仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

お坊さんのマナー①(お焼香かご焼香か)

2017年09月21日 | 日記
築地本願寺で11月から、本格的に本願寺派僧侶の法事等への僧侶派遣を行います。希望僧侶を登録して、法事に出勤してもらうという。
派遣僧侶へのマナーの講習をして欲しいと依頼がありました。私の担当は「僧侶のマナー」90分です。私を含めて坊さんは、名刺の出し方やエレベーターの中での上位下位の位置など、一般的なマナーに疎い。そうした一般的なマナーを含めての90分講義です。

この「お坊さんのマナー」について、20回くらいで連載します。一回目は、私のブログで、多くアクセスがある「お焼香か、ご焼香か」です。

一般でマナーに次の言い回しがあります。
口頭では御社、書類では貴社
「あなたの会社」という意味で使う言葉に、「御社」と「貴社」がある。どちらも尊敬語ですが、「御社」は話し言葉として「貴社」は書き言葉で使います。「私の会社」を意味する「弊社」「小社」は、謙譲語で、口語、文語の両方につかえます。

これは私の考えですが、「お焼香」は話し言葉として、「ご焼香」は書き言葉で使います。

「お、ご」の使用法
一般礼法では「お」「御」の使い方は、他人の物事に「お」「御」をつけ、自分のことや物には使わない。

他人―お机、お散歩、お乗り物
自分―机、散歩、乗り物。

また学校や会社などの共同的なものごとには「お」「御」を使いません。

自分や目下の者の「もの」や「こと」には、「お」や「御」は使わなあいが、それが目上の相手に関係する場合には、自分のことであっても「お」をつける場合があります。お話、およろこび、お願い、お訊ねなどです。

また自分のことであっても、相手に関わることであれば、「お」を付ける場合があります。たとえば「お招きいたします」も、招くのは自分でも、招かれるのは、相手だから「お」を付けます。「招きます」では威張っているようにきこえるからです。「ご案内します」「ご紹介します」も同じことです。

また基本的には「ご」は漢語につき、「お」は和語につけます。酒も、和語ならお酒、漢字なら御酒(ごしゅ)で「ご」です。もちろん、例外もあります。お電話、お料理、お砂糖、お醤油など、料理、調味料について、女性はごという硬いことばをさけて、やわらかく「お」をつけることもあります。

 外来語、カタカナ語には、「お」も「ご」もつけないというのがルールであります。タバコは煙草と書いたりして、和語のよみをするところから、外来語とは感じられなくなり、お煙草は女性のことばとしては普通です。
 
上記の規律から言えば、「お焼香」は話し言葉として、「ご焼香」は話し言葉と書き言葉で使うというのが私の結論です。
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