mimi-fuku通信

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“横澤彪氏の笑い”&“立川談志さんの落語”を語る(枕は積雪の話)。

2011-01-28 00:00:00 | 映画・芝居・落語

 今日の日中は少しだけ暖かかったかな?
 でも夕方からは少し積雪。
 山間部の方からは溜息が聞こえてきそう。
 石川県の加賀地方(金沢市以南)のJR沿線での積雪は数センチ。
 寒い日は続くものの積雪は多くなく安堵して。
 次の土⇔月に強い寒波が来るものの平野部では大雪にはならないと思う。
 加賀地方の平野部での最大積雪は週末で30cmくらいかな?
 予報では今年の大雪はそれで峠を越えそうな見込み。

 でも、
 昨日までの時点で金沢市が11cmなら、
 白山吉野(白山市)で147cm、加賀栢野(加賀市)で132cm。
 *リンク先からアメダス→月表→雪(有線ロボット積雪深計)で確認。
 石川県防災センター→ http://ishikawa.wni.co.jp/
 
 今年の雪は山沿いには酷な日々が続く。
 とにかく気温が上がらないために雪が消えない。
 山間部の屋根の雪は、
 何段かに分かれての“雪の層”が確認できる。

 前にも記述したけど温度と高度の関係は凡そ600mに4℃下がるとされている。
 ~3:2(=1000m⇔6.6℃低下)と覚えておくと高地に出かける際に便利。
 平野部で4℃との天気予報が出ていれば石川県ではスキー場がある、
 500~1200m地帯は、1℃~マイナス4℃となり確実に雪になる。
 ~さらに風で運ばれた低い雪雲は山間部で遮られ同じ所に積雪。

 今年(2011年)の1月の平野部での平均気温は2℃前後。
 150mの高度では1℃で300mの高度では0℃。
 平均気温が例年並みの4℃の場合は、
 150mの高度では3℃で300mの高度では2℃。
 この“2℃の差”が雪を氷にするか水にするかの分かれ目になる。
 ドカ雪は降らないが一度降った雪が融けずこっとりと屋根の上に居座る。
 老齢家族は恨めしく屋根を見つめ不安な毎日を過ごしているだろう。
 平成に入って初めての寒い寒い1月が早く終わればと願う。
 ~
今度の土日の雪模様に屋根雪おろしをされる方々も多いと思います。
   できる限り2人以上で雪下ろしを行い呉々も屋根の縁(ヘリ)には近づかず、
   滑り落ちないよう
お気をつけてください。
   2月2日~3日は平野部では7℃まで気温が上昇との予報。
   もうしばらくの辛抱です?

 日本海側地方では空からの要らぬ白いチラチラが降れば、
 南九州地方では空から恨めしい灰色の火山灰が。
 鹿児島県と宮崎県にまたがる霧島連山・新燃岳(1421m)の噴火。
 昨年は口蹄疫に苦しみ今年は鳥インフルエンザに苦しむ南九州地方。
 自然の酷(火山噴火)は偶然の産物なのだろうが、
 環境がもたらす酷(異常気象)は人間が作り出す産物?
 ・・・。
 この話はやめよう。

 昨晩はPCを午後9時前には閉じ録り溜めたビデオを鑑賞。
 *爆笑問題のニッポンの教養:横澤彪
 *しゃべくり007:太田光
 *あさイチ:立川談春特集 
 どの番組も面白かった。
 
 今日のテーマは笑いの話。
 2011年1月8日に亡くなられた横澤 彪さん。
 言わずと知れたフジテレビの大物プロデューサーで、
 『オレたちひょうきん族』『笑っていいとも』の生みの親として知られ、
 ビートたけしさん、明石屋さんまさん、タモリさん等を第一線に引き上げた。
 『爆笑問題のニッポンの教養』では最後のテレビ出演をされている。
 NHK http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/20100921.html

