仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

これからの宗門

2016年10月22日 | 都市開教
昨日(28.10.21)送付されてきました宗教業界新聞『中外日報』(28.10.19号)に私の執筆したものが掲載されていました。以前も、同様なことを書いています。冒頭分だけ書いておきます。

都市開教と過疎地開教

教団のコアは何か

江戸時代の寺院機能は、集会所、娯楽享受の場、学校、役所など、多くの役割を担っていた。ところが近年、自治体の充実や社会構造の変化により、寺院がはたしていた機能が公共施設等へ移譲され、生命線である法事・葬儀さえも、都市部では、先祖意識の希薄化と宗教者派遣業の進出により役割を失いつつあります。
 失われていく寺院機能の中で、失われることのない浄土真宗寺院の〝核〟(コア)とは何か。私は、その核となるものが「安心」だと考えます。安心できる教え、安心できる場、安心できる人間関係、安心できる商品、これからの寺院の役割を考えるとき、〝安心〟に関わる情報や教え、コミュニティを社会へ発信していくことが重要です。
伝聞によりますがセオドア・レビ″卜(1960年の論文)が、当時のアメリカの鉄道について述べた有名な話があります。

鉄道が衰退したのは、旅客と貨物輸送の需要が減ったためではない。 鉄道が危機に見舞われているのは、鉄道以外の手段(自動車、トラ″ク、航空機、さらには電話)に顧客を奪われたからでもない。鉄道会社自体が、そうした需要を満たすことを放棄したからなのだ。
 鉄道会社は自社の事業を、輸送事業ではなく、鉄道事業と考えたために、顧客をほかへ追いやってしまったのである。事業の定義を誤った理由は、輸送を目的と考えず、鉄道を目的と考えたことにある。顧客中心ではなく、製品中心に考えてしまったのだ。(以上)

現在の宗派においても同じことが言えます。現在、教団が供給している教えや法事中心とする伝道から、顧客中心の伝道へと移行する必要があります。供給するコアとなるものが〝安心〟です。(以下省略)

以前、掲載された「論」です。


https://www.chugainippoh.co.jp/ronbun/2014/1008.html

伝道教団再生、20年後を見据えて ― 寺院活動“安心”が核に
浄土真宗本願寺派西方寺住職 西原祐治氏
2014年10月8日付 中外日報(論)
コメント
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