仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

スマホが神になる

2017年05月16日 | 都市開教
仏教の講や新宗教に入会すする人は、教えへの帰依だけが入会動機ではなく、人間関係を求めて、集団帰属への安心感、暇つぶし、その他いろいろな要因があります。

『スマホが神になる 宗教を圧倒する「情報革命」の力』 (角川新書・島田裕巳著)は、スマホが“その他、色々な要因”をカバーしてしまうので、スマホが神の代用になることを説いた本です。

現在スマホの普及率は、同書(2016.10刊行)は次のようにあります。

 2016年6月20日付で博報堂DYメディアパートナースのメディア環境研究所が発表した[メディア定点調査2016]によれば、これは東京地区での数字だが、スマホの所持率は70.7パーセントに達した。タブレット型端末の所持率も38.8パーセントに達している。2010年の調査では、スマホはまだ9.8パーセントだった。
 ただ、2015年が59.2パーセントで、16年はわずかしか伸びていない。あるいは、スマホの普及もこれから頭打ちになっていくのかもしれないか、15歳~19歳の男性では96.4パーセント、女性で90.7パーセントにも達している。スマホは、若い世代ではすでに必需品になっている。
 内閣府が、2016年4月8日に発表した3月の消費動向調査によれば、2015年度の世帯あたりのスマホの普及率が、一般の携帯を意味するガラケーを初めて上回ったといい、スマホの普及率は67・4パーセント(前年度比6・8ポイント増)で、ガラケーの64.3パーセント(5.5ポイント減)を逆転したというのだ。
 スマホとガラケーを合わせた普及率は0・9ポイント増の95・3パーセントで、100世帯当たりの保有台数は235・9台となった。これは、2台持ちの人間か増えていることを意味する。しかも、スマホとガラケーを併用していたのか、2台ともスマホに替えるケースか増えているものと推測されるというのである。

アメリカの経済誌、『ウォールーストリートージャーナル』の電子版において2014年6月12日に配信された記事に、「グーグルは神に代わりつつあるのか?」というものがあった。
 筆者は、クリスティーンーローゼンという作家兼編集者で、「優生学を説教するー宗教的指導者とアメリカにおける優生学運動」(未邦訳)といった著書かある。

「MITテクノロジー・リビュー」誌が伝えている、インターネットか盛んに利用されるようになったことと、宗教教団に所属する人間が少なくなったこととのあいだの相関関係についてふれている。
 これは、シカゴ大学の総合的社会調査のデータを、オーリンエ科大学の教授、アレンーダウニーか分析したものである。
 まず、基本的なこととしては、アメリカ国民のなかで、どの宗教教団にも所属していない人間は、1990年の8パーセントから、2010年には18パーセントに増えた。これは、無宗教の人間が2500万人も増えたことを意味する。
 ダウニー教授は、この無宗教の増加と関係していると考えられる、教育や社会経済的な地位、宗教的な背景を分析したが、それでは説明かつかないと一言う。
 では、その原囚は何なのか。
 教授の仮説は、インターネットの使用者の劇的な増加だというのだ。
 1980年代には、まだインターネットを使っている人間などほとんどいなかった。それが、社会調査によれば、2010年には半数以上の人間が、1週間に2時間以上ネットを使い。4分の1が7時間以上使っている。
 ダウニー教授によれば、無宗教の増加のおよそ25パーセントは、こうした新しい生活習慣によって説明できるというのだ。(つづく)
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