 横澤 彪(よこざわ たけし)
 TVプロデューサー。
 1937生まれ。
 1962年東京大学文学部を卒業後フジテレビに入社。
 「THE MANZAI」、「オレたちひょうきん族」、「笑っていいとも!」
 など“軽チャー路線”を象徴する数々の人気番組をプロデュース。
 フジテレビ退社後は吉本興業東京支社長・専務取締役や、
 
鎌倉女子大学教授などを歴任した。

 番組内容
 現在バラエティ番組は全盛時代。
 お笑いタレントたちが日々席巻するTV界。
 今も続く「笑っていいとも!」や伝説のお笑い番組「オレたちひょうきん族」で
 80年代のTV番組に革命を起こし潮流を作り出した伝説のプロデューサー。
 ハプニングや素のリアクションを全面に押し出し、
 「ドキュメント性の高い笑い」は以後のバラエティ番組制作の王道となり、
 番組から飛び出したタモリ、たけし、さんま、紳助といったお笑いスターたちは、
 現在もTV界に君臨している。
 しかしその革命も元を正せば視聴率40~50%のお化け番組、
 『TBS:8時だョ!全員集合』
を向こうに回しての苦肉の策だった。
 爆笑問題も
 「この人がいなければ我々もなかった」と尊敬する、
 “カリスマ番組屋”の発想術とは?
 そこから見えてくるTVの過去・現在・未来を議論する。
 さらに番組の最後にはあの名場面が復活?

 ~以上NHK-HPより記事転載(リンク先には爆笑問題や番組ディレクターの感想あり)

 横澤さんの自宅を爆笑問題が訪ね、
 “80年代:お笑いの黄金期”のエピソードを聞く。
 色々な興味深い話の中で、
 短時間の短いネタを次々に披露しなければならない現代のお笑いの悲喜劇は、
 新しいモノを次々に要求するニーズ(視聴者)の変化に合わせた結果との見方。
 『全員集合』のお笑い(=ドリフターズ)が緻密に計算されたお笑いなら、
 『ひょうきん族』のお笑いは突然に予想もしない事が起きるライブ感。
 『笑点』『サザエさん』の予定調和に安心する心理と、
 昨今のお笑い番組のように次に何が起きるかを期待する心理。
 “現代のお笑いは数字にばかり気をとられ思い切った冒険をしない”
 とは横澤氏の言葉。
 “数字を守りたいがために本当に作りたいものを作れていない現実”
 とも。
 
 新年1月8日に放送された

 『カウントダウン“江”~大河ドラマ50作すべて見せます~』
 にコメント出演された萩本欽一さんが語った、
 大河ドラマを超える視聴率を命題としての、
 『コント55号の裏番組をぶっとばせ!』
 大河ドラマなる予定調和を、
 野球拳(じゃんけん)なる先の見えないライブ形式で対抗。
 結果として先が読めないお色気は大河の牙城を崩した。
 
“予定調和に安心する心理 vs 次の何かを期待する心理”
 は、
 いつの時代にも共通した対立概念なのだろ。

 今年の朝日新聞元旦号のテレビ紙面(別刷り)で、
 <バラエティの未来は?>
 なる記事が掲載されていた。
 日本テレビ:古立善之さん、TBS:合田隆信さん、
 テレビ朝日:加地倫三さん、フジテレビ:港浩一さん。
 現在のバラエティ番組を支える敏腕プロデューサー達が振り返る。

 ・ドリフターズの入念な稽古(=いかりや長介さんの笑い)。
 ・萩本欽一さんの素人を巻き込んでの番組制作。
 ・
THE MANZAI:芸能としての漫才をカッコよく演出。
 ・ひょうきん族:決め事のない(アドリブ)ぶっ壊しのバラエティ。
 ・オールナイト・フジ&夕焼けニャンニャン:軽チャー路線。
 ・天才たけしの元気が出るテレビ:ありえない単純性。
 ・進め!電波少年:やってはいけないことをやってのけた。
 
