でも比較的酪農が盛んだったようだが、近頃では廃業する人の話をよく聞くようになった。
 少子化も進めば、学校給食に出されていた牛乳の量だって当然先細りしていく。そういう状況が続けば後継者の問題もでてくるし、国の政策に嫌気の射した人もいるようだ。
 山の上にいて詳しい情報は入ってはこないが、牧守にとって取り敢えずは入牧頭数の減った牛と一緒になって、牧場と今の環境を守っていくしかない。その手段として、撮影のような仕事も受け入れている。
 
 大志も抱かなかったし、一介の民草、凡人として生きた。そんな者に、入笠との出会いは予想外のことで、その影響は大きかった。これぞ運命と言ってもいいだろう。幾つもの仕事を変えてきたが、ついに行き着いた先が人里離れた標高1700㍍の入笠牧場であったとは。もちろん、それで不満はない、満足している。
 それだけに、この牧場や周囲の自然には思い入れが強い。誰よりも、と言っていいほど。

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 本日はこの辺で。明日は沈黙します。

 

 
コメント
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