世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

楽園からの追放

2018-12-16 04:11:23 | 青空の神話


ルーカス・ファン・レイデン


へびに騙されて知恵の木の実を食べたアダムとイヴは、自分たちが裸であることに気付き、慌てて無花果の葉で隠した。それを見た神は、アダムとイヴが禁を破ったことを知った。そして彼らを楽園エデンから追い出し、エデンの東にケルビムと炎の剣を起き、命の木の道を守らせた。



楽園喪失の神話は、子供から大人への脱皮の時期に現れる人間の苦悩がモデルとなっていると思われます。子供はいつまでも親に甘えて楽をしようとするが、親はそれを許さない。ある程度大きくなったら、自分で耕して稼いで暮らせと言われるのです。イヴが得る産みの苦しみも、アダムが得る労働の苦しみも、大人の苦労だと言えましょう。もう子供ではなくなったのだから、親のひざであるエデンから出ていき、自分で生きていかねばならない。
それは成長していく人間にとって、たびたび味わわねばならない、成長苦と申せましょう。だれも、子供のころの楽園には、二度と戻れない。





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