アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

2月歌舞伎座 幡随長兵衛

2006年03月03日 | 歌舞伎

二月 昼の部 「極付・幡随長兵衛(ばんずいちょうべえ)」

序幕 村山座舞台の場

舞台の奥にまた舞台。
劇中劇の芝居をチェックチェック~!
何故なら市川團蔵だから~!!

さ、劇は進むヨ。
坂田公平(團蔵)が、念仏にいちゃもんつけて、
高僧をいじめてますヨ~。

こっからど~なんの?(知ってるくせにぃ)
花道で酔っ払いがギャ~ギャ~。
舞台上の俳優もストップ!
オッ大薩摩(長唄)&三味線さん達も演技してるっっ!
騒がしい方を見たり、横の人と囁きあってる。

フフン、こんな時の舞台番さ!
  「狂言半ばにこゝに出られちゃア舞台の障りになりますから、了簡してくだせえ」
その言葉に
  「おらァ天の直参白柄の頭、水野様の中間様だぞ」
花道で、なんだぁかんだぁの喧嘩沙汰っっ。

え~っと、3階B席から花道は全~く見えまっせん!
見えるのは、劇中劇の俳優だけサ。
だからぁ團蔵にぃズ~ム・インっっ!!
ウホッホ。ただの野次馬と化しているよ~。

酔っ払いはつまみ出されたゼ!
ザワついているお客さんに
  「おすわんなさい、おすわんなさい」と舞台番(ここ、イイね~)
團蔵もホッとして「勘弁してくれよ~」
  「どっから演ります?」
  「兜のところからね」
ガッハッハ~ッハ~ッッ!!
これが見たかったのヨ~。これが~。まいどHAPPY~♪

お芝居再開。
ところが~、今度は違う野郎が出てきやがった。
あッあッ、舞台番に馬乗りになっちったよ~。
って全然見えてないのに。ホッホッホッ。

どこからともなく声がする
「火付盗賊改方、長谷川平蔵である!」(違う違う~)
”弱きを助け強きを挫く”正義の味方!幡随院長兵衛!
客席から登場ーッ!!
縞の羽織着流し一本ざし!
当たり役、初代吉右衛門の名に恥じぬ。二代目吉右衛門!!
って全然見えてないのに。ホッホッホッ。

 長兵 「アヽもうし、そこで御見物なさいましては、
     役者も仕にくく、第一ほかの見物が迷惑を致しますから、
     舞台の間違いはお後の事になさいまして、
     元の所で神妙に御見物を願います」

ギャァァァァァァ!!!カッチョイィィィィィィィィ!!

スルスルスル…
いつの間にか下手の御簾が上がってる。
水野十郎左衛門(菊五郎)、長兵衛とご対~面(パンチDEデートか)
犬猿の仲の初顔合わせ。
視線ぶつかって、バチバチバチチッッッ!
ヤバイ事起こっちゃうのか!?
バタバタバタッッ!馳せ参じたのは子分3人!

 子分 「親分出入りを、」
 三人 「譲って下せえ」
 長兵 「これさ、ふだん言うのはこヽの事だ」
 水野 「また蛆虫めが、はね出しおった」
 三人 「もう勘弁が、」
 長兵 「コレ道具方、幕を引いてくれ」


二幕目 花川戸長兵衛内の場

長兵衛の女房・お時…出た~!玉三郎
出尻清兵衛…出た~!歌昇
おぶさっているのは長兵衛の息子・長松。

家の中でも子分ども、キリリッと決めてます!
由次郎・桂三・薪車・種太郎・菊市郎・菊史郎・錦弥
でも、清兵衛と”誰がぬけてるか”って喧嘩してるヨ。オチャメだヨ。
長松が清兵衛に味方して

 清兵 「お蔭でみんなの顔をなぐり、わっちの顔が立ちました」
 お時 「立つも立たぬもあるものか」
 清兵 「それじゃあ坐っておりましょう」

婀娜な姿の玉三郎!!こーいうの好きだぁぁぁぁ。

愛嬌ある歌昇と子分達と、アットホームしている所へ
水野家から酒宴の招待状が!
ムムムっっ!!子分ども、殺気立ちまくり~!

長兵衛は行くって言い出したっっ!!

