最近よく黒猫に前を横切られる。
不吉だという話だが、あまりよく遭遇するので、かえって縁起がいいんだということにしている。
まあそれだけの話なんだがね。
この猫と遭遇したときは、たまたまカメラを持っていたので、写真を撮った。
わたしを見ている目が、天使だと言っている。
わたしがどういうやつだかもわかるんだ。ほかの天使と比べたら、やさしいやつだという感じだね。
アルドラやエラキスなんかでは我慢できないことも、わたしなら我慢できる。
亭主の無礼なものの言い方ややり方にも、痛い感じでつきあってるよ。
最近よく黒猫に前を横切られる。
不吉だという話だが、あまりよく遭遇するので、かえって縁起がいいんだということにしている。
まあそれだけの話なんだがね。
この猫と遭遇したときは、たまたまカメラを持っていたので、写真を撮った。
わたしを見ている目が、天使だと言っている。
わたしがどういうやつだかもわかるんだ。ほかの天使と比べたら、やさしいやつだという感じだね。
アルドラやエラキスなんかでは我慢できないことも、わたしなら我慢できる。
亭主の無礼なものの言い方ややり方にも、痛い感じでつきあってるよ。
わたしはアンタレスに比べると優しいほうなんだけどね、テレビで天使の真似をしてる女を見ると、どうしても言いたいことが出てくるよ。
ほんとに何度でも言うが、それは馬鹿みたいだからやめなさい。
人間が天使の真似をして、自分をきれいにしすぎると、馬鹿みたいに見えるんだよ。
馬鹿が、天使みたいにきれいにして、天使みたいなことができるわけないからだ。
天使の真似なんかしてると、恋愛もできなくなるんだぞ。天使は恋愛なんてできないからだ。
あれが馬鹿みたいに見えるってことに、馬鹿女が気づくまでまだ間がかかりそうだ。
いずれわかると思うけど、それまでは、周りが我慢しなくちゃならなそうだ。
いいかげんこのブーム、終わってくれないかね。
あれから歯医者に二度通って、歯の型をとってもらった。
あの、冷たいゼリーみたいのを歯に塗られて、口に硬いものを突っ込まれるんだ。
おえっとなるかなと思ったがならなかった。
義歯を使うのにはそこらへんがちょっと心配の種でもある。
拒否反応起こして吐いてしまわないかと。
そんな心配はいらないみたいだけどね。以前、あごの関節に異常が出て、それを直すために、似たようなものを口に突っ込まれたことがあって、どうしてもなれることができずに吐き出してしまった経験があるんだ。
わりかしそこらへんデリケートなんじゃないかと思う。
まあ、やってみたら案外平気なのかもしれないけど。
メルヴィルの「白鯨」、読了。
海魔のごとき巨大な白いマッコウクジラと、それに片足を奪われた老船長の復讐の物語、なんだけどね。
難しい漢語や捕鯨航海の専門用語があふれるほどでてきて、わかりにくいことこの上ない。
とにかく言い回しがくどくてやりにくい。
でもそんなのはすっとばしてずんずん先を読んでいくと、最後のあたりでおもしろくなってくるよ。
結末には唖然としたけどね。
四男坊の新しいバイト先が決まったようだ。
友達が紹介してくれて、面接に行ったら即合格をもらったらしい。
何度か面接に失敗してるから、よかったねというところだ。
うちの四男坊は、友達に恵まれているみたいだ。
かのじょの小さい頃は、いじめにもあったりして、苦しいことが多かったが、息子にはそういうことはない。
幸せな子供時代を送れている。
それだけで、親も幸福になれる。
以前アンタレスが口をすっぱくどころか辛くして言ってたことだけどね。
かのじょの真似をすると、人類を落ちるからね。気をつけなさい。
あれがきれいだから、馬鹿な女はまねしたくてしょうがないんだけどね、あれは、人間じゃないから、ああなるのであって、人間があの真似をすると、とんでもないんだよ。
馬鹿みたいになるんだよ。
何度言ってもやめないんで、アンタレスも嫌になってやめたんだけどね。一応もう一度言ってあげるよ。
それは馬鹿だから。全然きれいなんてものじゃないから。嘘だから。
人間がね、天使レベルになれるわけないんだよ。かのじょは、今まで、人類のためにとんでもないことをなんでもやってきたんだよ。だからああなって、信じられないほどモテるんだよ。
人間レベルじゃないものを盗むと、人間を落ちるよ。次の永遠を、すべて失うんだよ。
本当に、もうやめなさい。
かのじょが１９の頃、知り合いのおばさんがいつも嫉妬の目で自分を見ていることに気づいていた。
そのひとは、かげでかなり意地の悪いことをしていた。
年をとっても、あんな人にはなりたくないなんて思ってたね。
今、そのおばさんと同じくらいの年齢になってみて、若い人を見てどう思うかと言ったら、嫉妬の感情なんて思い浮かんでこない。
かわいいし、かわいそうだと思う。
なんでって、彼らはまだ人生のことなんてほとんど何も知らないんだ。
どんなにいい子でも、若い人が見がちな痛い幻を見ている。
それが壁だとわかるまで、彼らはかなりつらい思いをしなければならないのだ。
かつてのかのじょがそうだったようにね。
それなりに努力してきた大人ならわかることがある。
若さとは、苦いものだと。
嫉妬で苦しめるより、助けてあげることが必要なのだ。
こう言ってはなんだけど、広告に女性モデルを使うのは、しばしやめてもらえないだろうか。
心が間違っている女性のモデルは、と言い直したほうがいいかな。
もう人間にも、人の心が見えるようになったから、こういいたいわたしの気持ちもわかってくれるだろう。
美人のつもりで笑っている女の、ほんとの心や顔が見えたりすると、とてもつらいんだ。
男ならまだましなんだよ。男は嘘でも何かができるというものがあるんだから。
だが女性というのは、男のように痛いことはできない分、実に、まるごと本物でなければとんでもないものになるんだ。
だから、嘘で自分をきれいにしている女性は、ものすごくいやなものになるんだよ。
存在自体が、女性ではないという馬鹿になるんだ。それなのに女性を武器にしているから、気色悪いんだよ。
鏡を見ると、顔がすっかりわたしになっているのに気づく。
造作はほとんど変わらないんだけどね、目つきや表情がわたしそのものだ。
それなりの美人には見えるんだけどね、かのじょがやってたときとは全然違うね。
かのじょはもっと線が細くてナイーヴだった。
けれど今この存在は、どこかずぶとくて丸いおっさんという感じだ。
マスクの甘い、感じのいいおじさんて感じなんだ。
女性なんだけどね。
なかみがぶとい男だと、肉体が女性でもなんか女性っぽくならないね。
でも、アルドラやエラキスがやっていた時よりは、しっくりきてるよ。わたしとかのじょの相性がいいからだろう。
お見せしたいが、君たちがショックを受けるといけないので、自粛する。
アマゾンでバッグを買った。
リュックにもショルダーバッグにも手提げにもなるすぐれものだ。
レディース用のかわいいデザインだがポケットがいっぱいあって使い勝手がいい。
お値段も三千円足らずと安い。
気に入っている。
貧乏でも、これくらいの買い物はしていいよね。ぜいたくなわけじゃない。
亭主には、古いのがまだまだ使えるのにもったいないと言われそうだが。
