薬屋のおやじのボヤキ

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9万9千Kmの毛細血管を健全に

2018年01月24日 | 血流改善が最重要

9万9千Kmの毛細血管を健全に

(本稿は別立てブログ「銀杏葉の百科事典 銀杏葉惚れ惚れ」で、同日に投稿したものですが、このブログでも記事にしました。)
 ヒトの血管の総延長は10万Kmになると言われています。また、そのうち毛細血管が99%を占めるとも。この数字は、ともに大雑把な概数ですから、本来なら「血管の総延長は10万Km、毛細血管の総延長も10万Km」と言ったほうがいいでしょう。でも、毛細血管以外の血管(大動脈、動脈、細動脈、静脈も同様の3種類)が1%を占め、その総延長が、これまた概数ですが1千Kmになるのですから、「血管の総延長は10万Km、うち毛細血管の総延長は9万9千Km」と言った方が「毛細血管は血管のほとんどを占め、とてつもなく長い」ことが理解しやすいかと思い、表題はそのように書きました。
 さて、毛細血管の役割はなにかというと「栄養と酸素の運搬」ということになるのですが、飽食時代の今日にあっては、たとえ毛細血管に不具合があっても、栄養は十二分に運搬されるでしょう。ですから、毛細血管の役割は「酸素の運搬」に特化しているといっても過言ではないです。
 ちなみに、通説となっているヒトの体細胞の数はというと「ヒトの体細胞の総数は60兆個、うち赤血球は20兆個」ですが、詳しく調べたら「ヒトの体細胞の総数は37兆2千億個、うち赤血球は26兆個」ということが分かり、細胞総数の70%もが赤血球で占められていることが判明しています。
 これらのことからすると、ヒトの体というものは「あらかたが赤血球とその通り道である毛細血管でできている」と言っても過言ではなく、ヒトが健康であるためには、健全な赤血球が十分にあることは当然ですが、毛細血管も健全なものでなければならないということになります。
 赤血球が足りなくなったり不健全になったりすると、ダイレクトに酸素運搬力に影響しますから、自覚症状として表れやすいのですが、毛細血管の不具合は直ちに自覚症状として表れることはないようです。
 というのは、常時、毛細血管の全部に血液が流れているのではなく、休止している毛細血管が多いからです。例えば、激しく運動するとなると酸素要求が高まりますから、血圧が急上昇し、その圧力によって休止している毛細血管へも血液が流れ、そこを通過する赤血球から酸素がふんだんに供給される、という仕組みになっています。よって、平常時に働いている毛細血管に不具合が生ずると、その隣の休止している毛細血管がバイパスの役割を担ってくれる、といったふうに血流は概ね確保されますから、問題は解消します。
 ところが、毛細血管の不具合は、じわりじわりと全部の毛細血管にやってくると考えた方がいいです。例えば、ごく軽い打ち身で(手や足を指でギュッと押さえただけの場合でも)青あざが出来る方がいらっしゃいますが、これは毛細血管が老化して切れやすくなっているからでして、これは手や足の一部にとどまらず、体全体の毛細血管が同じ状態になっていることでしょう。
 老化して切れやすい毛細血管は、血液中の血漿が漏れやすくなっていますから、毛細血管にかかっている内圧でもって血漿がいたずらに漏れ出した状態をかもし出し、毛細血管内外の圧力差を小さくし、これがために赤血球から放出された酸素が毛細血管外へ出て行く量が少なくなります。
 こうなると、体全体に酸素欠乏をきたします。休止している毛細血管がどれだけか動員できたとしても、原因が原因だけに体中の全細胞に十分な酸素を供給するのは不可能となります。その結果、何となく体が重い、だるい、すぐ疲れるといった体調不良を招きます。こうした体調不良は少しずつ進行していきますから、自覚することなく進んでいきがちで、年のせいにしたりします。
 
