世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

イリヤー・ムーロメツ

2018-12-11 04:11:36 | 青空の神話


ニコライ・リョーリフ


イリヤーは生まれつき手足が動かず、30歳まで家から出られなかったが、ある日3人の旅の老人に声をかけられると、立つことができた。もらった薬を飲むと、強大な力を得た。老人たちはその力を、国のため、人々のために使うと約束させて去った。イリヤーはその約束通りの生き方をし、国のために命を懸けて働き続けた。



ロシアの父性というのは大地的です。イリヤーはいかにも豪放な英雄だ。巨人の妻と不倫したりするが、それも男らしく正直に話して許しを請う。町を包囲している敵軍を撃退し、恐ろしい怪物を退治し、時には貧乏人に気前よくおごったりする。頼もしいですね。負けることを知らない。最後まで負けらしい負けはありませんが、それが弱点とも言えます。負ける英雄の話もあったほうがよい。人間は一度も負けることなしに生きていくことはできませんから。負け方を教える英雄などもいたほうがいい。ヘラクレスのように、最後には妻に負けるような話もあったほうがよい。





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする