【G20共同宣言】
*2日午後(日本時間2日深夜)日米欧に新興国を加えた、
主要20カ国・地域(G20)による第2回金融サミット(英国開催)は、
G20として10年の世界成長目標を事実上2%超とするなどを盛り込んだ、
共同声明を採択して閉幕した。
(2009年4月2日:毎日新聞/記事転載)
◆G20声明骨子◆
・世界的な危機には世界的な解決策が必要。
市場原理、効果的な規制および強力な世界的な機関に基づく、
開放的な世界経済が重要。
・本日の会合の合意によりIMF資金を7500億ドルに3倍増、
2500億ドルの特別引き出し権(SDR)新規配分を支持、
国際開発金融機関による1000億ドルの追加的貸付を支持、
2500億ドルの貿易金融支援を確保、
最貧国向け譲許的貸付のためIMF保有金売却益を活用。
全体として信用と成長および雇用を回復させるための、
1.1兆ドルのプログラムを構成。
1.成長と雇用の回復。
・われわれは前例のない連携した財政拡大を実施中であり、
これにより何百万もの雇用を維持・創出。
来年末までに財政拡大は5兆ドルに上り生産を(累積で)4%拡大。
われわれは成長を回復するために必要な規模の継続した、
財政努力を行うことにコミット。
・多くの国で金利は大胆に引き下げられており、
中央銀行は価格の安定と整合的に非伝統的な手段を含む、
あらゆる金融政策の手法を活用しながら、
必要とされる間、緩和政策を維持することをプレッジ。
・貸付と国際的な資金フローの回復がなければ、
成長回復のための政策は効果をあげない。
流動性供給、金融機関への資本注入、不良資産の問題への対処のため、
銀行システムに対し、これまで大規模かつ包括的な支援を実施。
・共同して行動することによりインパクトは拡大。
国際金融機関、貿易金融を通じ1兆ドルを超える追加的資金の提供に合意。
・IMFは2010年末までに世界の成長率は2%超に上昇と予測。
われわれは回復および成長を確保するために、
必要なあらゆる行動をとることにコミット。
IMFに各国の措置の定期的な評価を要請。
・財政の長期的持続可能性および価格安定を確保。
2.金融監督および規制の強化。
・金融セクターおよび金融規制・監督における大きな失敗が危機の根本原因。
強力で整合的な監督・規制枠組みを構築すべく行動。
・(ワシントン首脳会合での)「行動計画」を実施中。
今回「金融システムの強化」についての宣言(付属文書)を発表した。
*金融安定化フォーラム(FSF)を引き継ぐ金融安定理事会を設立。
早期警戒を実施するためIMFと協働。
*規制・監督をシステム上、重要なすべての金融機関・商品・市場に拡大。
ヘッジファンドが初めて対象に含まれる。
*賃金と報酬に関するFSFの厳格な新原則を支持し、実施する。
*景気回復が確実となれば銀行の資本の質・量・国際的整合性を改善。
過度のレバレッジ防止。
好況時の資本バッファー積み増し。
*タックス・ヘイブンを含む非協力的な国・地域に対する措置を実施する。
国家財政および金融システムを保護するため制裁の用意。
本日OECDが税に関する情報交換の国際基準に反する国のリストを公表。
*評価・引当基準の改善および単一の質の高いグローバルな会計基準の実現。
*規制監督および登録を信用格付会社に拡大。
・財務大臣に対し、上記決定の実施を完了するよう指示。
3.世界的な金融機関の強化。
・新興国および途上国も挑戦に直面。
8500億ドルの追加的資金を国際金融機関を通じて利用可能とすることに合意。
*各国からの2500億ドルの当面の融資は、最大5000億ドル増強される、
新規借入取り決め(NAB)に組み入れ、必要であれば市場借入を検討。
*国際開発金融機関による融資を少なくとも1000億ドル増加。
・IMFの新たなフレキシブル・クレジット・ライン(FCL)を歓迎。
・世界経済に2500億ドルの流動性を注入するSDRの一般配分、
第4次協定改正の迅速な批准を支持。
・国際金融機関の権限、業務範囲およびガバナンスを改革することに合意。
*2008年4月合意のIMF出資比率・発言権改革パッケージの実施にコミット。
次期出資比率見直しを2011年1月までに完了。
*世銀の発言権・代表権改革に関する勧告の2010年春までの合意を期待。
*国際金融機関の長および幹部の開かれた、透明で実力本位の選出。
・持続的な経済活動を促進する主要な価値と原則の必要性に合意。
このような憲章を次回の会合でも議論。
4.保護主義への対抗と世界的な貿易・投資の促進。
・貿易は25年間で初めて減少。
貿易・投資の再活性化は成長回復に不可欠。
*ワシントンの誓約を再確認。
いかなる違背措置も速やかに是正。
誓約を2010年末まで延長。
*国内措置の貿易・投資への悪影響を最小化。
金融保護主義に逃避せず。
*あらゆる措置をWTOに迅速に通報。
四半期毎に公開で報告。
*貿易・投資の促進と円滑化のためのあらゆる手段をとる。
*貿易金融支援のため、2年間で最低2500億ドルを利用可能とする。
・ドーハ・ラウンドの野心的でかつバランスのとれた妥協にコミット。
そのため、モダリティに関するものを含むこれまでの進展を基に、
さらに進めることにコミット。
5.万人のための公平で持続可能な回復の確保。
・公平で持続可能な世界経済の基礎を築くことを決意。
*ミレニアム開発目標、ODA公約達成へのコミットメントを再確認。
*低所得国が利用可能な資金を500億ドル増加。