 以上の番組から読み取れるお笑いの進化の過程は、
 凡そ“常識と非常識の境界”を何処に定めるかになるのだろうか?
 現在のバラエティ番組の苦悩を加地さんは、
 
視聴率を命題にすると視聴率の取れないものは“やらない”という免罪符ができる。」
 古立さんは、
 「新しいモノを創ろうとミクロの競争をしているけど視聴者の求めるものは違う所に?」
 合田さんは
 「結局最後は(視聴率を)気にしない奴しか(視聴率競争に)勝てない。」
 朝日新聞・元旦号を読み返してみると、
 どこか横澤さんの発言と通じていて興味深い。

 *しゃべくり007:太田光
 は多くの人が観てるだろうし、
 まっいいか。

 
 *あさイチ:立川談春特集

 一昨日(おととい)にも触れた番組を昨晩ようやく視聴。
 本物(純粋に噺を楽しむ)の落語ブームが来るか来ないかは別にして、
 (ブームが来ても)テレビで古典落語を放送することは難しいと感じる。
 ショートなネタを次々に繰り出す“現代のお笑い”は、
 変化し続ける携帯電話のブームのようなもの。
 機能の変化を半年単位で実感できる時代に、
 黒電話(回転ダイヤル式固定電話)を求める人は少ないだろう。

 現在落語を楽しめる番組は、
 NHK教育テレビの
 
【日本の話芸】
 教育:毎週火曜 午後2時~2時30分
 毎週月曜:午前5時5分~5時35分(再)
 総合:毎週土曜 午前4時30分~5時(再)
 BS2:土曜午前2時55分~3時25分(金曜深夜)

 と、
 TBS地上波&BS-TBSで不定期に放送される、
 
落語研究会】が代表格だろうか?
 ~BS:2011年01月29日:午前3時~
 第70回落語研究会
 「竹 の 水 仙」 柳家 喬太郎
 「三味線栗毛」 古今亭 菊之丞
 「転宅」 橘家 文左衛門

 NHK教育の『日本の話芸』すら30分の枠内での演目は、
 演題により大幅なカット(編集及び噺家の意図)がされ、
 満足のできない省略が見られる。

 あさイチで出演された、
 “立川談春さんの芝浜”は70分に及ぶと紹介。
 平素名人達の演目:芝浜は40分前後。
 「芝浜」の名人と言われた桂三木助(三代目)さんには、
 30分にも満たない“芝浜”も存在。
 放送された、
 談春さんの「芝浜」のサワリを拝見し成る程。
 談春さん自身も反省されているテンポの遅さ。
 さらに、
 噺のシナリオライター(原作に対する言葉の組み立て)としての能力を、
 高く評価される談春さんらしい細かい説明(場面背景)が随所にあるようだ。
 談春さん自身が語るとおり、
 「70分も芝浜にかけるから凄い!」
 は大きな誤解。
 余分な贅肉を削ぎ落としテンポを己の信条とした八代目:桂文楽。
 殆どの演目を25分前後に纏め上げた芸風は“見事”の他に言葉はない。
 しかし現在は、
 ホールと言う時間制限のない空間での落語に人気があり、
 寄席と言う時間制限のある落語は満員になりにくい現実。
 また、
 テレビの中の短縮された時間制限に振り回されながらも、
 自己の存在意義を主張しなければならないTVタレント。
 TVの数分のネタと寄席の15分⇔30分の落語と、
 寄席:独演会やホールで行われる長時間の落語。

 あさイチの談春さんの「芝浜」のサワリを見ながら、
 求める者(観客)の要求としての一人芝居。
 新しい落語ファンが求める現代風のシナリオの整理。
 ~予習してこない観客への時代背景の説明。

