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ギリシャの昼と夜  From The Sky / Michele di toro

2009-05-15 23:14:49 | 聞いてますCDいいと思う


評判も何も知らないで、出会ったピアニストがこれは素晴らしいと思うって一人注目を始めると、その後の作品を心待ちにするようになります。
このMichele di toroとの出会いは「PLAYING WITH MUSIC」というライブアルバムでフレーズとテクニックに驚いたものでした。
その後は評判も出て、ショップに並ぶようになりました。
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20070511
今回の2008年9,10月の録音も前作と同じロシア生まれのベーシストとT.R.Eでも活躍するドラマーとのオリジナルトリオのようです。
最後のF・ハーシュの曲を除いてtoroの5曲ベーシストの3曲ドラマーの曲が1曲でこれも前回と同じです。
ところが今回は、ゲストの扱いのSAXが2,3曲目をのぞいて8曲参加しているのでタイトル、ピアノトリオとありますが、トリオ+1のアルバムに感じます。
とても静謐なピアノの響き、やわらかいバスクラの音色で静かに明ける感じで、でもまだ夜明け前、これからの展開を示唆するように始まる1曲目、その落ち着いた序章はタイトル曲となっています。ピアノのタイトな音の出し方が凄いと感じます


2曲目、3曲目はトリオの演奏ですが、情景をつけるような感じで大きな主張をしないで進みます。
そして4曲目、ソプラノが旋律を吹けば、強い印象が始まります。メロディアスなところを十分持ったソプラノが演奏するのはまず魅力的です。ピアノトリオというよりかプラス1のということがはっきりする、アルバムの作り方です。
5曲目は短い中間和音。
6曲目が区切りがついた演奏でしょうか。
ソプラノの中音のメロディからだんだんと激しいソプラノ、バックは意外と安定したピアノ和音ここに来てこのグループが演りたい部分になったのでないでしょうか。
そして7曲目はゆったりとしながら形をしっかりと作るピアノが存在感とあらわすフレーズ示します。ベースソロを含めてとてもナイーブな演奏です。
8曲目も同じような曲調で、とても形はしっかりしたトリオ演奏です。
このピアニストの、この演奏がどのように評価されるか次も、次もと思うプレイヤーです。
9曲目のソプラノのテーマ、曲調は似た感じでこれがグループのコンセプトみたいに続きます。
10曲目、saxの曲が以外と良い“Circles”ソプラノの演奏調べてないですが、注目すべきでないでしょうか。
そして11曲目はハーシュの曲、とても難しい曲に感じますがそこを演奏する面白さを感じます。
落ち着いた、これを演奏したいと伝わる演奏で終わります。

Toroのピアには前よりも太いギリシャの哲学を語るとまでは言いませんが、和とはまるで違う世界、日本人ではちょっと行き着かない世界です。
強い太陽の光を浴びて輝く大理石の建物、日が落ちれば今度は均衡を保つために奪い去られいく熱。
有無もない、その繰り返しが粛々と続いてきた世界、同じ曲調であっても、それは昼と夜との繰り返しです。
このアルバム、終盤の一曲一曲の曲調は似ていても、それは激しい日差しのなかで一日一日のように思うアルバムです。
ずっと良いと思っているmichele di toroはこれからもすばらしい存在だと思います。


From The Sky / michele di toro

Michele Di Toro(p)
Yori Goloubev(b)
Marco Zanoli(ds)
Klaus Gesing(ss on 4-10,bcl on 1)
Recorded on 24-25 of September 2008 at Artesuono Studio,Cavalicco(Ud),Italy

1.From The Sky
2.Gone
3.Wild Soul
4.Dintorni
5.Wild Soul 'Reprise'
6.Racconto In Breve
7.Tension
8.Introspections
9.Parisian Episode ?
10.Circles
11.Ballad

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