ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

日本語能力試験受験者への交通費支援活動(1998年-2016年)

2016-12-04 | チロ基金
 毎年7月と12月の第1日曜日に国際交流基金主催の日本語能力試験が世界各地で一斉に実施されます。
 しかしベラルーシでは日本語学習者数そのものが少なく、試験会場になったことはありません。
 したがって越境して受験しなくてはいけませんが、試験会場となる都市までの交通費がベラルーシ人受験者の大きな負担となっています。

 チロ基金は1998年から日本語能力試験受験希望者で、日本文化情報センター所有の日本の絵本を日本語からロシア語あるいはベラルーシ語に翻訳してくれたベラルーシ人の日本語学習者に、受験地までの交通費を支給する活動を行っています。

 試験会場に指定されており、べラルーシから近くてベラルーシ人がビザなしで入国できる国はロシアとウクライナです。
 そこでミンスク・モスクワ間(1998年以降現在まで。)、あるいはミンスク・キエフ間(2011年から2013年まで。2014年以降は中止。)の列車往復代を支援しています。

 2016年はのべ6名のベラルーシ人が絵本の翻訳作業をし、このうち3名が7月に、さらに2名が12月に受験しました。

 2016年度の翻訳絵本の画像はこちらの日本文化情報センターのサイトでご紹介しています。

 絵本を寄贈してくださった日本人の方々に厚くお礼申し上げます。
 上記のサイトはロシア語ですが、画像で翻訳された絵本の表紙を見ることができます。

 日本文化情報センターとしては、翻訳された絵本の数が増えて大変助かっています。すでに約100冊の日本の絵本がベラルーシの子ども達に読まれています。

 現在までの交通費支援者数はこのとおりです。 

1998年度 4名
1999年度 7名
2000年度 8名
2003年度 1名
2004年度 1名
2007年度 4名
2008年度 6名
2010年度 1名
2011年度 2名
2012年度 3名
2013年度 4名
2014年度 3名
2015年度 4名
2016年度 5名

 今までで合計53名(のべ人数)の受験者に交通費を支給しました。

 最後になりましたが、今年モスクワで受験した5名のための往復列車代をチロ基金を通じ支援して下さった日本人の協力者様、本当にありがとうございました。

 日本語能力試験を受験した人たちが、学んだ日本語を生かして、将来日本とベラルーシを結ぶような仕事をしてくれたら・・・といつも願っています。


(絵本の翻訳活動についてはHP「ベラルーシの部屋」内のこちらのページをご覧ください。ただし、内容は98年度のものだけです。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no1/no1.html


(過去の日本語能力試験受験者への交通費支援活動についてはHP「ベラルーシの部屋」内のこちらのページをご覧ください。ただし、内容は2003年、2004年のものだけです。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/japanese.html


(日本語能力試験についてはこちらの公式サイトをご覧ください。)

http://www.jlpt.jp/



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 2017年1月の追記です。
 2017年から日本語能力試験の会場の一つとしてベラルーシのミンスクが正式に決定しました。
 これをもちまして、この支援活動を終了します。
 長年にわたり、この活動をご支援してくださってきた日本人の皆様、本当にありがとうございました。
 
 2017年からはベラルーシの地方都市に住む日本語学習者がミンスクで受験しやすくなるよう、新たな交通費の支援活動を始める予定です。

 詳細は改めてお知らせいたします。

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