 
新春落語研究会:柳家喬太郎さんの、
 “布哇(ハワイ)の雪”を見た時にも“そんなこと”を感じた。
 それはそれで噺家にとって難儀な時代なのだろう。
 あと、
 
深く印象に残ったのは師匠:立川談志さんの名言。
 “修行とは如何なる矛盾にも耐えることだ”
 談志さんらしい理路整然としながらも奥行きのある言葉に微笑んだ。

 前にも文字にしたけれど、
 CDムック 立川談志 Vol.1~Vol.3 (価格:各1260円)
 Vol1 「芝浜」S57/12/9収録 & 「源平盛衰記」S57/6/18収録
 Vol.2「黄金餅」S47/3/19収録 & 「野晒し」S50/9/7収録
 Vol.3 「居残り佐平次」 S43/7/25収録 & 「あくび指南」S42/11/19収録
 発売元:竹書房
 竹書房 http://www.danshi.co.jp/topics.htm
 

 Vol2の「野晒し」は面白かった。
 昨年の8月に新宿:末廣亭で柳家花緑さんの「野ざらし」を見た。
 基本は怪談噺なのだが八五郎なる怖れを知らぬ主人公の物語。
 花緑さんは
お調子者:八五郎の動作の隅々に磨きをかけ演出し好印象。
 立川談志さんは八五郎を乱暴者に想定し荒々しくもスピード感たっぷりに。
 談志さんの演目は“釣り場”のシーンで終了したが息もつかぬ噺のテンポに感心。
 1982年の「芝浜」には首を傾げる部分もあったが、
 1975年の「野ざらし」は本当に面白い!

 談志さんの言葉の言い回しやマクラの個人中傷を、
 個人的には好きにはなれないが、
 ビートたけしさん、太田光さんと続く毒舌(=虚と実の演出)は、
 談志さんなしには生まれなかったと人伝に聞いている。
 ひょうきん族の中で演じられた空気に反する“たけしさんのぶっ壊し”の芸風。
 しゃべくり007の中でも、
 太田光さんの“ぶっ壊し”の芸風の話題は番組の主題だった。

 笑いの本質としての、
 “庶民が口にできない言葉の代弁者”

 それがいつしか行動に置き換えられたのが『ひょうきん族』の凄みなのだろうか?
 と同時に1980年以後の笑いの挑戦はタブーとの戦いであったのだが、
 視聴者に拒否される事例(時代の慣例との相違)が多かったことも事実だし、
 バイオレンスの行き過ぎが弱者にとって寛容ではないことも、
 事実として受け止めるべきだ。
 ~たけしさんの初期映画の中の“バイオレンス”が表現としては適当なのかを、
 キューブリック監督の“時計仕掛けのオレンジ”の非現実と比較し笑いを捉えると、
 笑いの中のタブーの所在(行動原理と無機質の狂気)が見えてくるような気がする。

 話が脱線したが、
 立川談志さんの凄みは言葉のバイオレンスに似通う気もするし、
 噺家としての立川談志さんの本質的な凄みは闊達な学習(稽古)の賜物
 であるのだろう。

 ただし私が落語に望む、
 “粋(いき)の美学”は談志落語には極めて希薄に感じ、
 “業の肯定=野暮の代弁”に聴こえてしまう部分は残念だ。

 
“粋の美学”
 その事については既に述べた(下記リンク参照)。

 *『粋(いき)と野暮(やぼ)』を学習し『日本人気質』を探求する。
 ブログ内 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20100530



 【追記】
 
 そう言えば一昨年好評を博したCD付マガジン、
  隔週刊『落語・昭和の名人(完結編)』小学館が2011年2月8日創刊。
 興味がある方は下記リンクへ。
 小学館 http://www.shogakukan.co.jp/pr/rakugo2011/list.html

 
 <ブログ内:関連記事>

 *『新宿・末廣亭(すえひろてい)』:寄席の鑑賞と落語の考察。
  http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20100811

 *NHK-BS2:『東京落語会600回記念』スペシャル番組の情報。
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20091011

 *明石家さんま伝説 <FNS27時間テレビ> ~mimifuku的評説。
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20080727


 

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