*IMF保有金売却益および余剰資金を活用して今後2─3年にわたり、
最貧国のために60億ドルの譲許的かつ弾力的な追加的資金を供給。
*国連に最貧国・最ぜい弱層に与える影響の監視メカニズム設置を要請。
・成長への刺激、教育・訓練への投資・積極的な労働市場政策により雇用を支援。
国際労働機関(ILO)ほかに各種行動の評価を要請。
・強じんで持続的かつ環境に優しい回復という目標に向け、財政刺激策を利用。
・2009年12月のCOP15での合意達成へのコミットメント。
6.コミットメントの遂行。
・われわれのコミットメントに関する進ちょくをレビューするため、
本年末までに再度の会合を持つことに合意。
(2009年4月2日:ロイター/記事転載)
【アメリカのニュース】
*日本銀行と欧州中央銀行など4中央銀行と米連邦準備制度理事会は、
6日米金融機関の資金調達を支援するために通貨を交換する、
新たなスワップ協定を結んだ。
米連邦準備制度理事会(FRB)からの異例の要請に基づき協定を結んだのは、
日銀、欧州中央銀行(ECB)、英国イングランド銀行、スイス国民銀行の4行。
日銀は、最大10兆円をFRBに供給する。
(2009年4月7日:読売新聞/記事転載)
【日本のニュース】
*3日のニューヨーク外国為替市場で、ドルが対円で上昇。
ドル/円は、100円を超え5カ月ぶり高値をつけた。
(2009年4月3日:ロイター/記事転載)
*麻生首相は6日午後、
政府・与党が検討している追加経済対策の財政支出について、
国内総生産(GDP)比で2%を超える規模とするよう指示した。
政府はこれを受け<真水>と呼ばれる財政支出が10兆円を超える、
2009年度補正予算案を編成する。
経済対策に伴う補正規模としては、
1998年度第3次補正の7.6兆円を上回る過去最大規模となる。
(2009年4月6日:時事通信/記事転載)
~経済対策に盛り込む政策については、
▽非正規労働者に対する新しい安全網の作成。
▽政府系金融機関を活用して企業の資金繰り対策に万全を期す。
▽太陽光発電の利用を大幅に拡大。
▽介護や地域医療に対する国民の不安の除去。
▽自治体の活性化を支援。
の5つの点に優先的に取り組むよう指示した。
(2009年4月6日:NHK Web/記事転載)
<真水(まみず)>
経済用語としての真水の意味は、『経済効果の高い予算分配』のこと。
つまりGDP(国内総生産)を直接増やす効果のある経済対策と言える。
直接的効果とは、
真水として注入した資金が貯蓄されずに流動性を保つことであり、
流動性を失くし資金が固定されれば景気を刺激する効果が薄れる。
その具体的な政策についての明確な定義基準はなく、
循環経済の動き(変化)の中で失策する可能性も高い。
*政府・与党は10日、
首相官邸で経済対策に関する会合を開き、
追加経済対策となる「経済危機対策」を正式に決定した。
財政支出(真水)は、約15兆4000億円。
事業規模は、56兆8000億円で過去最大規模の対策となる。
雇用調整対策として、
・職業訓練中の生活費を支給する基金。
・失業者への住宅手当。
・公共事業で地方自治体の負担を軽減する交付金の創設。
などの対策や地域活性化策を柱に据えた。
また個人消費対策として
・就学前3年に該当する子どもに年3万6000円を支給(今年度限り)。
・省エネ家電製品の購入支援。
・低燃費車の買い替え補助。
・減税措置では住宅の購入・改修を条件にした贈与税軽減。
など需要創出策も盛りこんだ。
さらに企業向けには、
・中小向けの保証枠拡大。
・研究開発税制の優遇。
・交際費課税の軽減。
が柱となる。
(日本経済新聞:2009年4月10日/記事転載)
*10日の東京株式市場での日経平均株価が、
一時今年の1月8日以来となる、
約3カ月ぶりの9000円台を回復した。
また13日にも一時も9000円台に乗せた。
【特記事項】
*4月5日午前11時33分。
北朝鮮が「人工衛星」としている長距離弾道ミサイルが発射された。
防衛省はイージス艦や地上レーダーのデータをもとに軌道を追跡。
日本の東、約2100キロの太平洋海上で追尾を終了した。
この問題では前日の4日正午頃(0時16分)、
謝った発射情報が発表され、5分後に取り消される誤報が生じていた。
*11日タイのタクシン元首相派を支持する市民団体が、
アピシット現首相の退陣を要求するデモ隊約1000人で、
東南アジア諸国連合(アセアン)+3ヶ国(日中韓)の首脳会議が、
開催されていたパタヤのホテルに強行突入。
各国の首脳陣は、ヘリコプターで安全な場所に脱出・避難した。
開催国議長であるアピシット首相は、
「各国首脳の安全が確保できない」として、
12日までの全日程の中止を決定。
パタヤなど会場周辺に一時、非常事態を宣言した。
<2009年3月と4月の数字の比較。>
日時 日本株 アメリカ株 円⇔ドル 円⇔ユーロ
3月30日 8236円台 7522㌦台 97円台 127円台
4月10日 8964円台 聖金曜日 100円台 132円台
4月13日 8924円台 8057㌦台 100円台 133円台
<関連記事>
*【世界同時不況】:FRBの決断 ~2009年3月経済メモ。
http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20090331
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