入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’19年「夏」 (16)

2019年07月16日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 雨が止まない。こういう天気の日、入笠へ来た年配の登山者が雨に濡れ、霧の中を彷徨うように歩く姿を目にすることがある。つい先日もそういう人を見掛けた。瘦せた70代後半の、疲れ果てた様子をした単独の女性の登山者だった。またある時は、この人たちも中高年の女性で二人連れだったが、テイ沢を下り、さらに高座岩から本家・御所平峠を経由してきて、牧場内の林道で出会い、向こうから声をかけてきた。二人の経路は後から聞いた話だが、途中で道にも迷ったらしい。この時は、見かねて声を掛けようとしたら「迎えに来てくれたの」と、こちらの問いかけも待たずに逆に訊かれた。どうやら、その夜宿泊する宿の者と間違えたようだった。
 雨が降ろうが、山にはそれなりの趣があって悪くはない。特に霧雨でも降る中を単独で歩きながら、深い森の中の山気に触れたりすれば静かな感動が、孤独感に溶け込んでくることもある。しかし道を誤り、それによって体力を使い果たしてしまった場合は、危険な状態に陥ることもある。特に中高年は脆い。ちょっとしたことで、簡単に転倒するし、足を踏み外す。誰も山に来て、事故など起こしたいと思うはずがない。しかし起こる。多くの実績を残した登山家でも例外ではない。
 ではどうするか。やれ「山を甘く見るな「」、やれ「引き返す勇気を持て」、やれ「無理をするな」、やれ「装備は充分か」等々耳にタコができるとはこのことだ。それでも事故は起きる。いくら注意しても山では、予測不能のことが起こる。「運が悪かった」としか言いようのない事故も起こる。登山の内容が高度化すればするほど賭けの要素が増え、運不運が重なるから、一流であるからと言って事故の可能性が低くなるとは思えない。却って高くなる、だろう。
 結局、中高年は身の丈に合った山に登り、それでも万一事故に遭ったら仕方ない、「不運」だと思うしかない。だから、賭け事や宝くじなどで、極力運を浪費しないことが必要だと思うが、どうだろうか。
 きょう、小屋に10人以上、その中高年の登山者が来る。こんな呟きを耳にすれば、怒るだろうか。
 
 きょうの写真と本文とは全く関係ありません。もちろん、中高年ではないし、旦那さんと息子さんが一緒でした。

 まだまだ夏の小屋やキャンプ場は余裕があります。予約をお待ちします。

 営業案内 「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」およびその(2)です。下線部をクリックしてご覧の上、どうぞご利用ください。

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