入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「夏」(32)

2021年07月08日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 日曜日に里に帰り、それからまたここで暮らすようになって4日目、きょうは木曜日、あまりにも1週間が短い。また例によって真夜中の2時、強い酒を飲みながらそんな詮もないことを感じている。自分の生活は昼の肉体労働と、こんな真夜中の茫然無為の時に分かれてしまったのかと思いながら、あまり意には解さないでいる。
 昨夜は妙に睡気を感じて多分8時ごろには床に入ったと思う。それから4時間くらい寝て、その間にはもう内容は覚えていないがいい夢も見た。そのまま再び眠りに入ることもできそうだったが、篠突く雨の音を聞いていればどんなことが頭に浮かんでくるのかと、起き出した。

 昨日、牛を探してきょうの写真の辺りを歩いていたら、またしても20頭ばかりの鹿の群れと出くわした。しかも牛のように横臥して反芻しているようなのまでいて、すっかり「鹿の園」、もとい、鹿の楽園になってしまっていた。警戒心はそれほどではなく、あたかもこっちが彼らの縄張りを無視して入った闖入者のようだった。
 今はこの辺りはマーガレットの花が咲き、曇り空ではあっても此処に立って広大な空間を目にしていると、気分が清々としてくる。牛がいれば、そっちの方に気を取られてしまうから、こういう気分を味わうためにはむしろ牛はいない方が良いのかも知れない。
 牛の様子を見る際は、ずっと以前から耳標でそれぞれを確認をすることにしている。そうすることによって、この牛は警戒心が強いかとか、逆にこの牛は懐きやすいかとか、個々の牛の大雑把な性格が分かってくる。それに、万一未確認の牛が出た場合、これは脱柵よりも事故の可能性が高い、その捜索には一緒に行動していた群の動向がかなり参考になる。
 この時季、時には横殴りの強い雨に降ったり、深い霧に閉じ込められることもある。しかし、天気は必ずしも晴れている必要はなく、それぞれの気象条件を副菜にして、天と地をいろいろに味わうことができればその方がいいと思っているくらいだ。

 また雨音が強くなってきた。3日前に、苦手な電気仕事をした。鹿に幾箇所もアルミ線を切られ、その時使っていた国産の電気牧柵では頼りにならないと思案の末、外国の製品に切り換えたのだ。そしたら7000ボルト以上の電圧が流れるようになり、以来まだ断線したことはない。電圧7000ボルト、これは非常に心強い限りだが、果たしてあのアルミ線がいつまでもつは分からない。
 例年鹿よけのために、第1牧区の電牧をまず一番に立ち上げる。最初のころは確かに効果があるのだが、残念ながらやがては放牧地内への侵入を許してしまっている。そのうちには得意の跳躍力を活かせば大丈夫だということを、あそこでも鹿は学習するかも知れない。
 本日はこの辺で。
 

 
コメント
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