猫のキキとヒゲおじさんのあんじゃあない毎日

『あんじゃあない』って、心配ない、大丈夫っていう群馬の言葉、いい歳こいたキキとおヒゲのどうってことない前橋の暮らしです

総社町の春景色見ながら、前橋の路地第36回は『カシグネのある山王の道』

2018-03-26 06:42:17 | 前橋の路地

これは『グネ』と呼ぶ家屋を冬の季節風から守る大きな生け垣です。使われている樹種がシラカシ(白樫)なので『カシグネ』とも呼ばれます。
大きな養蚕農家、二階建ての建物の北側と西側をカギの手に囲うようにつくられているものと、北側だけに衝立のように立てられているものとがあります。その高さは10mほどあります。
火山灰土の関東内陸部の農村地帯に特有のグネです。こんな大きなものがつくられるようになったのは、江戸時代にこの地で養蚕が盛んになり、農家の造りが総二階の大きなものとなってからだとと聞いています。

 昨日、ちょっと用事があって利根川の西へ行ったんです。ついでなんで、総社町から吉岡町の大久保までのんびりと走ってきたんです。良い春見っけようって…

  一面のホトケノザに足を止めたり、みごとなコブシの花に見とれたりしながら、総社町山王地区まで来たら、大きなカシグネが目に飛び込んできました。

 私が子どもの頃はまち外れに出るとどこでも見られたカシグネなのですが、最近はめっきり少なくなってきています。メンテナンスが大変だということもあるでしょうし、道路の拡幅や住家の改築などに伴って失われてきたんです。
でも、総社町山王地区には、まだ立派なカシグネがいくつも残されています。
ついでですから、カシグネのある集落の路地を歩いてみます。

 

   
       前橋の路地 第36回 カシグネのある山王の集落道

 この立派なカシグネのある角を東へ、山王の集落道へ入る。自動車がすれ違うのがやっとの幅員の道だ。

  立派なカシグネの次には、そろそろ刈り込みをしないといけないほど枝が伸びてしまっているカシグネがあった。手入れされたぐねは幅は50㎝ほど、子のグネは1mを超えてしまっている。このように枝が伸びて膨らんだグネは、植木職人が大胆に刈りこみをすることになる。
グネの脇にアンズの花、もう満開になっている。

次のグネは手入れしてまだ間もない。みごとに刈りこまれ、カシの枝が見えている。
カシグネは1間ほどの間隔でシラカシを植え、杉丸太と竹で作った格子状の枠に枝を結わえて平たく誘引し、シラカシが壁状に成長するようにして作って行く。20年ほど前、しろがね学園の営繕をしたときに、カシグネづくりを試みた。今どうなっているだろう、そのうち見に行こう。

   枝が伸びてしまっているグネと比べると、厚さも半分ほどに刈りこまれている。透けて見えるシラカシの幹は結構太い、写真のもので30㎝近い幅がある。
カシグネの向こうに、山王地区の村社、日枝神社が見えている。国指定史跡『山王廃寺跡』、ここは古代東国の中心地の一つだったのだ。

 日枝神社前まで来た。関東地方でもっとも初期に造られた寺院跡と言われている史跡だ。概要を知りたい方はこちらを。もっと詳しく知りたい方は、第6次発掘調査報告書がこちらでダウンロードできる
日枝神社の先から集落の路地に入りこんでみよう。車では入れないので、車は山王廃寺跡見学者用駐車場へ置いておくと良い。

 

左右は生け垣、ヒヨドリやスズメが目の前を横切って行く。突き当りには白壁の立派な塀が見えている。ゆっくりと歩いて行こう。

  突き当りの立派な塀のところを曲がると、その先にカシグネが見えている。路地はクランク状に曲っている。

  この総社町山王地区の農村集落について、高崎経済大学の戸所隆教授は『文化的景観としての養蚕農家とその保存活用政策 -前橋市総社町山王地区を中心に-』という論文を発表している。読んでみたい方は、こちらから
前橋でも、カシグネがこれほど見られるのは山王地区をおいてないと思う。

 

 路地を抜けた農家の庭先の墓地に、ハナモモと菜の花が供せられていた。
カシグネの残る集落道で見つけた春だ。

  
        前橋の路地第 36回 おしまい

 

  山王町から大久保へ、春景色に見とれながら走っていました。
広場の脇に紫色のコブシの花、そして満開の緋寒桜。

   吉岡の大久保では牛王頭川の春景色を眺めて…、まちもいいけど、田舎の春もいいななのです。

 上毛大橋から眺める利根川と赤城山、どちらも春霞の中でした。

 敷島公園のソメイヨシノもしっかり咲き始めて…

夜は、ユキ子さんの誕生日祝い、ご両親が『三翠楼松し満』に祝いの席を用意してくれました。ありがとうございます。

 

 直派若柳流の若柳糸駒ことユキ子でございます。
祖母の初代若柳吉駒、そして伯母の二代目吉駒の下で修業して参りました。
初代吉駒が始めた美登利会は、来春で75回目の節目を迎えます。予定通り、4月8日に開催いたします。
亡くなりました二代目吉駒の遺志と教えをしっかり守って、一生懸命つとめてまいりますので、これからも引き続きよろしくお引き立ていただきますようお願い申し上げます。

今春の第74回美登利会の舞台の様子はコチラでご覧になれますす
お稽古場は前橋市城東町四丁目です。詳しくはコチラをご覧ください

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
花井さまへ (ヒゲクマ)
2021-07-11 07:26:37
コメントありがとうございました。ご指定のアドレスへメールでお返事を申し上げました。
なお、花井さまのコメントに個人情報が含まれていましたので、コメントは非公開(保留)とさせていただきました。

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