 毛細血管の老化現象は加齢により防ぎ得ない面もありますが、けっこう若返らせたり、老化の進行を遅らせたりすることができるものです。ヒトの体細胞は一般に数か月もすれば新しい細胞に置き換わります。これを新陳代謝というのですが、加齢に伴い、その生まれ変わりの頻度が落ち、一つの細胞が長々と働き続けることになります。そうした老化細胞はどうしてもガタがきて、正常に働くことができにくくなります。これが老化現象で、基本的に毛細血管の老化もこうして起きます。
 毛細血管の新陳代謝を促進する一番の方法は、力学的刺激です。赤血球は毛細血管の内壁を擦りながら、あたかもヘビが卵を飲んだごとく、ほんのわずかですが毛細血管を膨らませながら通過していきます。このときの摩擦による赤血球細胞内物質の揺れ動きで酸素が血漿中に放出されます。それと同時に毛細血管の内皮細胞も揺れ動きます。この摩擦という力学的刺激は、運動することによって赤血球の通過頻度の高まりと比例して増えることになり、運動すればするほどに力学的刺激が増え、その結果、新陳代謝も促進されるのです。使うものは使うほどに良くなり、使うものを使わなければ衰えるのは、筋肉や脳と一緒です。
 言うは易く行うは難しが毎日の十分な運動でして、誰しもができるものではありませんが、少しは意識して体を動かしたいものです。

 ここから先は少々専門的になりますが、しばしお付き合いください。
 まず、毛細血管の構造について概説します。毛細血管は次のような構造になっています。ただし、脳内に存在する毛細血管は神経細胞が必要とする物質しか通さない特殊な構造(これを脳関門という)になっていますが、その説明は省略します。

 先ほど説明しました内皮細胞は幾つもがつながっており、内皮細胞同士がくっつき合っているわずかな隙間から栄養物や酸素を含んだ血漿がしみだしていきます。
 内皮細胞の外側を取り巻いているマトリックス(細胞外基質)は内皮細胞を保護する膜で、内皮細胞がバラバラにならないよう守っています。主成分はコラーゲン繊維で透過性があり、血漿は難なく通過します。
 その外側で所々に張り付いているのが壁細胞で、ヒトデのような格好をしており、内皮細胞同士をしっかりとつなぎとめる役割を担っています。マトリックスだけではつなぎとめが不十分ですから、壁細胞の働きはとても重要です。
 このように毛細血管は2種類の細胞と基質でできていますから、その3つともが正常な状態を保ち、それぞれの機能を十分に発揮せねばなりません。
 そのためには、先に述べましたように運動することによって新陳代謝を図ってやることですが、それ以外にも打つ手は幾つかあります。
 まず、内皮細胞ですが、活性酸素や高血糖で傷つきやすく、これらによって内皮細胞の老化が急速に進行しますから、それらを防ぐ手立てが必要となります。
 その最も効果的なものが銀杏葉エキスです。銀杏葉エキスには10数種類のフラボノール配糖体と数種類の総テルペンラクトン(テルペノイド)が含まれており、これらの相乗効果で内皮細胞を守り、また、若返らせるようですし、何よりも赤血球の通りをスムーズにしてくれます。
 次に、マトリックスですが、主成分のコラーゲン(細胞外たんぱく質)は体内合成できるものの、加齢により、その合成力が落ちますから、良質のコラーゲンを補給してやると、胃や腸でいったん分解されるも再合成がスムーズに進み、健全なマトリックスが出来上がるようでして、先に述べました、ごく軽い打ち身で青あざが出来る方は、良質のコラーゲン補給でこれが解消することが多いです。
 3つめの壁細胞ですが、内皮細胞の外側に突き出しているTie2(タイツー)という受容体によって壁細胞が接着し、壁細胞が内皮細胞同士をしっかりとつなぎとめているのですが、えてしてTie2が不活性になることがあり、壁細胞がはがれてしまいがちです。こうなると、内皮細胞同士の隙間が広がりすぎてしまい、血漿がだだ漏れすることになってしまいます。
 そこで、Tie2の活性化を図る必要が生ずるのですが、近年、これに効果があるハーブや生薬が幾つもあることが分かりました。ヒハツ、月桃葉、ツルレンゲ、スターフルーツ、ハス胚芽、シナモン、サンザシ、シジウムグァバ、インディアンデーツ、かりん、ルイボスといったものです。
 これらの中で、もっとも効果的なものがヒハツのエキスのようです。そして、ヒハツエキスは、他に体内熱産生作用が知られており、冷え症改善にもいいですし、また、高血圧改善効果もどれだけかあるようです。

 ということから、毛細血管の健全化のためには、銀杏葉エキス、コラーゲン、ヒハツエキスをサプリメントとして毎日補給するのが望ましいことになります。
 こうしたサプリメントの補給によって、「9万9千Kmの毛細血管」を健全に保ちたいものです。(サプリメント製品の紹介はこのブログでは割愛しました。)

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