いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

現実と理想のパラレル。 a parallel of actuality and ideology

2024-04-15 19:52:34 | 日記
 (1)国賓待遇で訪米した岸田首相は米議会で演説し、何度も民主、共和両党議員から拍手喝采を受けて「日本の国会ではこれほどすてきな拍手を受けることはない」(報道)と本気とも冗談ともつかない感想を述べた。
 バイデン大統領も岸田首相も国民支持率は低迷しており、ついつい国賓待遇の岸田首相への米両院議会からの度重なる拍手に日ごろの本音が出たともいえる。

 (2)13日帰国すれば、現実と理想というものは多分にパラレル(parallel)で一致せずに反比例するものだ。それをどうやって近づけていくのかが政治の役割であり、使命であり責任といえる。
 経済学者トマ・ピケティは自著「21世紀の資本論」で格差社会解消のためには世界共同して同時に大企業、富裕層への課税強化が必要と説いたが、バイデン大統領は大企業、富裕層への課税強化を打ち出して厚い中間層をつくりだすと述べている。
 岸田首相も就任早々の理念として新しい資本主義として「成長と分配の好循環」で中間層を厚くする取り組みに意欲をみせたが、円安物価高が持続して補正予算に頼る経済対策が遅れて成長論に重点を置き始めて、政府主導の政労使会議で企業の賃上げを求め今は物価上昇と賃上げの好循環と言い出した。

 (3)しかし物価上昇を上回る賃上げは実現せずに、実質マイナス賃金が続いている。GDPでは経済が好調ともいえない独に抜かれて世界4位となり、近い将来には印にも抜かれることが確実といわれて、アジア諸国の追い上げにもあっている。
 岸田首相が唱える成長と分配の好循環はいつになったら実現するのか、最近はあまり言わなくなり、経済はIT、AI化でも世界に遅れをとって今回の訪米でも米国内投資への取り組みを主張してみせているが、日本の実体経済は少子高令化対策が足かせとなって先行きは見通せない状況だ。

 (4)自民党は裏金議員の処分で混乱して、岸田首相も岸田派の元会計責任者が摘発されており岸田首相も党総裁としての責任が不問となり批判もある。野党は解散総選挙での決着を求めており、しかしまずは能登地震復旧が優先されるべきで、現実と理想がなかなか接近しない岸田政権だ。

 (5)その最中での岸田首相の「息抜き」のような国賓待遇の訪米であり、日本の政治、経済、社会をどう立て直すのか「取り組み」が待っている。
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