 √ 捨てる其の身は苦にもせず、跡の難儀を思いやり、
   暫く詞の中の間より、涙片手に女房が死出の晴着に一腰を、
   添えてなく々携えて出で、

浄瑠璃効いてますっっ!!

 お時 「一世の晴れゆえ新しいのを揃えて持ってまいりましたが、
     羽織は染めて仕立てたばかり、何ぞ目出たいことがあったら
     その時着初めと思ったも、今日の晴着になるというのは
     悲しいことでござんすなあ。」

泣いちゃうお時に、長兵衛は覚悟をキッパリ!

 お時 「今日をば晴れに襦袢まで、すっぱり着替えて行かしゃんせ」

ク~ッッ。それでこそ町奴の女房~!肝が大きいっ!
長兵衛のお着替手伝ってます。
「あ、糸くずが…」そっと取ってあげてます。

情が深くて良い夫婦だねぇ。
嗚呼、芳潤な香り~♪♪ ハ~♪クラクラ~♪
吉右衛門&玉三郎のツーショットはBIG!!
この作品では15年ぶりの競演!(ウッソみたい~)
カッチョイイゾ~御2人さ~ん!!

弟分・唐犬の助言も聞かず、出掛けようとする長兵衛に、

  長松 「これおとっさん、早く内へ帰っておくれよ」
  長兵 「おゝ」

子分もジ~ン…。客席もジ~ン…。
死ぬなよ~長兵衛~!!!


三幕目 水野邸酒宴の場 

長兵衛は、肥前・唐津出身の武士。
だから、武家屋敷に行っても気後れしないヨン。

 水野 「我等は水野十郎左衛門、以後懇親いたしてくりゃれ」
 長兵 「お見知り置かれ下さりましょう」
 水野 「永く親友同様に水魚の交わりいたしたく」

そんな事言いながら、
長兵衛に酒を勧めて、どうするつもりか…。

武芸の腕前を披露することになった長兵衛。
さあ、一勝負!
あらら、2番勝負までやっちゃった~。

ささ、今一杯。おっといけない、衣服にこぼした~。
脱いで脱いで~乾かしまするぞ。
その間に、「お風呂へお入りなされませ」何やら怪しい~。


同湯殿殺しの場

長兵衛着流し姿で腰元達に案内されて、
「さあさこちらへ、総檜創りでジェットバスになってます」(ウソ、ウソ~)

家来が入ってきて湯加減をみる。

 長兵 「お風呂を穢すでござりましょう」
 √ 廊下より、襷鉢巻いかめしく股立取りし侍が、
   ばらばらと立ち出て、

ゴングが鳴ったぜ!くっそ~長兵衛は丸腰だっっ!!

この格闘、歌舞伎では珍しく
鳴り物・つけ打ち共に無し!無音の中”柔”が美しい~。
♪勝つと思うな 思えば負けよ♪(by美空ひばり)
家来をバッタバッタとなぎ倒す!

ついに水野が槍を片手にやってきた!

 長兵 「相手に取って不足がねえから、綺麗に命を上げまする。
     殺されるのを合点で来るのはこれまで町奴で、
     男を売った長兵衛が命惜しむといわれては、
     末代までの名折ゆえ、熨斗を附けて進ぜるから、
     度胸の据わったこの胸をすっぱりと突かっせえ」

ああ、この台詞好きだぁぁぁぁ。
場内、大大大拍手~!!!播磨屋~!!!

「殺すは惜しき…」と水野に言わせて、
長兵衛は、死んで行くのでありました…。      
幕 


30年以上前に観た人が「本水を使ってた」と言っとりました~!!
観たい~観たい~そんなの観たい~。
今はスモークで湯が立つばかり…。

二月大歌舞伎の金メダルは『幡随院長兵衛』
任侠世界を満喫~!!
この手の役演らせたら天下一品っっ!吉右衛門!!
鬼平もTVで見たし、ダブルでHAPPY~♪ 

画像は、もうお判りでしょうか?團蔵で~す(^^ゞ

ルポレポはこちら
 2/2~26 歌舞伎座
昼の部 「春調娘七草」 「一谷嫩軍記-陣門・組討-」 「浮塒鴎」 
     「極付幡随長兵衛」
夜の部 「梶原平三誉石切」 「京鹿子二人道成寺」 「人情噺小判一両

こちらもどうぞ → 「鬼平犯科帳」


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